今回も引き続き、2番目の「A:年間EPSの増加」です。
1番目のCと異なるのは、長期目線の利益に焦点が当たるところです。
同一業界内の負け組を除外する方法
- 3年連続のEPS増加率を銘柄選択の条件にすれば、それだけある特定の業界内の銘柄の8割を除外することができる。
- 過去3年間のEPS増加率が30%という素晴らしい記録を持つ企業でも、直近の数四半期のEPSの増加率が10~15%ほどに減速している銘柄は、完全に成長が止まった成熟株だと言える。
- 歴史が古く巨大化した企業は、特徴としてEPSの増加率の伸びも鈍く、一般的には避けるべきである。
まず前提条件として、その銘柄が属する業界が不調なのに、その銘柄だけが好調な場合はなにかあると疑ったほうが良いです。
少なくとも、その原因が無視できるレベルのものかどうかは確かめる必要があります。
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このスクリーニングを乗り越えた場合には、有望な業界のなかから、CAN-SLIMで最高の銘柄を選びましょう。
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またオニールは、成長しきった成熟株は避けるべきだと指摘しています。
どんな成長株をいずれ成熟していきます。
EPSの増加率を観察することで、公平にしっかりふるいに落としましょう。
年間EPSと当期四半期EPSがともにずば抜けた企業を見つける
- EPS指数とは、企業の直近2四半期のEPSの増加率を前年同期と比べ、過去3年間でどれほど成長したかを測定したものである。
- その後、その測定結果を公開されている全銘柄と比較し、1(最低)~99(最高)の指数で表す。
- EPS指数が99の企業は、年間EPSと当期四半期EPSの両方で、残り99%の企業よりも良い成績であったことを意味する。
レラティブストレングス指数と同様に、ここでもオニールが使う独自指標、EPS指数が使われます。
米国株の場合は、無料で公式サイトから確認できます。
トップページから銘柄名で検索すればよいので簡単です。
https://www.investors.com/
上の画像のように確認できます。
別途サブスクに課金することで、以前にも紹介しましたレラティブストレングス指数も確認できます。
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では日本株ではどのように算出すればよいでしょうか。
あらかじめ言っておきますが、コスパが悪く算出するのはお勧めしません。
考え方自体は単純で、直近2四半期のEPS増加率を前年同期と比べます。
つまり、合計3年分のEPSデータを使うというわけです。
その後、レラティブストレングス指数を計算したときと同様に、計算結果に応じて日本株全体に対し素点1~99点をつけていけばいいわけです。
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しかし実際に計算する場合は、各銘柄のEPS情報をExcelなどに落とし込む必要があるため、全銘柄のデータベースを保有していない限り難しいでしょう。
また、計算式も当然明かされていませんから、本当に合っているかどうかもわかりません。
それでもこだわりたいという方は、TradingView(有料版)でチャート上でEPSの動きを観察したほうがいいでしょう。
増減する折れ線グラフを見るだけでも、当初の目的は達成できるのではないでしょうか?
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まとめ
- 株を買うなら、過去3年連続で大幅にEPSが増加し、さらに最近の四半期でもEPSに力強い向上が見られる銘柄に絞ること。この条件は必ず守らなければならない。
- 同業他社比較のときにも、EPSの増加率で銘柄選択しよう。
おわりに
重要な要素は投資チェックリストの3つだけですが、知っていたほうがいいことはたくさんあります。
頭の片隅にいれておき、必要に応じていつでも引き出せるように準備するとよいでしょう。
次回はPERの使い方について読んでいきます。
昔は私もかなり重宝したPERですが、信じすぎると痛い目を見ますよ。