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オニールの空売り練習帖第3部①~チャート100本ノック1本目

空売りでもノックを受けてみよう!

チャート100本ノックでは、関連記事や本書の説明を時系列順に整理しています。

本書のチャートがとても見やすいので、本書を横に置きながら読んで頂ければと思います。

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はじめに

  • 空売りのひな型の用意ができたので、過去の市場における最高の空売り例をいくつか検討してみよう。
  • いくつかの重要なポイントと各々の空売りの「モデル」の詳細を取り上げる。

理論を学んでも、実践で使うことができなければ意味がありません。

ここでは、実際のチャートとその読み方について、本書の説明や注釈などを時系列に並び替えて学んでいきます。


チャートを見ていくにつれて、空売り候補のモデルの性質や特徴について感覚が身についてくるはずです。

ぜひ、その知識を実際の取引に活かしていきましょう!



シスコ・システムズ(cf.成長P.92)

シスコシステムズ

  • シスコ・システムズの株式は1990年に公開され、1990年代の「行け行け」の10年間に起こった3回の強気サイクルすべてにおいて主要なリーダー銘柄だった。
  • リーダー銘柄としての基本的な特徴は、市場全体の調整局面において常に最後に調整が入るということだった。
  • 調整局面においてシスコが最後に下落し始めると、これは市場全体の調整局面が終わったか、または終わりに近いということを示していた。

シスコ・システムズは1990年にIPOされ、2000年3月に迎えた天井まで、なんと750倍になっていました。

この大天井をつけたときには、多くの機関投資家ポートフォリオにシスコを組み込んでいました。



調整局面を迎える

  • シスコは常に市場全体の下落の最初の段階は持ちこたえている。

リーダー銘柄は、たびたび市場全体の下落に反抗して反発します。

しかし、2000年3月では様子が変わりました。

シスコはマーケット全体が調整が入ったあとも、下げ続けたのです。


これはシスコ・システムズを売るべき、いや空売りさえするべき時が来たという重要なサインでした。



週足チャートで確認する

  • 鋭いチャートの観察者ならば、シスコ・システムズが2000年3月のピーク辺りで、簡単に見てとることのできるヘッド・アンド・ショルダーズ・トップのパターンを形成しているのに気づくはずだ。
  • しかし、株価が右肩のネックラインを割って下落するときにポジションを建てようとした売り方は、彼らの空売りが時期尚早だったとすぐに気づくことになった。
  • シスコに対して依然として残っていた強気心理が完全に消え失せて、最終的に株価が崩壊するまでにはこのあとまだ4カ月という期間が必要だった。

シスコはダイアグラム1に当てはめて考えると、空売りのタイミングがよくわかります。

では本書のチャートの注釈を時系列にまとめて整理します。



市場調整とシスコの反抗

  • シスコは常に市場全体の下落を最初の段階は持ちこたえている。
  • 調整局面が進み、市場心理が悪化すると、シスコも不可避的に調整を始めるんだが、それは数日間のことで、底を付けるとすぐに上昇に転じてブレイクアウトする。
  • 市場全体が調整局面を抜け出て新たな強気サイクルに入るのを実質的にリードした。

繰り返しになりますが、リーダー銘柄としての基本的な特徴は、市場全体の調整局面において常に最後に調整が入ることにあります。

つまり、シスコの反抗が市場全体の調整局面が終了する合図となりました。



ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップ

  • ヘッド部分で大きい出来高を伴っての急落(ダイアグラム1の①)
  • 右肩のネックラインを割っての下落は3月のピークのわずか2カ月半後であり早すぎる(ダイアグラム1の②)
  • シスコに対する根強い強気心理は「安値拾い」の形をとって現れた
  • シスコの株は50日移動平均線を上抜けて70ドルの抵抗線水準まで急激に反発し、時期尚早の売り方を踏ませることになった

強気相場の熱が冷めるまでは空売りをするのは控えましょう。

早すぎる空売りは、踏み上げを食らい痛手を受けます。


空売りタイミングの目安は、天井から5ヵ月~7ヵ月以上です。

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50日移動平均線

ネックラインを割った早すぎる空売りを我慢したなら、株価と50日移動平均線の動きに注意を払いましょう。

こちらは後述する日足チャートで見たほうが、わかりやすいかもしれません。



空売りポイントのおかわり

  • 50日移動平均線を上抜いて2日間反発し、50ドルを少しだけ上回ったところが2回目の空売りポイント

こちらも日足チャートで確認しないと間に合なかったでしょう。



日足チャートでも確認する

  • シスコの日足チャートでは、週足チャートでも見てとれた50日移動平均線を上抜いた4回目の反発の試しを詳しく検討することができる。

実際に空売りするためには、週足では遅すぎるように思います。

週足チャートは、ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップの確認など、広い視野をとるときに使うといいと思います。


日足チャートは、ブレイクアウトのタイミングがより早く確認できるため、実践で活躍します。



1回目の空売り

  • われわれは3回から4回の反発のあと、その銘柄の空売りシグナルに注意を払う。
  • シスコの場合は4回目の反発の失敗が弔鐘となり、株価が大きな出来高を伴って50日移動平均線と200日移動平均線を割って急落したときに空売りの鐘が明瞭に鳴り響いた。
  • 50日移動平均線を上抜いた4回目の反発では、出来高の増加を伴ってストーリング(失速)が起こっているが、これはまもなく株価が下落するという極めて微妙なヒントを出している。

週足で確認した空売りのタイミングを、より細かい視点で確認できます。

ネックラインを割る最初の急落はダマシです。

支持線のブレイクは、あまりにも広く知れ渡っているために、逆手に取られてしまったかもしれません。


いつ売るかだけでなく、正しいポイントで空売りを仕掛けることが何より大事になります。



2回目の空売り

  • もし最初の空売りポイントを逃した場合には、この株が50日移動平均線を上抜いて2日間反発し、50ドルを少しだけ上回ったところでもう1回の空売りポイントがあった。
  • この反発のあと、シスコ株は大きな出来高を伴って移動平均線を割って下落した。これは明確な第二の空売りポイントである。

2回目の空売りタイミングは、週足では間に合わなかったでしょう。

50日移動平均線を上抜いた二日間を確認して、再び大きな出来高を伴って移動平均線を割ったタイミングでしっかり売っていきましょう。


シスコは最終的には10ドル以下まで下落したので、天井を付けてから90%以上価値を失いました。

天井で空売りしなくても、本書を頼った空売りでは64ドルと50ドル付近の2回で空売りできたため、大きな利益が見込めたはずです。



本日の気づき

  1. リーダー銘柄としての基本的な特徴は、市場全体の調整局面において常に最後に調整が入る
  2. ネックラインを割る最初の急落はダマシ
  3. 最初の空売りタイミングを逃しても、50日移動平均線への押しで2回目の空売りポイントが現れることがある。



おわりに

カタールワールドカップが開催されました。

しばらくは株からは少し離れて寝不足な日々を送りたいですが、こちらの都合にはお構いなしなのが投資の世界です。


まあ応援する気持ちは、サッカーも株も変わらないのかもしれませんね。
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