はぐれ猿でも、投資がいいんだ。

ふりむけばやさしさに飢えた弱肉強食の世界で

オニールの成長株発掘法第18章④~機関投資家だって人間なのだ

本著のページも残りわずかになりました。

今回は機関投資家の憂鬱を学んでいきましょう。
どんなに凄腕のトレーダーでも人間です。

それでも人間らしい感情を持ち合わせながら、結果を出し続けています。

1982年と1978年の強気相場をうたった全面広告

  • われわれの大きな目標は、新たな強気相場や弱気相場をそれぞれ初期の段階で見極めてそれに対する行動を起こすことにある。
  • これには売買するべき業界や業種を探すことも含まれる。

ここでもオニール氏の自慢話が始まります。
失敗したケースも併せて教えてくれたたほうが説得力があるのにと、この手合いの話を聞くといつも思います。

相場の転換点で周りと違った行動をとるように説得しても、相手はなかなか動いてくれません。
それは当然、リスクを背負うのは投資助言会社ではなく投資家自身というのも一因でしょう。

だからこそオニールは過去の研究を私たちにもしてほしいと願うのでしょう。
そうすればきっと、オニールの言うことが間違ってはいないことが理解できると信じているからです。

私は、教訓として「夜明け前が最も暗いのだ」を頭に入れています。
あとは靴磨きの少年の話ですかね。



機関投資家だって人間なのだ

  • 不況が長引いてもプロの投資家なら恐怖心や感情に惑わされることはないと思っているなら、考えを改めるべきだろう。

大事な試合やイベントの際に、緊張することは誰にでもあるでしょう。
失敗したらどうしようという恐怖は誰にでもあります。

まったく恐怖や緊張に左右されないのだとしたら、それは自信過剰でしょう。
自信過剰もまた投資においては、ロット数を跳ね上げたりするなど致命的な失敗を犯す原因となります。


例えば、あなたがサッカーの日本代表のメンバーだったとします。
運よくPKを獲得することができ、決まればW杯本選への出場が決定的になります。

そんなときの気持ちを想像してみてください。
もちろんあなたがキッカーです。

出所:ゲキサカ

逃げ出したくなる気持ちが湧きますが、雰囲気的に逃げ出せません。
失敗したらどうしようと思う気持ちが頭をよぎります。
もしくは、絶対決めて男を上げようという気持ちも生まれるでしょう。

普段の練習量からして失敗するほうが珍しいのです。
しかしこうした気持ちが、すべてにおいて力みが生まれてしまい恐れていたことが現実となることが、まれによくあります。

自然体でキックできる精神力が、プロのサッカー選手には求められます。

こうしたゾーン状態機関投資家にも求められるものであり、そういう意味で、機関投資家もまた恐怖や慢心を抱える人間です。



安物買いの銭失い

  • 特に大きなファンドを管理する企業では、マネジャーに支払う管理手数料をいかに節約するかを重視しすぎていることがある。
  • 手数料や奨励金を引き上げてでもその分野の最高のマネーマネジャーを雇ったほうが賢いやり方だ。

これは日本とアメリカの違いが出てるといえるかもしれませんね。

優秀な成績なり成果を収めた人に、最大限報いるのがアメリカ流でしょう。
それが良いか悪いかは私にはわかりませんが、結果だけ見ればそうあるべきなんでしょうね。

とにかく大事なのは、安くて質の悪いアドバイスだけは避けなければいけないということです。
手数料以上の損失を出しては元も子もありません。



マネーマネジャーの選び方

  • マネジャーを選ぶときは、彼らの3~5年間の長期的なパフォーマンスと、最近のパフォーマンスの両方を考慮しなければならない。
  • そしてマネジャーの専門、手法、および場所にも多様性を持たせるべきだ。

マネーマネジャーの選び方は、わたしたち個人投資家投資信託を選ぶ時と同じ条件です。
gyatuby.hatenablog.com



マネーマネジャーの入替

  1. 相場サイクルの丸1回分である3~4年ほど、すべてのマネジャーが上昇相場と下落相場の両方を経験する機会を与えます。
  2. 全体のパフォーマンスを比べて、下位20%のマネーマネジャーを入れ替えていきます。
  3. その後は、1~2年に1度、過去3~4年の成績が下位5~10%のマネジャーを切っていきます。
  4. これを長期間続けていけば、成績の悪いマネジャーは淘汰されるという方法です。

切り捨てられたマネーマネジャーはかわいそうですが、よくある話だしリスクを負ってるのは機関投資家なので仕方ありませんね。
それに失敗しても次があります。

なお切り捨てることはしますが、あまりマネジャーに干渉はしてはいけないと勧めています。
本人のやり方で運用できないのに切り捨てるのは、彼らの能力を発揮しているとはいえませんからね。



インデックスファンドはどうか?

  • 年金基金の目標を株価指数の成績に合わせることを前提とする考え方がある。しかしこれは、理論的にはリスクを伴う考えである。

長期間という視点で見たら優秀な成績に見えるインデックスファンドですが、株価が暴落したときに、投資資金をインデックスの動きと共に失っていいのかと言われると話は別だと思います。

インデックスはあくまで平均的な成果を得るためのものです。
そのため、株価指数よりも良い成績を継続的に出せる少数派のマネジャーを努力して見つける必要があります。



まとめ

  1. われわれの大きな目標は、新たな強気相場や弱気相場をそれぞれ初期の段階で見極めてそれに対する行動を起こすことにある。
  2. 機関投資家だって人間なのだ
  3. 安くて質の悪いアドバイスだけは避けなければいけない
  4. マネジャーを選ぶときは、彼らの3~5年間の長期的なパフォーマンスと、最近のパフォーマンスの両方を考慮しなければならない。
  5. インデックスはあくまで平均的な成果を得るもの



おわりに

これでまとめの章を除いて、すべての章を読み終えました!

みなさんおつかれさまでした。
何か得るものが本書や当ブログにあれば嬉しいです。

また、一読しただけでは本著を吸収することは難しいと思うので、何度も読み返したり気になったところを振りかえってください。

少しずつ少しずつ、成長株と同じように私たちも成長していきましょう。

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