頭でわかっていても、実際に動くことができなければ意味がありません。
チャート100本ノックでは、過去に現れた大化け銘柄のチャートを観察します。
今まで学んできたことを復習しながら、売買タイミングなどを確認しましょう。
- 銘柄選択の極意
- リッチモンド・アンド・ダンビル鉄道(1885年)
- テネシー・コール・アイアン鉄道(1898年)
- ノーザン・パシフィック鉄道(1900年)
- ベスレヘム・スチール(1914年)(cf.P155,P402)
- 本日の学び
- おわりに
銘柄選択の極意
チャートを注意深く読むことで、売買タイミングは大幅に改善されます。
チャート100本ノックでは、関連記事や時系列順にまとめています。
本書を片手に読んで頂ければ幸いです。
銘柄選択は一流なのに、利確が早すぎたり遅すぎたりで機会損失を出すことは、おそらくすべての投資家が通る道かと思います。
必要なのは、買いのタイミングと利確の精度をいかに高めるか研究し続けることです。
チャートのテクニカル指標には様々なものがありますが、オニールが使用する主なテクニカル指標は、株価と出来高、移動平均線とシンプルです。
(他にもレラティブストレングス指数などありますが少数です。)
わたしたちが学ぶべき研究対象として、これ以上のものはないでしょう。
オニールが伝授する投資法を、余すことなく学びきりましょう。
リッチモンド・アンド・ダンビル鉄道(1885年)
過去さかのぼれる中で、初めてカップウィズハンドルが見つかった事例です。
カップウィズハンドルのパターンの始まりは、株価が引けて終わった時点から数えます。
これはカップ部分と取っ手部分の高値同士を結んだトレンドラインを引いて、早めにブレイクアウトしたとみなして買いポジションを持つ戦略を採るときには使いますので覚えておきましょう。
テネシー・コール・アイアン鉄道(1898年)
こちらもカップウィズハンドルの典型例です。
まず本書のチャートで使われる出来高の移動平均線は10週移動平均線です。
これから先も使われ続けますので覚えておきましょう。
本書のカップウィズハンドル(取っ手付きカップ)の説明では、形成期間が3カ月~6カ月が普通だと述べていますが、実際はけっこうばらつきがあります。
16週だから短いのだという先入観は持たないほうが無難です。
ここで注目したいのはカップの底で起きた株価の収束です。
出来高は少なく値動きがほとんどないのは、売り注文が尽きかけている証拠を示しています。
その後に出来高の増加を伴い株価が上昇してカップ部分を完成させたところでは、機関投資家の買い集め(アキュミュレーション)が起こっていたかもしれません。
ノーザン・パシフィック鉄道(1900年)
- 29週間で1181%上昇
- 1864年にアブラハム・リンカーンが建設許可した初の大陸横断鉄道
- 米北西部の開拓に大きく貢献
- 株価の移動平均線は、10週移動平均線
先ほどのテネシーのときに加えて、今度は株価でも10週の移動平均線が使われます。
また、本書で短期・長期で使い分ける場合は、それぞれ10週(50日)と40週(200日)が利用されていることがほとんどです。(というよりそれ以外見たことがありません。)
第1ベース
レラティブストレングスラインとレラティブストレングス指数は厳密には違うのですが、本書に限って言えば同じと考えて問題ありません。
ダブルボトムがカップウィズハンドルと違う点は、カップウィズハンドルで存在していた取っ手が深くなった点といっていいでしょう。
取っ手部分がカップの底より深く沈んだ場合はダブルボトムとなると覚えておいて問題ないかと思います。
こちらも本書通りの典型的なダブルボトムのパターンです。
ピボットポイントを超えたタイミングで出来高が増加しているので、ためらわず買いポジションを持ちましょう。
第2ベース
第1ベースで買い逃しても、再びチャンスが来ることはよくあります。
上昇トレンドに入るとベースの上にベースはどんどんと重なっていき、次第に失速して、とうとう失敗します。
こちらはまだ第2ベースだったため、出来高にも勢いがありました。
クライマックストップ
買うだけでなく、売るまでが投資です。
チャートをしっかり監視していれば、買収合戦のニュースが流れる前にその動きに気づけたかもしれません。
また、機関投資家が大量の株式を処分するためには、この急上昇の動きに売り玉をぶつけない限り、自身の影響で株価を下げてしまいます。
わたしたちもそれに便乗して、上手に売り抜けたいものです。
ベスレヘム・スチール(1914年)(cf.P155,P402)
四半期EPSの実績をグラフにしたい場合は、調べた限りではTradingView(有料版)にEPSのインジケーター項目があったため、本書と同じように使えるかもしれません。
わたしは表で確認すれば十分だと思っているためあまり気にしていませんが、使えばきっと助けにはなるでしょう。
いざとなれば自作すればいいのです。
第1ベース
戦争の間は休場していたため空白期間ができますが、それを除けば横ばい(フラットベース)に見えます。
調整していた事実には変わりありませんので、ブレイクアウト時に出来高増加したタイミングで買いましょう。
なお、10週移動平均線での押したあとの反発でも買い時や増し玉のタイミングとしてよく現れます。
ここでも、出来高の増加がカギとなるので注意して見ましょう。
第2ベース
めったに現れない上昇後に現れる狭いフラッグです。
上昇フラッグとも言います。
上昇トレンドが急になっており、調整がほとんど入らないほど強い動きをする場合に現れます。
これは事前にどんなパターンなのか、具体例をいくつか見ておかないとまず買い逃します。
少なくともこの100本ノックに現れるパターンについては、暗記するくらい見返しましょう。
クライマックストップ
- クライマックストップでの売り
クライマックストップの時点で売ろうと思うと、けっこう難しいことに気づくでしょう。
早く利確したいという欲求を抑えながらになるので、なおさら辛いものがあります。
その場合は売る株数を小分けにしたり、時間が経ったあとから振り返ってクライマックストップを判別すると決めてもいいかもしれません。
この場合は、クライマックストップ後の3週間で急落しているため、後から気づくことになるでしょう。
頭と尻尾はくれてやれ、の精神です。
本日の学び
おわりに
100年も前のチャートを実際に手に入れようとすると、普段使うチャートツールでは出力することが難しくなっています。
調べた限りでは有料であれば多少過去をさかのぼれるみたいが、それでも100年前までは簡単ではないしょう
ただし研究対象は直近だけでも無数にあるため、そこまでこだわる必要はないのですが、100本ノックの対象銘柄チャートも、色々と操作したかったのが正直なところです。
もしその方法をご存じの方がいらっしゃいましたら、ご一報いただければ幸いです。
できればみなさんが手軽に使えるもの(無料とか)だと助かります。
なお、チャート100本ノックは週1回ペースで更新する予定です。
次回もお楽しみに。