FIREを目指そうと決めたら、まず投資をしようと考えるでしょう。
でも、その前に待ってください。
収入が支出を上回れば経済的自由といえますが、生涯にわたっても安心して暮らせるものでしょうか?
そんな不安を解決する”ライフプラン”とよばれるものを紹介します。
5種類のFIRE
FIREとは、以下の頭文字をとったものです。
- Financial
- Independence,
- Retire
- Early
直訳すると経済的自立と早期リタイアという意味になります。
このFIREには、細かく分けると5種類のFIREが存在します。
- Fat FIRE(ファット):働かずに自由に暮らせる状態でのFIRE、経済的自由
- Lean FIRE(リーン):倹約しながら最低限の生活費を資産運用して生活するFIRE
- Coast FIRE(コースト):資産はあるがあえて働くFIRE
- Barista FIRE(バリスタ):フルタイムではなく働く時間や日数を減らして生活費を賄うFIRE
- Side FIRE(サイド):好きなことを副業として収入を得ながら、本業も適度に働くFIRE
昔も流行った経済的自由といえば、不労所得で暮らすファットです。
そこから労働収入を当てにするか、支出を減らすかでFIREのタイプが分かれます。
どのタイプを選ぶかは、これから話すライフプランの中身次第で変わることになります。
ちなみに私は、ファットを土台にライフプランを作成しています。
ライフプランとは
直訳すると人生設計です。
もっと具体的に言えば、人生の目標やイベントに備えて、必要なお金を把握するために作ります。
実際に収入・支出などを時系列別にまとめて数値化します。
百聞は一見にしかず。
FP協会のキャッシュフロー表を見るとイメージが掴めるはずです。
便利ツールで家計をチェック | 日本FP協会
3つのライフプラン
経済的自由と言えば必ず取り上げられる書籍「金持ち父さん 貧乏父さん」。
タイトルの通り、この本は金持ちになることを目的としますが、その前に以下の3つのライフプランを立てることを勧めています。
- 経済的に安定するためのライフプラン
- 快適に暮らすためのライフプラン
- 金持ちになるためのライフプラン
1.生涯にわたって経済的に安定するためのライフプラン
結論から言うとFP(ファイナンシャルプランナー)に丸投げで大丈夫です。
しかし自力でも簡単に作れます。
自己研鑽でFP資格を持っている方なら更にとっつきやすいはずです。
これはファットFIREでも、バリスタFIREでも、自分の働き方や生き方に合わせてもらえば大丈夫です。
大事なのは生涯で支出を貯蓄で賄うことができれば構わないわけです。
それが安定のためのライフプランです。
2.生涯にわたって快適に暮らすためのライフプラン
第1のプランよりは積極的で、満ち足りた世界を送るためのライフプランになります。
中流〜上流階級の中間あたりを私はイメージしてます。
でかい車、大きい家、うまい食事、長期休暇での海外旅行、子供への英才教育など。
スーパーで値札を見ずに買い物したり、サブスクを気にせず入りまくることもあるかもしれませんね。
願望が増えることで支出は増えるため、安定のためのライフプランと比べて、より創造的で精密な計画が必要になってきます。
退屈だった最初のプランから、より豊かで刺激がある生活が送れるでしょう。
3.金持ちになるためのライフプラン
第2のプランと比べるとさらに積極的で活き活きとして、ありあまる世界を描いていきます。
いわばセレブな生活を送るべく、やりたいことや欲しいものをこれでもかと想像(むしろ妄想)して、実現するための費用を数値化し、その支出を上回る収入を創造する必要があります。
ここまでくるとビジネスを立ち上げてキャッシュフローを生み出さないと厳しそうですね。
最後のプランでは無数の複雑な選択肢があるため、とても一人では作ることができないかもしれません。
それでもお金持ちになるには必須の地図と言えるでしょう。
したがって、頼れる専門家たちの力を借りることがお金持ちへの第一歩です。
ちなみに私がやりたいことの一つは、私設図書館の設立です。本に囲まれて生きたい。
ライフプランを作ってみよう
では、実際にライフプランを作りましょう。
現時点から死ぬまでが人生設計の範囲です。
時間や費用が少なく済む順番に以下の方法を紹介します。
- ライフプランシミュレーション
- エクセルなどで作成
- FPに依頼
1.ライフプランシミュレーション
いくつかの質問に対して、選択肢に回答するだけでライフプランが作成されます。
知識がなくとも簡単に出来上がるのがメリットです。
しかし、会社員を前提とした典型的なシナリオに沿って作成されることが多いです。
またその人特有のイベントがあると、カスタマイズできない不満も残ります。
ライフプランシミュレーションは、ネット検索すれば様々出てきます。
下記リンク先は全銀協(全国銀行協会)のシミュレーションです。
www.zenginkyo.or.jp
2.エクセルなどで作成
フォームは探せばたくさんありますが、特に好みがなければFP協会のもので大丈夫です。
www.jafp.or.jp
4枚のシートに分かれておりますが、ひとつずつ作成していきましょう。
収支確認表
現在の収入と支出を書き出すと、自分の貯蓄力がわかります。
収入と支出を把握するには家計簿をつけると手っ取り早いですが、家計簿をつけることが面倒くさいというデメリットもあります。
そんな方は家計簿アプリを使うとほぼ自動なので三日坊主になることもありません。
私はマネーフォワードを使ってます。
会社員であれば源泉徴収票から収入を埋めます。
支出項目は必要に応じて増やしましょう。
バランスシート(貸借対照表)
現在の資産と負債を書き出すことで、家計の健全性を知ることができます。
資産から負債を差し引いた金額が、本当の資産(純資産)になります。
なおバランスシートを作るうえで、良い資産と悪い負債を意識することはFIREのために重要です。
- 良い資産はお金を財布に入れるもの
- 悪い負債はお金を財布から出すもの
良い資産を増やし、悪い負債を減らすことを考えましょう。
特に金利の高い悪い負債は、資産を増やすより先に減らすべきです。
財布に大穴が空いていては純資産は思うように増えません。
ライフイベント表
今わかっている範囲内で、自分や家族の予定や目標を書き出していきましょう。
どのくらいの費用が掛かりそうか、大まかで構わないので書き出します。
安定のプランに必要なイベントは、みんなが経験するものが多いです。
どんなイベントがあるかは、先ほどの全銀協のサイトに前提条件として網羅されているので、ぜひ参考にしてください。
自分で描く未来予想図 ライフプランシミュレーション
そして快適、金持ちのプランになっていくにつれて、情報収集力と想像力が問われてきます。
プラン作成に時間もかかり大変になると思います。
でもきっと楽しいですよ?
