はぐれ猿でも、投資がいいんだ。

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オニールの空売り練習帖第1章⑦~空売りのタイミング

空売りする銘柄を選んだら、次はどのタイミングで空売りを仕掛けるかを考えます。

頭と尻尾はくれてやれ、の精神を持ちましょう。
大事なのは、天井付近で売るのではなく、強気の熱が冷めてから空売りすることです。

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空売りのタイミング

  • 空売りの正確な時期を決めるには、各銘柄の過去1年間の株価や出来高の動きを、日足や週足チャートで分析する必要がある。

空売りにおいては、ファンダメンタルズやテクニカルも重要ですが、何よりタイミングが最も重要になります。

銘柄選びと同じくらい大事なポイントになりますので、じっくり見ていきましょう。



空売りの時期を決める

  • 大事なことは天井で空売りをするということではなく、正しいタイミングで空売りをするということである。
  • 通常空売りの最高のポイントは、最初の異常で、大きな株価急落のあと、通常は2回か3回の反発のところである。
  • 株価指数のタイミングに対する判断と一致していなければならない。

意識したいのが、天井付近で売るのではなく、下落すると信じることができるポイントで着実に空売りしていくことです。

天井だと思っても、裏切られることはよくあります。


オニールは、機関投資家の動きに合わせて空売りすることを勧めています。

マーケット全体の動きを確認することはもちろん、監視銘柄の動きにも注意を払いましょう。

具体的な空売りポイントについては後述されますが、チャートを見て適切なタイミングで売ることで利益を得ることができます。


なお、この考え方は買い目線でもおなじことです。



50日移動平均線のブレイク

出所:オニールの空売り練習帖P.63
  • 多くの場合、株価は天井を付けたあと、50日移動平均線を下方に急激にブレイクする。
  • これが起こると、多くの場合、株価は2回から4回、50日移動平均線を上抜くような反発を試す。
  • この時点において、株価を注意深く観察し、株価が出来高の増加を伴って50日移動平均線を下方へ急激にブレイクするかどうか注意しなくてはならない。
  • この2回目の下方へのブレイクが起こった場合こそが、天井からの最初のブレイクが始まった下降トレンドの確認である。
  • このとき50日移動平均線の下方へのブレイクにできるだけ近いポイントで空売りを始めるべきである。
  • 最適な空売りポイントのほとんどは株価が天井を付けてから5カ月から7カ月後、あるいはそれ以上あとになって現れるということである。

文章で読んでもしっくりこないと思うので、後ほど本書で出るチャートを引用させていただきました。

これは後ほど学習するので、今はザッと読んでおけば大丈夫です。


底で買う必要がないように、天井で売る必要もありません。

オニールも、天井を付けた直後に空売りを試すことはしません。



天井で待て、ブレイクでよし

  • この2回目のブレイクが起こるのを待つ主な理由は、かつてのリーダー銘柄には天井を付けたあとも一定の期間、強気のセンチメントが残っているからである。
  • 株価がロケットのように上昇するのを見ていただけで買うことのできなかった投資家は、今や比較的下がった株価を「バーゲン価格」と判断するのである。
  • これらの時期尚早の売り方と、遅れてきた買い方が出尽くして、彼らが性根尽き果てたあとで初めて、株価は最終的に大幅な下落を始めるのである。

天井付近で空売りしない理由は、熱がすぐ冷めないのと同じように、強気のムードがまだ残っているためです。


オニールの教えを学んできた方には耳にタコだと思いますが、安いから買う投資家は一定数存在します。

そして踏み上げを食らう空売り勢の買戻しも合わさって、たびたび反発が起こるため、わたしたちは待たなければならないのです。


この反発の勢いがなくなるタイミングというのが、2回目のブレイクが起こるときなのです。



強気のムードが冷めるのを確認する

  • これらの時期尚早の売り方と、遅れてきた買い方が出尽くして、彼らが性根尽き果てたあとで初めて、株価は最終的に大幅な下落を始めるのである。
  • これが決定的に起こったのを判断する便利な方法は50日移動平均線を見ることである。
  • 50日移動平均線が200日移動平均線をクロスして下回ったとき、2回目の急激なブレイクは1週間から2カ月以内に起こる場合が多い。

では、天井を付けてからどのようなサインに気を付ければ良いでしょうか?


