中間選挙の翌年(大統領選挙の前年)は株価が上昇しやすい、というアノマリー。
つまり中間選挙の年は、株価が下がっているために買い集めには絶好の時期と言われています。
今回は、そんな米中間選挙にまつわるアノマリーについて見てみましょう。
株価と選挙
どの国においても、株価と選挙は切っても切れない関係にあります。
経済を動かす重要な要素として、やはり政策動向には目が離せないからです。
たとえば日本の衆議院選挙後は、政策期待から買いが優勢となることが多いです。
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中間選挙の翌年は株価が上昇しやすい
直近では、アメリカで中間選挙(2022年11月8日)が迫っています。
例えば、「中間選挙の翌年(大統領選挙の前年)は株価が上昇しやすい」というアノマリーがあります。
楽天証券では、第2次世界大戦後の1946年から2021年の76年間について米国株(S&P500種指数)の年間騰落率を計算しています。
その計算結果によれば、選挙イヤーに関連する平均騰落率は以下のようになりました。
https://media.rakuten-sec.net/articles/-/38717?page=3過去のトレンドによれば、中間選挙の年は4年の選挙サイクルのなかでは最低の上昇率だったことがわかります。
そして、中間選挙の翌年では株価は上がりやすいと言えます。
したがって、中間選挙の年では、翌年の上昇に備えて株式を仕込むタイミングという結果になりました。
理由としては、中間選挙では大統領が所属する政党(与党)が中間選挙で議席を減らし、政権の政策推進力が低下しやすい傾向を反映したことが有力のようです。
しかし理由について、複雑に要素が絡まってできるアノマリー(経験則)ですので、詳しくは不明です。
では何月に仕込むべきか?
では中間選挙の年の何月に仕込むのがよいのでしょうか?
正直いつ仕込んでも変わらない気もしますが、楽天証券は月次の平均騰落率も計算しています。
計算方法を厳密に説明すれば、「中間選挙が実施された年」を過去10回(年)取り上げ、NYダウ(ダウ工業株30種平均)の平均推移を示したものです(年初を100とした場合)。
基本的には右肩上がりとなっているため、年初、または調整月である8月~10月辺りに仕込むのが良いでしょうか。
ただし今年が、例年と状況が異なるのは、9月のFOMCが思ったよりタカ派寄りとなり、景気悪化を恐れる意見が強まっていることです。
こういったイレギュラーなことはたびたび起こりますが、アノマリーに従うとすれば今が買い時なのかもしれません。
しかし実際には、ファンダメンタル分析やテクニカル分析を駆使して、慎重に検討したほうが良いでしょう。
6月以降S&P500を半年間保有した場合のリターンは高まってくる
では、購入してから半年継続保有したらどうなるでしょうか。
上のグラフの通り、中間選挙後は株価が上がる傾向にあるため、当然ながら選挙前に仕込めば利益が見込る結果となっています。
勝率は8割近いとのことですが、今年はFRBの金融政策に翻弄される一年となり、予断は許されない状況です。
おわりに
中間選挙の見通しは、今のところ共和党が優勢であり、上下両院で多数派を確保するとの予想が最も多いです。
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つまり株価にとっては、政策がスムーズに動かないという懸念から、悪いニュースと言えそうです。
しかし時が経つにつれて、その心配も杞憂に終わるのでしょうか。
結局は株価は反発するというのが、このアノマリーの本質なのかもしれません。
「悪いニュースで買え」の格言は、中間選挙においても通用しそうですね。