はぐれ猿でも、投資がいいんだ。

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オニールの成長株発掘法第7章~L「主導銘柄か、停滞銘柄か」

CAN-SLIMによって大化け銘柄が持つ7つの主な特徴を、7文字の頭文字をとってアルファベットで表します。

本日は「L-主導銘柄か、停滞銘柄か」です。

主導銘柄はマーケットを引っ張る存在です。
力強いこの銘柄たちには、株価の上昇に期待できます。

定義

オニールが唱える、主導銘柄と停滞銘柄の定義は以下の通りです。

  • 主導銘柄は、業界内で最高の業績を記録している銘柄で、正しいタイミングで買えば、大きな株価の上昇が期待できる。
  • 停滞銘柄は、値動きの少ない銘柄、ましてや株価が下落して割安だから安全だと思うような銘柄は、実はあまり見込みのない銘柄である。

主導銘柄である理由、つまり他の銘柄よりも株価が上昇しているのはどんな秘密があるのかを調べましょう。

ファンダメンタル分析も当然大切になります。



業界内で上位2~3銘柄を狙う

  • その業界における上位1~3銘柄は、残りの企業が全く振るわないときでも、信じられないような成長を見せる。
  • あなたが探しているのは真に最高の企業だ
  • つまり、業界全体を牽引し、その専門分野でトップを走る銘柄である。

業界上位1~3位以内の銘柄を選びましょう。

それは残りの企業が絶不調でも、持ち前のファンダメンタルから信じられない成長を見せることがあるからです。


上位企業とは、以下の6つの特徴を有するとオニールは説明しています。

  1. 最高の四半期EPS(1株当たり純利益)増加率および年間EPSの増加
  2. ROE(株主資本利益率)も最大
  3. 利益率や売上増加率もずば抜けていて
  4. 株価の動きも活発
  5. 独創性のある優れた製品やサービス
  6. 革新的になりきれない古株の競合他社からマーケットシェアを奪い取っている

つまり、上位企業とは、CAN-SLIMのCとA、およびSを満たす企業です。

S(株式と需要と供給)は前回取り扱いました。
gyatuby.hatenablog.com

なお、ここで言う上位企業は、規模が最大であるとか、知名度のあるブランドという意味ではありません。

成長が伴っていなければ、それは成熟株です。



共振株は買わない

  • 共振株とは、主導銘柄のおこぼれをもらうために買われる同じ業界内の別の銘柄のことである。
  • だがそのような企業の利益は、主導銘柄のそれと比較すると大抵見劣りする。
  • 株価は主導銘柄に「共振」して上昇しようとするが、主導銘柄ほどの成功を収めることはけっしてない。

主導銘柄を買いそびれたときに、同業他社でまだそれほど上昇していない銘柄を喜んで購入したことはありませんか?

いわゆる共振株を買いたくなる気持ちは人間の性です。

しかし、主導銘柄と比べると思ったより利益が出ないどころか、含み損を抱えるリスクさえあります。


割安なのには何か理由があります。

共振株は、会社として利益が出ておらず、銘柄自体に魅力がないのが原因であることが少なくありません。

だからチャンスは逃さずつかまなければなりません。

共振株は、今後も至る所で見かけることでしょう。

主導銘柄と停滞銘柄を見分ける方法ーレラティブストレングス指数を使う(再掲)

  • レナティブストレングス指数とは、「インベスターズ・ビジネス・デイリー」紙が独自に開発した評価法で、ある特定の銘柄の値動きを市場の残りの銘柄の値動きと過去52週間にわたり比較するもの。
  • そしてその評価として各銘柄に1~99の数値が割り当てられる(99が最高)。
  • 真の主導銘柄を見つけて買い、低迷株や共振株は避けること。
  • レラティブストレングス指数が40~60台の銘柄は買ってはならない。

レナティブストレングス指数については、以前に詳しく解説したので省略します。

実際に使われていると思われる計算式や、日本株での活用方法についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。
gyatuby.hatenablog.com



マーケットの調整局面で新たな主導銘柄を探す

  • 市場全体が調整局面を迎えたり下落を始めるときというのは、実は新しい主導銘柄を見つけやすい時期なのである。
  • 魅力的な成長株は、市場平均株価の1.5~2.5倍の調整が入る。
  • つまり、市場全体が10%下落したら、優秀な成長株の下落率は15%~25%になるということだ。