本書では、50日移動平均線が200日移動平均線デッドクロスして下回ったタイミングに注目します。

もちろんデッドクロスの前に天井を付けますので、天井を付けたら身構えるとよいでしょう。

株価が急激に下落するという最初の兆候にも対応できるはずです。



50日移動平均線のブレイクの例

  • 株価が最終的に下方にブレイクする時点を判断するには、抜け目のない売り方は両方のチャート(日足チャートと週足チャート)に注意を払うべきである。
  • ルーセント)株価はその日の取引レンジの中間付近で引けており、実際にはストーリング(失速)の兆しを示していることに注意が必要である。

ここでは2つのチャート例が示されています。

本書はわかりやすく説明していますので、ぜひ一読してください。
ただし例外はつきものということもよく分かると思います。


前書『オニールの成長株発掘法』でも、これぐらい丁寧だったらもっと理解が早かったかもしれません。

ページ数の制約があって厳しかったでしょうか?



オーバーヘッドサプライ

  • オーバーヘッドサプライは、チャート上では株式が現在取引されている株価よりも上で、一定期間その株が取り引きされた領域と定義される。
  • チャートを研究すれば、その銘柄を保有している投資家が売りに出る可能性が高い「オーバーヘッド価格」を大まかに判断することができる。
  • 株価が反発し、この領域に入ると、以前にこのオーバーヘッドサプライの領域でその銘柄を買い、その後、株価が下がっていく苦痛を経験した投資家が「プラスマイナスゼロ」での手仕舞いを試みて売りに出るのである。

いわゆる、”しこり”と呼ばれる現象です。

絶対に損失を出したくない投資家の売り圧力は、買い値をベースに行われるため、その時の価格帯(オーバーヘッドサプライ)を把握することが役に立つことがあります。


この点については、価格帯出来高を参考にすると、簡単に確認することができます。



オーバーヘッドサプライの例

こちらも2つの例が示されています。

いったん天井を付けるとこうした売り圧力もあるため、次の天井へ向かうには大きな需要が必要になります。


人によってはボックスの考え方で活用している人もいるかもしれません。



まとめ

  1. 天井で空売りをするということではなく、正しいタイミングで空売りをする
  2. 時期尚早の売り方と、遅れてきた買い方が出尽くして、彼らが性根尽き果てたあとで初めて、株価は最終的に大幅な下落を始める
  3. 50日移動平均線が200日移動平均線をクロスして下回ったとき、2回目の急激なブレイクは1週間から2カ月以内に起こる場合が多い。
  4. 強気のムードが冷めるまで空売りは待つこと
  5. オーバーヘッドサプライは価格帯出来高で確認できる。

おわりに

ディストリビューションを数えると、日本市場は弱気相場入りしているといえます。

そしてちょうどいい銘柄も見つけたので、試しに空売りしましたが想定したようには上手くいきませんでした。
現在では見事に踏み上げを食らっています。

知識としては理解していたけど身に付いていなかったことや、そもそも知恵がなかったことまで気づかされます。

本を読む何倍もの学びが、雪崩のようにやってきます。


ただし、仮に失敗に終わっても、失敗のまま終わらせてはいけません。

その失敗から学んで活かすことができれば、負けは投資になると信じています。


なお投資記録の付け方は、投資本でよく取り扱っていますが、参考までにオニールのやり方を貼っておきますね。
gyatuby.hatenablog.com


なお、最近読んで取り入れたいと思ったのが、『デイトレード』の方法でした。
これは時間が許せば取り上げていきたいところです。

次回は、典型的な天井パターンである「ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップ」を学んでいきます。
gyatuby.hatenablog.com


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