株価下落の予兆は、手仕舞いするときはもちろん、空売りするときにも参考になります。
今回は空売りする際に注意すべき5つのテクニカルな動きについて学びましょう。
オニールがよく使う専門用語が出てきますので、併せて覚えると理解が進みます。
- 注意すべきテクニカルな5つの動き
- 1.ストーリング(失速)
- 2.ウェッジ
- 3.線路(レールロードトラック)
- 4.「アイランド」トップ
- 5.後期ステージのベースから、薄商いでのブレイクアウト
- まとめ
- おわりに
注意すべきテクニカルな5つの動き
早速オニールが挙げているテクニカルな動きを見てみましょう。
- ストーリング(失速)
- ウェッジ
- 線路(レールロードトラック)
- アイランドトップ
- 後期ステージのベースから、薄商いでのブレイクアウト
チャートのなかで、これらの動きは株価の下落が間近である可能性を知らせてくれますが、かすかなサインなので注意しなければなりません。
最初のうちは気づかないかもしれませんし、慣れたからこそ判断に迷うこともあります。
ひとつずつ、じっくり読んでいきましょう。
1.ストーリング(失速)
週の終値が下半分で引けるときには注意が必要になります。
このストーリングが現れると、買いよりも売り圧力のほうが勝っているサインといえます。
ローソク足でいうと、上ヒゲや大陰線と呼ぶこともあります。
ストーリングが発生した場合、買いポジションのときは手仕舞いを考える場面ですが、空売りのときにはチャンスとなる可能性を秘めています。
特に以前紹介したダイアグラム1で現れる、ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップの右肩部分でストーリングを見せると空売りの成功率が上がります。
gyatuby.hatenablog.com
ストーリングは、よく見かけるサインであり杞憂に終わることも少なくありませんが、一つの相場の終わりを示していることもあるので注意する必要があります。
2.ウェッジ
https://gemforex.com/media/trade/wedge/
ウェッジもストーリングと同様に、買いより売り圧力が徐々に強まった時にできるサインです。
カップウィズハンドルで安値が切り上がる取っ手は成功率が低いと学びましたが、この切り上がる現象がまさにウェッジです。
gyatuby.hatenablog.com
ウェッジが起きるときというのは、握力の弱い株主を振るい落とせていないために、のちに株価は下落する事が少なくありません。
なおウェッジもストーリングと同様に、ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップの右肩部分で見つけたときにはチャンスとなりますので、ウェッジを見かけたら身構えましょう。
3.線路(レールロードトラック)
- 「線路」は、ある週において株価が急激に上昇し、その次の週に株価がその前の週の取引レンジを完全になぞり、大きな出来高を伴ってその週の高値近辺で引けるときに起こる。
- これによって、平行に走る2本の線、つまり線路のような線が現れる。
- 大きな出来高を伴って前週の価格をなぞるというのは、この銘柄にディストリビューションが起こっているということを示している場合がある。
平行に走る二本の線、つまり線路(レールロードトラック)が現れます。
こちらは前書『オニールの成長株発掘法』でも扱いました。
gyatuby.hatenablog.com
レールロードトラックでは、一見すると2週間にわたって週の取引レンジの高値や高値付近で引けているため、この銘柄が出来高を伴って強い株価を維持していると思うかもしれません。
しかしよく考えれば、大きな出来高を伴ってもなお株価が伸びないのはディストリビューション(売り抜け)の合図である場合があります。
単純に出来高が大きいからといって、上昇の強い勢いがあると思わないように気を付けましょう。
4.「アイランド」トップ
https://www.ifinance.ne.jp/learn/technical/twd173.html
- アイランドトップは、株価が2週間から3週間、あるいはそれ以上上昇を続けたあと、最後にギャップアップ(窓を開けて上昇)し、その週は極めて狭い範囲での取引になるときに起こる。
- これは週足チャートでは小さい十字の形が孤立して「浮かんでいる」ように見えるため、「アイランドトップ」という名がついている。
- これは、その週は値上がり週であるにもかかわらず、ギャップアップが売りに出合い、狭いレンジでチャーニング(前日比で全く上昇しないか、下げて引ける状態)が起こっている状態で、その株の上昇力が尽きたことを示している可能性が高い。
こちらは上昇力が尽きたことを示している可能性が高いです。
上がり過ぎたチャートを、上から押さえつけているように見えるアイランドトップでは、大量の買いに大量の売りをぶつけているともいえます。
そして、最後には売り圧力に屈するのです。
5.後期ステージのベースから、薄商いでのブレイクアウト
こちらはダイアグラム2を構成する要素(ポイント①)に当たります。
抜け目なく準備していた場合には、早期の空売りでうまくいく可能性が高くなります。
gyatuby.hatenablog.com
ベースも数回繰り返し、値動きが激しく、次第に不明瞭で不完全なベースを形成していると思ったら、薄商いのブレイクアウトに注意する必要になります。
失敗ベースはクライマックストップのあとに起こる
この売りサインに気づくために、まずはクライマックストップを見極めることが必要になります。
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天井を付けたあとにすぐ急落するかというと、意外にも弱々しく売り圧力に抵抗しながら上昇することが多いです。
買いポジションではクライマックストップを付けたあたりで処分しますが、空売りの場合はクライマックストップを付けたあとにできる弱いベースからのブレイクアウト失敗に狙いを定めます。
ただし早すぎる空売りはタイミングが簡単ではありませんので、チャレンジするときには十分準備をしておきましょう。
まとめ