データはうそをつきません。
ほとんどの人がデータを利用して株式投資をしていることでしょう。
無料で簡単に手に入り、チャートソフトは昔に比べてかなり進化しました。
今回は機関投資家も使うデータベースを中心に学んでいきます。
S&P銘柄の特定業種に投資する比重
- 中小型株の成長株を扱う優秀なマネジャーなら、数年間でS&P500よりも平均1.25~1.5倍の利益を出せるのだ。
- S&Pを上回る成績を出すもう一つの方法は、新しい成長銘柄やS&Pに入っていない優れた銘柄を買うことである。
多くの機関投資家が主にS&P500の銘柄に投資していますが、その際に裁量を利かして特定の業種を過剰に保有したり減らしたりします。
しかしこの方法ではインデックスを超える成績を上げることは難しいでしょう。
S&Pを上回るポイントは、S&P500に入っていない中小型株の成長株に投資することです。
業種別分析法の弱点
- 広く使われているがそれほどの効果を上げていないもう一つの手法は、大勢のアナリストを雇って業種ごとに分析を決めて調査をさせるというものだ。
- 意見や憶測による価値評価などよりも、事実と歴史的な模範例のみを情報源にしたほうが良い、というのが我々の信条である。
問題の一つに、自動車といった主要業種にはアナリストがそれぞれいますが、人気のない業種を任されたアナリストはどうすればいいのでしょうか?
全部が悪く見えるのに、その中からあえて一つを選ばなければいけないのでしょうか?
他方で、人気のある業種を担当するアナリストもまた、全部が良いのに2~3しか選ぶことができないのでしょうか。
有望な銘柄であればいくつでも投資したいに決まっています。
縦割りを打破して横断的に動ける組織作りは、機関投資家にとっても重要です。
『ファイナンシャル・ワールド』誌が行った一流アナリストに関する驚きの調査
日本のレーティングでは売り推奨を見かけないことはありませんが、買いよりも少ないことは間違いありません。
株式レーティング情報
そしてレーティングの目標株価に頼ると、同じ機関の運用部門に売り抜けされることも少なくありません。
ただし全く使えないというわけではないため、あくまで参考程度にするのがいいでしょう。
自分でいちから調べるよりは、時間が節約できて便利です。
データベースの優れた力と効率性
- 各企業に関する事実を集めた大量のデータ、そして100年以上にわたる歴史的前例を基にした模範となるチャートを持っていることで、向上し始めている銘柄や問題を抱え始めている銘柄を、その企業を直接訪れたり企業から話を聞くことなく素早く発見できるのだ。
- 企業が正直に問題があると教えてくれると思ったら、それは大間違いだ。
昔は紙がメインだったので、数十センチものアナリストレポートの山の中からお宝銘柄を探すのは大変だったかと思います。
今やインターネット全盛期ともいわれる時代、ありとあらゆるものがデータベース化されています。
しかも大抵は無料で使えてしまうのだからありがたいですね。
私はどちらかというと昔の人間タイプで、足で稼いで得た情報のほうが価値があると信じてます。
しかしそれも個人投資家の立場から言えば、たかが知れてます。
「データはうそをつかない」というのがオニール氏の立場ですが、会計士の私から恐れながら補足させてもらうと、ただの数字には何の意味もありません。
そこに一定の解釈や情報を組み合わせることで初めて意味を成します。
初めて見る銘柄の財務諸表を見ても数字自体はわかりますが、それがどういう意味を持つかを知るためには会社のビジネスなどをもっと知らなければなりません。
例えば、資産から収益が生まれるビジネスモデルなのか、それとも人的資源から生まれるものか。
データは使う人次第で白にも黒にもなります。
会計士は、そのデータが企業によって味付けされずにそのまま出されているかをチェックしています。
まとめ
- 新しい成長銘柄や、S&Pに入っていない優れた銘柄にこそ大化け候補がある
- アナリストレポートはあくまで参考程度に使おう
- データベースを上手に活用しよう
おわりに
レラティブストレングス指数を算出する際に、無料で株価データを使わせてもらっていますが、最近は有料化するところが増えています。
gyatuby.hatenablog.com
毎日無料で簡単に収集できるデータも、蓄積されると価値が生まれるのだと改めて実感しています。
私もこのブームに乗るために自前で株価データベースを作ろうかと思ったこともありましたが、すぐにやめました。
日々の作業はもちろん、メンテナンスも大変ですしね。
いつもただ感謝しております。
gyatuby.hatenablog.com