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オニールの空売り練習帖第1章⑤~空売り銘柄を探すための5つのヒント

では実際に、空売りを仕掛けてみましょう。
そのためには、まず銘柄を選ぶ必要があります。

今回は、空売り銘柄を選択するうえで5つのヒントを、本書から紹介したいと思います。

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空売り銘柄の選択

出所:イラストAC
  • 機関投資家保有している1~2銘柄が大きく下落してそのまま反発しないか、極めて異常な弱さを示した場合には、同じグループのほかのリーダー銘柄もその後を追う可能性が高いため、それらの銘柄を検討するべきである。

マーケット全体が弱気相場入りをしたら、実際に手掛ける銘柄を探します。

空売りに適した特徴がいくつかあるため、順に見ていきましょう。


1.強気相場で最も上昇率が大きかった銘柄

  • 空売り対象に選ぶ最適の銘柄は通常、下げ相場に入る直前の上げ相場を大きくリードしていた銘柄、つまり最も上昇率の大きかった銘柄である。
  • これらの銘柄は、ミューチュアルファンド、銀行、年金基金などの機関投資家の注目を数多く集めているはずである。
  • つまり、これらの銘柄がその後に下がり続ければ、巨大な潜在的な売り圧力が生み出されることになる。
  • だれもがこれらの銘柄を保有しており、残された投資家はこれらの銘柄を多く保有している潜在的な売り手なのである。

主導銘柄は、機関投資家の注目を数多く集めており、時間が経つにつれて多くの機関投資家保有されます。


弱気相場入りすると、需要は一気に消え失せます。

需要が限られる中で、大量の売り浴びせが起こるこのタイミングを狙うことで、空売りで大きく儲けることができます。




2.株式分割された銘柄

  • 最近、株式分割された銘柄も良い。
  • 分割比率が高ければ高いほど良い。
  • 最近の分割がその銘柄にとって、ここで2~3年で2回目の分割ならばさらに良い。
  • 株式の2回目の分割は多くの場合、その株式の全般的な動きの最終段階で起こる。
  • 多くの場合で、株式が2回か3回目の分割の後、1年以内に天井を付ける。

一般的に、株式分割はポジティブな材料と捉えられますが、オニールは過剰な株式分割には警戒を示しています。

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なぜなら株式分割が行われることで、個人投資家が投資しやすくなる一方で、機関投資家保有する株式の量も増えるため、より多くの売り圧力が生まれるためです。

もし機関投資家保有し続けるのをやめて、売却を始めたら相場に大きな影響を与えるでしょう。
空売り勢としては、このチャンスを見過ごすわけにはいきません。




3.機関投資家に過剰保有される銘柄

  • 機関投資家による巨大な保有は、いったん弱気相場が始まるとその銘柄にとっては重荷になる可能性がある。
  • このような過剰保有は、天井を付けてからかなりの時間が経過したかつてのリーダー銘柄で起こりやすい。
  • かつてのリーダー銘柄が「終わったあと」のこの出遅れた買いは、いずれは市場における過剰な供給につながり、結局その銘柄が長年にわたってアンダーパフォームするか、場合によっては完全に崩壊するような状況を作り出す。

強気相場では、機関投資家による保有はプラス要素です。

しかし弱気相場では、機関投資家が過剰に保有している銘柄ほど、機関投資家潜在的な供給源となります。


先ほどの株式分割の話と同じで、株価は需要と供給の関係で決まります。

特に、かつてのリーダー銘柄というものは以前より割安となることが多く、それをチャンスと見た機関投資家は買い集めやすいです。


こちらもまた、将来の売り圧力という観点から、空売りには適した銘柄といえます。



4.業種グループから空売り銘柄を選択する

  • 空売りする銘柄の選択と時期を決定するうえで役立つテクニックのひとつは、ある銘柄を、その銘柄が属する様々な業種グループの前後関係のなかで検討することである。
  • いずれはこのグループにも順番は来るし、行動を起こすべきときには、市場がヒントを与えてくれる。

市場全体が天井を付けたからといって、すべての業種グループが同時に天井を付けるわけではありません。

たとえばセクターローテーションと呼ばれる考え方では、調子のいい悪いとされる業種は、川の流れのように変わっていきます。
gyatuby.hatenablog.com

ある銘柄に注目している場合は、その属する業種グループが下落するタイミングを図ることで有利に動くことができます。


なお、IBD(オニールが創業した会社)による業種グループ分けについては、無料でExcelの形で入手できます。

各業種グループの強さも示しているので、気になる方はぜひご覧ください。
https://www.investors.com/research/ibd-live-faq-helpful-links-answers-to-questions-about-zoom-charts-ibds-methodology-more/



5.主導銘柄による波及効果

  • 機関投資家保有している1~2銘柄が大きく下落してそのまま反発しないか、極めて異常な弱さを示した場合には、同じグループのほかのリーダー銘柄もその後を追う可能性が高いため、それらの銘柄を検討するべきである。

本書でも指摘されている通り、IBD紙のExcelが役に立ちます。
ただしソースも何もないため、信じるかはさておき参考にはなります。

何が大きく下落しているか、銘柄のスクリーニングするうえでは時間節約となり、心強い味方となるでしょう。


日本株においては、業種から探す場合には業種別騰落率が参考になるかと思います。

証券会社が用意したツールを駆使すれば、大きく下落した業種グループのなかで、何が一番下落しているかがすぐにわかります。


他にも、主要株価指数の寄与度から探す方法も考えられます。

後追い効果を狙って空売りを仕掛けるため、監視銘柄は多く持ったほうが良いでしょう。




常識が勝つ

  • 市場で弱気が台頭しつつあるときに、空売り対象になる理想的なタイプの企業を選択するには、常識やビジネスの知識が役に立つ場合がある。
  • たとえば、景気循環系の業種の銘柄(すなわち鉄道、ホテル、資本財、素材産業など)で、過去1~2年の間に大幅な株価の上昇があった場合などが該当する。
  • 直近の強気相場をリードした銘柄のなかに、最も大きく値を下げる可能性があるというのも常識である。

景気敏感株は、文字通り景気の動向に左右されるため、空売りするチャンスが生まれます。

なお、鉄道に関しては、日本の場合はディフェンシブ銘柄に数えられることが多いように思います。
車社会のアメリカとは異なり、貨物輸送のためではなく住民の足として欠かせない存在ですからね。


そして前に説明があった通り、強気相場で最高だった銘柄も空売り候補です。
株式市場が有頂天になっているときは、最高と思われる銘柄もやりすぎなほど株価が上昇しています。

熱が引くのを見計らって空売りすることができれば、大儲けすることができることでしょう。



まとめ

  • 空売り銘柄を探すための5つのヒント

  1. 強気相場で最も上昇率が大きかった銘柄
  2. 株式分割された銘柄
  3. 機関投資家に過剰保有される銘柄
  4. 業種グループから空売り銘柄を選択する
  5. 主導銘柄による波及効果

  • 空売り対象になる理想的なタイプの企業を選択するには、常識やビジネスの知識が役に立つ場合がある。



おわりに

今週は弱気ムードが強い相場となりました。

だからといって、空売りのチャンスかと言うと必ずしもそうとは限りません。
後に出てきますが、みんながはっきりと分かる場合にはもう遅すぎることが多いのです。

もちろん、この後やってくるであろう、戻りや反発でもチャンスがやってくるかもしれません。

いずれにせよ空売りに手を出す場合には、このタイミングでしっかり研究を行うようにしましょう。
gyatuby.hatenablog.com


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