チャートとレラティブストレングス指数を使って、調整時期に強い銘柄を見つけ出しましょう。

調整中でも下げなかった銘柄を買え

  • しかし強気相場、つまり上昇トレンドで起こる一時的な調整の場合には、最も下落率が少なかった成長株が最高の選択であると考えてよい。

言い換えれば、調整期間に大きく下落してしまった銘柄は、売りのサインを出していると言えます。

力強い成長銘柄は、調整局面でも我慢強く下落に耐えます。

弱気相場が終わり成長株はブレイクアウトする

  • 市場全体の下落が最終局面を迎えたあとに、最初に新高値を付けるまでに回復した銘柄が正真正銘の先導株である。
  • このような株価のブレイクアウトが、約13週間ほどにわたって次々と続くのだ。
  • 一級品の銘柄は、だいたい最初の3~4週間の間に抜け出てくるだろう。
  • これが理想的な株の買い時期なので、絶対に見逃さないように。

マーケット全体の弱気ムードが最終局面を迎えると、成長株が芽を出し始めます。

強気相場入りしたあとから、有望な銘柄たちが続々とブレイクアウトすることでしょう。

ここが一番の稼ぎどころになりますので、十分に注意しましょう。


なお、市場全体が強気か弱気かの判断については、マーケットの方向性に関する章(第9章)で扱います。
gyatuby.hatenablog.com

プロだって間違える

  • プロであっても多くの投資マネジャーが、通常よりも大きく下落した直後の銘柄を買うというような深刻な過ちを犯す。
  • 優良と呼ばれる銘柄でも下落中に買ってはならない。
  • 7~8%下落した所で損切りをすること私は勧めているのだ。
  • 人間はだれだって間違いを犯す。
  • そこで迷わず自分の過ちを修正できるような投資家になるのである。

プロなどの機関投資家でも、下落中の銘柄を拾う悪手を犯してしまいます。

それだけ出資者からのプレッシャーが大きいということでしょう。

運用を任されている以上は、多額のキャッシュをそのまま寝かしておくわけにはいきません。

信託手数料をもらっているからこその悩みですね。

このジレンマに苛まれ、優良と呼ばれる銘柄に下落中でも手を出してしまいます。

たとえ失敗しても言い訳しやすいからです。


この”言い訳ができる”というインセンティブは思いのほか強いです。

耳寄りの情報が入ったからとか、PERが低いなどのファンダメンタル、ブランド力があるから、など理由は様々考えられます。


失敗を犯したとしても、即損切りができればマシです。

数十%の含み損になると、おそらく精神的理由から、もはや売ることすらできず動けなくなるでしょう。


早く動くことができればチャンスは必ず訪れます。

弱気相場のときは、無理をせず現金を握りしめて次の強気相場を待ちましょう。


プロのジレンマがない私たち個人投資家は、とても幸せな立場にいるのです。

遠慮なく売って、休んで、研究して、次の相場に備えましょう。



まとめ

  • 停滞株に投資するのは、たとえそれが興味をそそるほどの安値に見えても、利益を生み出すことはない。
  • マーケットを牽引する主導銘柄を探し、そういった株からのみ買い銘柄を選択するのだ。
  • そして買値から8%下落した持ち株は、損失を出している停滞株とみなして、大きな痛手を被る前に損切るのだ。

投資チェックリスト

  • 業界上位1~3位以内の銘柄か?
  • レラティブストレングス指数が80~90台
  • ベースを形成している銘柄を選ぶ
  • 下落中に買わないこと

さいごに

同業他社を探すのに苦労したことはありませんか?

成長株はどちらかというと、ニッチな分野から成長することが多く、四季報や証券会社のツールでは見つからないことが少なくありません。

みなさんはどうやって探していますか?

簡単な解決法のひとつには、自分の知っている分野の銘柄から投資先を選ぶことが考えられます。

ピーター・リンチが勧めている投資法ですね。


ただこのお気に入り投資法は、投資判断が甘くなる恐れがあるので注意が必要です。

成長株投資の場合は、証券会社のレポートよりも先人たちが分析しているブログを探すのが早いのでしょうか。

そう思いながらグーグル先生に聞いている私です。

gyatuby.hatenablog.com

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