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オニールの空売り練習帖第1章⑧~ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップ

今回は空売りで最も使われているであろうチャートパターン、ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップについて扱っていきます。

あまりにも有名すぎるために、オニールは一工夫してこのパターンを利用しています。

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ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップ(三尊)

ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップ(三尊)
出所:マネックス証券

https://info.monex.co.jp/technical-analysis/indicators/009.html

  • チャート上での古典的な空売りの株価の型は「ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップ」と呼ばれている。
  • これは「ヘッド(頭)」を中央に、それよりも低い「ショルダー(肩)」がその両側にある形になったものである。
  • 教科書的なヘッド・アンド・ショルダーズでは右肩が左肩より低く、出来高のパターンはヘッド・アンド・ショルダーの左側から右側に移るにつれて増加する必要があるが、これは絶対に必要というわけではない。
  • ヘッド・アンド・ショルダーズのパターンの安値を結んで引いたトレンドラインが右肩で「ネックライン」を形成しているのを確認することができる。

まずは教科書的なヘッド・アンド・ショルダーズ・トップ(三尊)を見てみましょう。


漢字の「山」のように、3つの膨らみができます。

そのうち真ん中の山が大きく、これがヘッド(頭)にあたり、両側の山は低いのでショルダー(肩)と呼ばれます。


両肩の安値を直線で結ぶとネックラインです。

教科書的には、株価がネックラインを下回ると本格的な弱気相場入りを示し、売りサインが点灯したことになります。



50日移動平均線のブレイク

出所:オニールの空売り練習帖P.63
  • 通常、ネックラインで空売りを試すのはあまりに明白すぎる。
  • そのためにわれわれは50日移動平均線のブレイクを空売りの適切なタイミングを決定するのに使うのである。

ネックラインを割り込んだポイントで空売りする手法はあまりにも有名であるため、ときには大口投資家によって嵌められる恐れもあります。

そこでオニールは、50日移動平均線の(2回目の)ブレイクを利用した方法を採用しています。


上の図のように、ネックラインより早めにスタートを切ることが出来ることがあります。

また逆に、ネックラインのブレイクを狙った踏み上げにより、損失を被るリスクも抑えることもできます。



質の悪い買い

  • 時としてヘッド・アンド・ショルダーズ型の株価形成の右肩で、2度目か3度目の反発の試しの最後に近いところで、大きな出来高を伴って上昇することを、「質の悪い買い」と呼んでいる。

強気のムードが抜けきらない間は、質の悪い買いが起こります。

これは、早すぎる空売りの踏み上げだったり、バーゲンセールに飛びつく投資家が一定数いるため、「質の悪い買い」が発生するためです。


したがって、オニールはこの熱が冷めるタイミング、具体的には50日移動平均線の2度目のブレイクを待って空売りを仕掛けることを推奨しています。



歴史に学ぶ

  • 天井を付けたあと激しく下落したかつてのリーダー銘柄のチャートを研究するべきだ。
  • 過去の相場で天井を付けた株の動きは、現在のモデルとして使えるものが数多くある。
  • 過去に起こったことはまた起こる―株式市場は何百年も存在しているのである。
  • 努力の80%を費やして、正しいタイミングで売り始めることを学ぶべきである。

前書『オニールの成長株発掘法』でも過去のチャート研究はするべきと話しています。

チャートを見ているうちに、復習にもなりますし、何より多様に見えたチャートパターンにも一定の法則性があることに気づけるはずです。


勝率を1%でも高めるために、できることはすべてやっておくべきでしょう。



まとめ

  1. ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップでは、ネックラインではなく、50日移動平均線のブレイクを空売りの適切なタイミングを決定するのに使う
  2. 天井付近では強気のムードが抜けきらずに、早すぎる空売りの踏み上げだったり、バーゲンセールに飛びつく投資家が一定数いるため、「質の悪い買い」が発生する。
  3. 50日移動平均線の2度目のブレイクを待って空売りを仕掛ける
  4. 天井を付けたあと激しく下落したかつてのリーダー銘柄のチャートを研究するべきだ。
  5. 正しいタイミングで売り始めることを学ぶべきである。



おわりに

今週は米CPIの発表があり、まだ一波乱があるかもしれません。

賃金を含むインフレは、金融政策に影響を与えるため、相場を大きく転換させるパワーを持っています。

そのため、今がたとえ弱気相場だとしても、自信を持って空売りポジションを持ちづらいのが悩ましいところです。


結局は相場を監視するとともに、買いと売りのどちらにも動けるように準備するのがいいかもしれませんね。
gyatuby.hatenablog.com

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