はぐれ猿でも、投資がいいんだ。

ふりむけばやさしさに飢えた弱肉強食の世界で

オニールの空売り練習帖第1章⑫~空売りの6つの極意


本章だけでも中身が濃かったため、ここで一旦復習しましょう。

空売りで大事な要素は以下の6つです。

  1. 弱気相場か?
  2. 流動性が高いか?
  3. かつてのリーダー銘柄か?
  4. 絶好のチャートパターンか?
  5. 天井を付けてから期間が空いたか?
  6. 利益目標は20%~30%

関連記事も併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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1.弱気相場か?

  • 市場全体が弱気トレンドでなくてはならない。
  • また、なるべく弱気トレンドの初期段階にあることが望ましい。
  • 強気相場での空売りは勝率が低い。
  • 弱気相場でも非常に遅い時点で手がけた空売りは、市場が突然上昇に転じ、新たな強気フェーズに入った場合には極めて危険である。

本書ではP.15~22にあたります。
gyatuby.hatenablog.com

マーケット全体の動きが、手掛けようとする銘柄に影響を与えることはよくあります。

どうせなら勝率が高いと見込める、弱気相場の最初の時期に空売りしましょう。



2.流動性が高いか?

  • 空売りを狙う投資家が空売り候補として選ぶ銘柄は、比較的流動性の高い銘柄でなくてはならない。
  • これらの銘柄は、大規模なショートスクイーズにつながる可能性のある買い方の突然の殺到があった場合にも、急速な株価上昇とならないだけの十分な出来高がなければならない。
  • 一般的なルールとして1日当たり平均100万株以上の出来高があることが流動性の条件としては妥当である。

本書P.40の過小資本の話です。
gyatuby.hatenablog.com

浮動株が少ないと、大口投資家により株価を操作されかねません。

また、ストップロスに引っかかって損切りしようにも、想定以上に急上昇してしまい何もできなくなる事態もあり得ます。


こうした防御の面を考慮すれば、1日あたり100万株以上の出来高がある銘柄が好ましいです。



3.かつてのリーダー銘柄か?

  • 直前の強気サイクルにおけるかつてのリーダー銘柄空売りを検討する。
  • 弱気相場で最高の空売り機会を提供する銘柄は、往々にして直前の強気相場をリードし、大幅な株価の上昇を示した銘柄である。

本書P.32~34です。
gyatuby.hatenablog.com

割高の指標を無視して、急成長&急上昇したリーダー銘柄は、落ちるときも他より早く急落します。

これはすでに多くの人が株を保有しており、需要はもう限定的だからです。

また同時に、利益確定したいと思う投資家がたくさんいるために、供給サイドは常に機会をうかがっているためです。


他にも空売りに適した銘柄タイプがあるので、本書や関連記事をご覧いただければと思います。



4.絶好のチャートパターンか?

  • ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップの形成と、後期ステージでの幅が広く、不明瞭な、値崩れにつながる不完全なベースに注意する。
  • これらは空売りに絶好なチャートパターンである。

本書P.27,48が該当します。
gyatuby.hatenablog.com
gyatuby.hatenablog.com

買いサイドにも適切なチャートがあるように、売りサイドにも絶好のチャートパターンが存在します。


はっきり言って、買いと比べると、これらのチャートパターンを駆使しても空売りで利益を得るのはかなり難しいです。

オニール自身も難しいと説明しているため、弱気相場を寝て待つのはもったいないと思う投資家は、覚悟を持って空売りに臨む必要があるでしょう。



5.天井を付けてから期間が空いたか?

  • かつてのリーダー銘柄を天井から5か月~7か月、またはそれ以降に空売りすることを検討する。
  • しばしば、最適な空売りポイントは、50日移動平均線が200日移動平均線を下方にクロスする、いわゆる「ブラッククロス」のあとで起こる。
  • これは起こるまで数カ月かかる場合もある。
  • かつてのリーダー銘柄が天井を付けたあとは、注意深く株価を観察し、最適な空売りポイントのシグナルが出れば行動に移せるように準備しておく。

本書P.43にあたります。
gyatuby.hatenablog.com

天井付近でいきなり弱気ムードになるかというと、そうではありません。

強気から弱気に掛けて、熱が冷めるようにゆっくりと移っていきます。


また、ブラッククロスは天井を付けてからすぐに出るパターンもありますが、その場合はチャート例を見ると早すぎることが少なくありません

あくまで期間が空いているか、50日移動平均線を2度目にブレイクしているかのほうが重要なサインです。



6.利益目標は20%~30%

  • 利益目標を20~30%において、頻繁に利益確定する!

本書P.53です。
gyatuby.hatenablog.com

ただでさえ難しい空売りの場合は、特に初めのうちは、こまめに利益確定をしていったほうが、正常な判断ができるようになると思います。

せっかくの含み益をすべてマーケットに返すような事態は、できれば避けたいですからね。


利確してもまた入りなおせばいいのですから、売り逃す後悔を防ぐことも可能です。



賢者への重要な警告

  • もし株式が1年半から2年間以上弱気相場にあり、直前の強気相場でかつてのリーダー銘柄の多くが当時の高値から70~90%以上下落している場合、このような後期ステージで空売りを始めようとしても、もうパーティーは終わっている。
  • 弱気相場の後期段階で空売りするのは、完全に破滅的とまではいかなくても危険である。
  • 株式市場がずっとひどい状態で、一定期間すでに下降トレンドにあり、今や株を空売りして儲ける時期だと判断してこの本を買ったのならば――気を付けるべきだ!

空売りに必要なのは、”本当に”正確なタイミングで売ることです。

出遅れた場合は無理して空売りをしてはいけません。


また、周りが空売りで儲け始めたからといって、私も空売りしようなどと考えていけません。

空売りではスタートダッシュが重要になります。

本書を求めて空売りする頃には、もしかしたら周りはすでにスタートしているかもしれません。


需要と供給の関係は、空売りでも重要になります。

決して無理をしないで、冷静に準備することが大事になるでしょう。



おわりに

ドル売り介入が2度入ったのか、ドル円は150円を再び切りました。

こうした相場をテクニカル分析で乗り越えるのは、とても難しいことでしょう。

タイミングも深夜や朝と、24時間体制を明言していますし、介入ポイントもまちまちです。


大きく儲けるのに必要なのは介入が入る(入らない)ように祈るだけ、まさにギャンブルに近いように思えます。

はたしてプロはどう見ているのでしょうか。
gyatuby.hatenablog.com

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