今回は先導株の大切さと、相場との関係について読んでいきます。
おわりには、ヒントも紹介します。
相場の心理
マーケットは人々の感情を表す鏡です。
パソコンの向こう側に無数の人がいるからこそ、良いニュースも悪いニュースも真っ先に相場に反映されます。
また、ひとつの銘柄は独立して動いているわけではありません。
ほかの銘柄やマーケット全体の動きに何らかの影響を受けたり与えたりしています。
今回はいくつか特徴のある銘柄を取り上げて、その関係性を明らかにします。
銘柄の分類
ビッグシックス
- ビッグシックスのうち、三銘柄(ユニオン・パシフィック鉄道、セントポール鉄道、アナコンダ銅会社)はいわゆるクーン・ローブ―スタンダード石油連合による売買の影響を強く受ける。
- 残り三つのうち、スメルターズはグッゲンハイム家が手掛ける。
- モルガン商会が支配するUSスチールは、間違いなく大衆の投資意欲の影響を一番強く受けて値が動く。
- USスチールは、売られ過ぎ・買われ過ぎの状況によって決まる相場のテクニカルな位置を知るのに、格好の目標になってくれるからである。
これは銘柄研究がモノを言います。
それもファンダメンタルだけでなく、テクニカル要因についてもです。
このうちUSスチールはマーケット全体を代表した動きをします。
少数が株価操縦をするには発行済み株式数が多すぎて無理があり、大衆の意思がUSスチールを動かしています。
なお、現代ならば株価指数も参考になりますね。
二次的先導株
- ビッグシックスの次に重要なのは、二次的先導株とでも呼べる銘柄群である。
- 出来高の急増を伴って一気に大きく人気化することがときどきある。
- ビッグシックスに目立った影響を及ぼすことはまずないが、重要性の低いほかの銘柄がその動きに従うことがよくあるというところから名づけられた。
二次的先導株は、先ほどの6つの先導株には及ばないものの、ほかに影響を与える銘柄です。
これらは、出来高の急増を伴って人気化することがときどきあります。
先導株には劣るものの、その役割を果たすことがあるでしょう。
なお本書では具体例を挙げていますが、古い書籍なのでピンとこない銘柄がほとんどだと思うため省略します。
マイナー銘柄
- マイナー銘柄と呼ぶ第三のグループはさらに重要性の低い銘柄から成っている。
- 大半は株価が低く、大衆好みの銘柄がたくさん含まれている。
第3順位ともいうべき銘柄群です。
低位株で、大衆が好んで買う銘柄がたくさん該当します。
マイナー銘柄は先導役にならない
- マイナー銘柄のいくつかが上げ始めるのを見て、主要先導株、二次的先導株を買う人がいる。
- つられて値上がりするのではないかというのがその根拠である。
- だが、そういうことが起きないわけではないが、普通とはいえない。
マイナー銘柄が先導役となることはほとんどありません。
大口投資家が、私たち個人投資家に従うか考えたら明白でしょう。
(むしろ逆手に取ることが多いかもしれません。)
銘柄群の関係
- 市場のさまざまな銘柄は互いに綱でつながれ、「金融情勢」と「景気状況」というタグボードに牽引される巨大な船団のようなものである。
- 先頭の列にはビッグシックスが並び、その後ろに二次的先導株やマイナー銘柄やそのほかの雑多な銘柄が続く。
- 蒸気圧を上げて、船団を動かし始めるのには時間がかかる。
- ビッグシックスはアメリカの最大級の産業―鉄道、製鉄、鉱業―の代表である。
言い換えればマイナー銘柄は、銘柄群の動きが全て逆にならない限り、先頭に立ち続けることはできません。
主要先導株が旗振り役になるのが、本来あるべき相場の姿です。
そして大衆がこうした”安心”できる投資先でトレードを行うのは当然のことです。
まとめ
- 相場は大勢の人の心で作られる。
- ビッグシックス(主要先導株)、二次的先導株、およびマイナー銘柄の順に影響力がある。
- マイナー銘柄は先導役にならない。