前回から引き続き、テープ解読について見ていきます。
これはチャートでも同様のことが言えます。
コツは株価と出来高の動きから、機関投資家の足跡を見つけることです。
需要と供給
- テープ解読とは、各銘柄の背後にある力について、相互の関係や全体との関係を分析することによって、個別銘柄や相場全体の目下の需要と供給を測定することである。
前回の記事では、テープ解読の定義とそれぞれの相場ステータスについて学びました。
gyatuby.hatenablog.com
テープ解読ではその銘柄のステータスだけでなく、ほかの関連銘柄やマーケット全体の状況も分析することが求められます。
本書では、テープ解読者をデパートの店長に例えていますが、まさに言いえて妙ですね。
店長の元にはリアルタイムで売れ行きの情報が伝えられ、ある商品の品ぞろえが不足したら仕入れるように指示するでしょう。
また売れ行きが怪しい商品はバーゲンセールをして処分するはずです。
トレードの場合
トレードの場合も需要と供給が読めるようになると、目先の下落に巻き込まれることが少なくなります。
例えば、ある銘柄が上昇トレンドにあっても、別の銘柄が大幅に下落していれば影響を受けることは間違いないでしょう。
急上昇に水を差され、思いかげず値下がりすることがあるかもしれません。
そうなれば、持ち株を売ろうとする投資家たちと一戦交えることになるでしょう。
テープ解読者の優位性
- ところが、テープ解読者はいわばティッカーの高みから見下ろしているので、景色全体を見わたすことができる。
- ニュースがニュースティッカーや新聞で伝えられて、人のうわさになる何分か何時間か何日か前に、そのニュースを知ることができることだ。
- 何でもまず最初にテープに現れるのだ。
テープ解読者の優位性は主に二つあります。
ひとつは、複数のティッカーテープを監視することで、どこに動きがみられるかすぐに気づくことができ、それに基づいて対応策を考え行動できる点にあります。
そしてもうひとつが、あらゆることがテープに現れるということです。
これは「チャートは相場を映す鏡」と言っていることは同様です。
私の実体験
少し脱線しますが、私の実体験を話します。
商品の価格変動から、値上げの情報が読み取れた話です。
以前から、VRゴーグルの定番商品「Meta Quest 2」が欲しくて監視していました。
別に買うほどでもなかったのですが、セールがあったらほしいな程度です。
こちらは円安の影響で大幅値上げされました。
Meta Quest 2、2万円以上の値上げ。59,400円に - Impress Watch
Meta Quest2の値上げが漏れた
しかし実は、値上げのニュースが公式より発表される前から、相場はかなり上下していました。
価格ドットコムから来る価格変動のお知らせが、ひっきりなしにやってきました。
人気商品だったのである程度は理解できたものの、これは明らかにおかしな動きです。
みなさんも薄々分かるかと思いますが、事前に情報を知った関係者らが仕入れや値上げを急いだ結果だったのでしょう。
しかも世間にバレないように、水面下で行っていました。
それでも複数人が動けば、目に視える情報として現れてしまうのです。
これを株式相場では「漏れる」とか「インサイダー」とかよく言われますが、犯罪かどうかは置いといて、ニュースより先に相場に現れる典型例と言えるのではないでしょうか。
相場操縦
- 相場操縦が行われても何ら心配には及ばない。
- 相場操縦家は、一歩で何十キロも進める魔法の靴を履いた巨人トレーダーである。
- 慣れた耳には、彼らの進むドシンドシンという規則的な音が聞こえる。
- テープ上の価格変動と出来高を見れば、その足跡を見つけることができる。
さきほどのVRゴーグルの話のように、相場操縦が行われていてもその様子を知ることは可能です。
機関投資家の動きは、テープやチャート上の株価と出来高に現れるので足跡を見つけることはできます。
そのためテープ解読者は、機関投資家のあとを勝手にこっそりとついて行けば利益を得ることができます。
ただし、相場操縦家がきまぐれで急に動きを変えることはよくあるので注意は必要です。
まとめ
おわりに
だんだんとデイトレーダーたちが何を見ているのか、わかり始めたのではないでしょうか?
もちろん一番手っ取り早いのは、「具体的に何をモニターに映しているんだい?」と、一流のデイトレーダーたちに聞けばいいのです。
しかし、本当にすべてを教えてもらえるかはわかりませんね。
ただし、そのヒントならば本書に詰まっています。
ワイコフの教えから、何をモニターで映すか自分で考えるのもいいのかもしれませんね。
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