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オニールの空売り練習帖第3部②~チャート100本ノック2本目

チャート100本ノックでは、時系列順に注釈や関連記事をまとめています。

本書のチャートがわかりやすいので、お手数ですがチャート自体は本書をご覧頂ければ嬉しいです。

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はじめに(再掲)

  • 空売りのひな型の用意ができたので、過去の市場における最高の空売りの例をいくつか検討してみよう。
  • いくつかの重要なポイントと各々の空売りの「モデル」の詳細を取り上げる。

理論をいくら学んでも、実践で使うことができなければ意味がありません。

ここでは、実際のチャートとその読み方について、本書の説明や注釈などを時系列に並び替えて学んでいきます。


チャートを見ていくにつれて、空売り候補のモデルの性質や特徴について感覚が身についてくるはずです。

ぜひ、その知識を実際の取引に活かしていきましょう!



ルーセント・テクノロジーズ

ルーセント・テクノロジーズ

  • 1990年代の強気のもうひとつの「投資適格」の花形銘柄であった
  • ルーセント・テクノロジーズはAT&Tの一部門だった頃に数々の最先端をいく通信技術の研究開発に関与しており、AT&Tの子会社のなかでも「最重要資産」とみなされていた。
  • AT&Tから分離独立後、ルーセントの株式はAT&T株の株主に分配された
  • ウォール街のすべての大手証券会社から「注目銘柄」や「投資適格」といった買い推奨を集めていた

シスコシステムズと並ぶ、もう一つのリーダー銘柄でした。
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AT&Tの株主は、分配されたルーセントの株式によって一儲けできたかもしれませんね。



週足チャートで確認する

  • 2000年1月7日の週の株価の大幅な急落によってルーセントの終焉の幕が切って落とされた。
  • この時点ではまだ形成中であったヘッド・アンド・ショルダーズ・トップのパターンの「頭」になる部分の右側に当たるものであった。

左肩と頭部分で、4週連続で急上昇を見せるクライマックストップを付けます。

実際にこのタイミングで、買いポジションを全部手仕舞うのは簡単ではありません。

早すぎる利確となるおそれもあり、心理的にも負担がかかります。


心理面をフォローするならば、迷ったら半分だけ利確していれば、ルーセントにおいては最高の結果となったでしょう。

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頭部分での急落

  • ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップのパターンの「頭」になる部分の右側で、大きい出来高を伴った急落した。

ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップの頭の右側部分の急落は、ダイアグラム1のポイント①にあたります。

とても注意深く株価を監視していれば、ここで空売りして儲けることができるでしょう。


しかし、ネックラインを割り込んだ空売りでは遅すぎます。

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急落からの急反発

  • しかし、このときの下げはルーセントの絶対的な高値からわずか4週間後のことであり、この急落に大急ぎで空売りで飛び乗るのは早まった試みであった。
  • 売り方は、そのあと起こる50日移動平均線を上抜く4回の反発の1回目の上昇で、すぐに踏まされることになった。

この急落のタイミングで空売りで儲けるのは、踏み上げを食らうリスクが高くおすすめされていません。

なぜなら、空売りの買戻しが入るのはもちろんのこと、バーゲンセールにやってきた買い方も参戦するためです。


強気のムードが冷めるまでは、ぐっと我慢して静観するほうが成功率は高まるでしょう。

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理想の空売りポイント

シスコシステムズのときと同様に、50日移動平均線を上抜く4回の反発があります。

右肩のネックラインを最初に割り込んだ時点での空売りは早すぎました。


ダイアグラム1の③のように、株価が50日移動平均線を反発したあと、大きい出来高を伴って移動平均線を割り込んだポイントが適切な空売りポイントになります。

これは絶対的な天井から33週間後にあたり、天井後5~7カ月ルールの通りです。

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日足チャートでも確認する

  • ルーセントの日足チャートを詳細に検討すると、株式の下落に伴い3回の空売りポイントがあったことが分かる。

週足で大まかな空売りの方針を決めたら、日足チャートでより具体的な空売りポイントを調べましょう。

本書のチャートを見ると、4回目の反発したあとの下落で3回の空売りポイントがありました。

この下落が始まると、①200日移動平均線、②50日移動平均線、ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップの右肩部分の③ネックラインをそれぞれ大商いを伴って割り込むポイントが空売りの仕掛け時でした。

非常に明確な空売りシグナルを出していることに、注意を払う必要があります。



最初の空売り

  • 最初のポイントは、株価が200日移動平均線を上抜いて上昇したあと下落したときであり、

本書では50日移動平均線のブレイクに焦点を当てて説明していますが、200日移動平均線も使われることが少なくありません。

200日移動平均線抵抗線として機能しているのであれば、空売りポイントとして適していると言えるのでしょう。

もちろん出来高の増加を伴って割り込むことが最低条件になります。


なおこの日の日足でのブレイクアウトを確認したあとに、空売りで参入したのでは遅すぎました。

ブレイクアウトしたと判断するタイミングは、実際にトレードを行う際には問題となることが少なくありません。

ルーセントの場合は、ギャップダウンしたまま急降下を始めたの見て(この時点で200日移動平均線を割っている)、下落の勢いが強いと判断すればよかったでしょうか。


ただ1回目の空売りポイントを逃したとしても、次の2回目は見逃すともったいありません。



2回目の空売り

  • 2回目は株価が50日移動平均線を割り込んで急落したとき

1回目と同日に空売りすることになります。

下落の勢いは相変わらず急であり、分足やティッカーでさらに確認することで、その勢いに自信が持てたかもしれません。

少なくともルーセントでは、チャンスは待ってはくれませんでした。


また200日移動平均線空売りに成功していた場合は、売り増しに抵抗を持ってはいけません。

勝てるときには徹底的に勝って、投資成績を向上させましょう。



3回目にネックラインを割り込むところで空売り

  • 3回目は株価がヘッド・アンド・ショルダーズ・トップのパターンを完成させた右肩部分の「ネックライン」を割り込んだとき

ネックラインをちょうど3回目に割り込むところでの空売りはうまくいきました。

ただし1回目や2回目でネックラインを割り込んだタイミングでは、時期尚早な空売りとして踏み上げされ、損切りせざるを得なかったでしょう。


基本的にネックラインを使った空売りは有名になり過ぎているため、みんなも同様の行動を取ります。

そしてみんなが空売りしているということは、潜在的な買い方でもあるのです。



本日の気づき

  1. 急落後の空売りは早すぎることが多く難しい
  2. 株価が 50日移動平均線を反発したあと、大きい出来高を伴って移動平均線を割り込んだところが適切な空売りポイント
  3. ルーセントの下落が始まると、①200日移動平均線、②50日移動平均線、ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップの右肩部分の③ネックラインをそれぞれ大商いを伴って割り込み、非常に明確な空売りシグナルを出していた
  4. 200日移動平均線抵抗線として機能しているのであれば、空売りポイントとして適しているといえる



おわりに

NISAの恒久化&枠拡大がいよいよ現実味を帯びてきました。

Twitterでも書きましたが、損切りしづらいNISAはあまり好きではありません。

確実に勝てると確信できる機会なんて滅多にないだろうし、期待値で優位にあると見込まれる成長株投資には相性が良くありません。


もしNISAを使うとしたら、FIRE後に無難な銘柄に投資するくらいでしょうか。

素直に損益通算させてくれたら、もっと活発的に投資すると思うけど難しいんでしょうね。

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