単なるデータでも積み重なれば価値が出る。
株価データは宝の山であり、いずれ有料になるのかもしれません。
本当は肝心のチャートをアプリ等を使って載せたいのですが、残念ながらコスパも悪く古いデータは見向きもされないのでしょうか。
お手数ですが、チャート100本ノックでは、本書とにらめっこしながら見ていただければと思います。
銘柄選択の極意(再掲)
チャートを注意深く読むことで、売買タイミングは大幅に改善されます。
銘柄選択は一流なのに、利確が早すぎたり遅すぎたりで機会損失を得ることは、おそらくすべての投資家が通る道かと思います。
必要なのは、買いのタイミングと利確の精度をいかに高めるか考え続けることです。
チャートのテクニカル指標には様々なものがありますが、オニールが使用する主なテクニカル指標は、株価と出来高、移動平均線とシンプルです。
わたしたちが学ぶべき対象として、これ以上のものはないでしょう。
オニール氏が伝授する投資法を、余すことなく学びましょう。
チャート100本ノックでは、関連記事や注釈等を時系列順にまとめています。
本書を手元に置きながらお読みいただければと思います。
なお、前回の記事は以下をご覧ください。
gyatuby.hatenablog.com
ゼネラル・モーターズ(1915年)
- 39週間で471%上昇
- 買収を経てビュイック・モーター・カンパニーは巨大企業ゼネラル・モーターズになった
- 1914年に高速エンジン業界で革命的となる初の8気筒エンジンを製造
現在でも超有名な自動車企業です。
当時は成長株だったものの、今でも一線で活躍する姿を見ると感慨深いですね。
S・S・クレスゲ(1923年)
EPSが加速度的に増加するのは、ファンダメンタルにとって申し分のないことです。
この急上昇が期待へと繋がり、株価を大化けにさせるトリガーになることがあります。
チャートを確認することも大事ですが、決算のチェックも欠かさずに行いましょう。
第1ベース
取っ手部分のほうがカップより幅が広いパターンです。
出来損ないのダブルボトムと見間違いそうですね。
しかしこちらの例では、取っ手部分ではあまり下げずに調整しているところがポイントになります。
EPSも加速度的に増加していたのもサポートになりました。
第2ベース
カップ部分で広く薄く調整が続くのが取っ手付きソーサーです。
カップウィズハンドルほど多く見るパターンではありませんが、ベースとして調整していることが重要です。
マーケット全体が調整している事実も、市場に引きずられて泣く泣く調整している合図かもしれません。
取っ手部分でしっかり買うことができるように待ち構えましょう。
上昇ベース
上昇ベースの厄介なところは、3回の押しが必ずあるわけではないところです。
これはチャートノックでも、数多く目撃することになるでしょう。
そのため、10週移動平均線の押しからの反発で増し玉していくのが無難かもしれません。
もちろん押しではなく急落のリスクもあるため、一長一短です。
ヒントとなるのが、やはり出来高の増加です。
上昇に勢いがあるか見極めましょう。
上方トレンドライン(チャネルライン)
- 対数グラフで過去数カ月間の3つの「高値」を結んで描かれた上昇トレンドラインを株価が超えた場合には上昇中でも売る
上方チャネルラインを上抜いたらクライマックストップの合図です。
大衆が楽観的になっているときにこそ、プロの投資家は売り抜けます。
ただトレンドラインの引き方が案外難しいのですが、これは慣れるしかありません。
最初のうちは何本も引いて、どれがあたりかを探すやり方が有効でしょう。
ユタ・セキュリティーズ(1924年)(cf.P403)
- 63週間で538%上昇
- 住宅や企業に電力が通じ始めて公共事業界が急速に成長
クライマックストップの章でも扱った事例です。
繰り返しになりますが急な上昇が続けば、売り時になります。
第1ベース
カップの調整に時間はかかっていますが、きれいなU字型を描いており順調に揉み合っていることが分かります。
個人的に気になったのは、取っ手部分を作る前に出来高が急増しているため、取っ手なしカップとみなして買おうか迷っうところですが、成功率は高くないのでしょうか。
ユタ・セキュリティーズでは取っ手がついたため、誤りでしたね。
取っ手部分の調整も、本書の教えのとおりに小さな調整で終わっています。
そのためブレイクアウトのときは、自信をもって買いたいところです。
押し目買い
- ベースからブレイクアウトした銘柄のうち半数は買値またはそのやや下まで押すが、買う
- 買うタイミングさえ正しければ買値から8%以上下落することはあまりない
ベースからブレイクアウトした場合、その後は買値かそのやや下まで押すことが多いです。
このチャンスでポジションを増やすことで、大きな勝利につながります。
なおやや下まで押すということは、握力が弱かった場合(損切りラインを浅く設定していた場合)には、勝利を逃すどころか敗北者になってしまいます。
別に負けても次があるのですが、勝つべきところでは勝っていきましょう。
クライマックストップ
- クライマックストップでの売り
バーチャートではなくロウソク足チャートでみたいところではありますが、4週連続で上昇していることが分かります。
2~3週連続の上昇はクライマックストップのサインの可能性があります。
この場合は3週目は微増だったので、4週目で見事に売れたかもしれません。
ただし、クライマックストップでピッタリ売ることは簡単ではありません。
そのため、チャート100本ノックを受けるごとに、自分なりのルールを作り上げることをおすすめします。
もちろん実際にトレードをして経験を積むことも大事になります。
わたしの場合は、その銘柄を引き続き監視して経験を買うために、全部ではなく一部を売ってその銘柄に関与し続けるようにしています。
本当の売り時はあせる気持ちで行う予想よりも遅く、売るチャンスは数回出てくることが多い印象です。
本日の気づき
- ベースが形成されることと、市場全体が調整に入ることは密接に関係している。
- 決算のチェックも欠かさずに行う
- 上昇トレンドラインを株価が超えた場合には上昇中でも売る
- ベースからブレイクアウトした銘柄のうち半数は買値またはそのやや下まで押すが、買うこと
- 一度に売らず、数回に分けて売ることを禁止する法律はない。
おわりに
本書に記載されたことが知識だとしたら、チャート上で行うトレードは実践の場です。
教科書どおりに物事がうまく進まないことは、投資でも日常でも同じです。
これは画面の向こう側に、私たちと同じ人間がいるのだから当たり前です。
だからこそ自分に合った自分なりの投資ルールを作り、日々アップデートすることが求められます。
100%勝つのは気持ちだけで十分です。
失敗しても、そこから学びさえあれば成功の素になります。
特に投資ならば、(ほとんどの人にとって、)失敗をだれかに披露して怒られる必要なんてありませんからね。