将来のイメージを具体化することで、望むゴールがまた一歩近づきます。
3.FPに依頼
米国では身近なFPも、日本ではあまり身近ではないかもしれません。
FPに本格的に相談する前に、無料相談が行われることが多いので、自分に合うFPかどうか確かめることができます。
ここで私の失敗例を紹介しましょう。
FPに主導権を譲ってはいけないこと、しっかり準備しなければならないという例です。私のしくじり
私は学生時代に金持ち父さんの本に感銘を受けて、FPに相談してライフプランニングを依頼しようと思い立ちました。
そしてGoogle検索結果で一番上に挙がったFPに、とりあえず相談しに行ったことがあります。
初回は無料相談とのことだったので気楽に面談に臨んだのですが、当然事前に相談しながら作成していくライフプラン表を作ってくれるわけもなく、資産運用の講義を1時間受けて終わってしまいました。
相談したFPは元銀行員の方でしたが、残念ながらこちらの年齢や本気度を甘く見られた感がありました。
その証拠に、今後の料金プランの提案すらありませんでした。
当時はFXに全力だったことに小言言われたあたりから、そんな感じがありましたね。
まあ元銀行員の目からすれば仕方ないですね。
この準備不足による失敗から、事前に料金メニューにライフプランニングがあると、話がスムーズに進むと教訓を得ました。
そして相性は必ずあります。
最近はFP業界も活況の兆しがあり、当時と環境は異なると思いますが、切磋琢磨している環境の中ならきっと親身になってくれるFPが見つかります。
私から言えるのは、①事前にライフプランを作りたいことを伝えること、そして②こちらが主体的に動いてFPをコントロールする気概が必要です。
専門家は辞書みたいなものです。
扱う自分が決定権を握っているのをゆめゆめ忘れずに。
なおFPの腕の見せ所の一つとして、税理士や弁護士、銀行員といった他の専門家等のコネがあることも大切です。
快適に暮らすためのプラン以降は、1人では数字にして落とし込むことが難しいことも少なくありません。
そして実現に向けて自然と協力を求めることになります。
知識・経験が豊富でツテのあるFPは、ライフプランニング以降も頼りになります。
FP資格をお持ちの方や会計等に詳しい方も、一度外注することを検討してみてはいかがでしょうか?
ライフプランを見直す
実際に出来上がったライフプランが、夢や目標を叶うものか確認します。
たいていは収入が足りない、支出が多かったりとうまくいきません。
そこで家計の見直しをしましょう。
まずは収入を増やすことです。
本業の収入は増えそうか?
または副業や投資、起業と収入を増やす手段を考えてみましょう。
ですが自分だけでなく他人も関係するだけに、努力では報われないことも多く収入をすぐに増やすのは難しいかもしれません。
その点、支出は減らす余地があります。
なんたって自分で節約をコントロールできますからね。
収支確認表を見て節約できる項目はないか、悪い負債を減らしたらどうなるかなど、家計を見直してみましょう。
時間や知識が足りないなら、FPに相談することも一考です。
こと支出の分野では、FPの知識は豊富にあります。
作成後も定期的に見直そう
計画を立てたあとは、最低でも年1回は見直します。
実績との乖離があったら修正することはもちろん、新たに計画に加えたいイベント等があれば反映させましょう。
さいごに
人生を安心して暮らす上でライフプランは欠かせません。
夢や目標のために本業だけでは難しい場合は、副業や起業、そして投資が必要になってきます。
FIREを現実的に達成するために、まずはライフプランを作ってみましょう。
そしてお金持ちを目指してみませんか?
遠いと思える目標も最初の一歩が大切です。