空売りする銘柄を選んだら、次はどのタイミングで空売りを仕掛けるかを考えます。
頭と尻尾はくれてやれ、の精神を持ちましょう。
大事なのは、天井付近で売るのではなく、強気の熱が冷めてから空売りすることです。
空売りのタイミング
空売りにおいては、ファンダメンタルズやテクニカルも重要ですが、何よりタイミングが最も重要になります。
銘柄選びと同じくらい大事なポイントになりますので、じっくり見ていきましょう。
空売りの時期を決める
意識したいのが、天井付近で売るのではなく、下落すると信じることができるポイントで着実に空売りしていくことです。
天井だと思っても、裏切られることはよくあります。
オニールは、機関投資家の動きに合わせて空売りすることを勧めています。
マーケット全体の動きを確認することはもちろん、監視銘柄の動きにも注意を払いましょう。
具体的な空売りポイントについては後述されますが、チャートを見て適切なタイミングで売ることで利益を得ることができます。
なお、この考え方は買い目線でもおなじことです。
50日移動平均線のブレイク
- 多くの場合、株価は天井を付けたあと、50日移動平均線を下方に急激にブレイクする。
- これが起こると、多くの場合、株価は2回から4回、50日移動平均線を上抜くような反発を試す。
- この時点において、株価を注意深く観察し、株価が出来高の増加を伴って50日移動平均線を下方へ急激にブレイクするかどうか注意しなくてはならない。
- この2回目の下方へのブレイクが起こった場合こそが、天井からの最初のブレイクが始まった下降トレンドの確認である。
- このとき50日移動平均線の下方へのブレイクにできるだけ近いポイントで空売りを始めるべきである。
- 最適な空売りポイントのほとんどは株価が天井を付けてから5カ月から7カ月後、あるいはそれ以上あとになって現れるということである。
文章で読んでもしっくりこないと思うので、後ほど本書で出るチャートを引用させていただきました。
これは後ほど学習するので、今はザッと読んでおけば大丈夫です。
底で買う必要がないように、天井で売る必要もありません。
オニールも、天井を付けた直後に空売りを試すことはしません。
天井で待て、ブレイクでよし
- この2回目のブレイクが起こるのを待つ主な理由は、かつてのリーダー銘柄には天井を付けたあとも一定の期間、強気のセンチメントが残っているからである。
- 株価がロケットのように上昇するのを見ていただけで買うことのできなかった投資家は、今や比較的下がった株価を「バーゲン価格」と判断するのである。
- これらの時期尚早の売り方と、遅れてきた買い方が出尽くして、彼らが性根尽き果てたあとで初めて、株価は最終的に大幅な下落を始めるのである。
天井付近で空売りしない理由は、熱がすぐ冷めないのと同じように、強気のムードがまだ残っているためです。
オニールの教えを学んできた方には耳にタコだと思いますが、安いから買う投資家は一定数存在します。
そして踏み上げを食らう空売り勢の買戻しも合わさって、たびたび反発が起こるため、わたしたちは待たなければならないのです。
この反発の勢いがなくなるタイミングというのが、2回目のブレイクが起こるときなのです。
50日移動平均線のブレイクの例
- 株価が最終的に下方にブレイクする時点を判断するには、抜け目のない売り方は両方のチャート(日足チャートと週足チャート)に注意を払うべきである。
- (ルーセント)株価はその日の取引レンジの中間付近で引けており、実際にはストーリング(失速)の兆しを示していることに注意が必要である。
ここでは2つのチャート例が示されています。
本書はわかりやすく説明していますので、ぜひ一読してください。
ただし例外はつきものということもよく分かると思います。
前書『オニールの成長株発掘法』でも、これぐらい丁寧だったらもっと理解が早かったかもしれません。
ページ数の制約があって厳しかったでしょうか?
オーバーヘッドサプライ
いわゆる、”しこり”と呼ばれる現象です。
絶対に損失を出したくない投資家の売り圧力は、買い値をベースに行われるため、その時の価格帯(オーバーヘッドサプライ)を把握することが役に立つことがあります。
この点については、価格帯出来高を参考にすると、簡単に確認することができます。
オーバーヘッドサプライの例
こちらも2つの例が示されています。
いったん天井を付けるとこうした売り圧力もあるため、次の天井へ向かうには大きな需要が必要になります。
人によってはボックスの考え方で活用している人もいるかもしれません。
まとめ
おわりに
ディストリビューションを数えると、日本市場は弱気相場入りしているといえます。
そしてちょうどいい銘柄も見つけたので、試しに空売りしましたが想定したようには上手くいきませんでした。
現在では見事に踏み上げを食らっています。
実践してこその知識。
— ぎゃつ@FIRE目指す会計士 (@gyatubeee) October 5, 2022
タイミングがやってきたので空売りしました。
経験のためなので小粒ですが、リスク管理に気をつけます🤭 pic.twitter.com/7YTEsiDt42
知識としては理解していたけど身に付いていなかったことや、そもそも知恵がなかったことまで気づかされます。
本を読む何倍もの学びが、雪崩のようにやってきます。
ただし、仮に失敗に終わっても、失敗のまま終わらせてはいけません。
その失敗から学んで活かすことができれば、負けは投資になると信じています。
なお投資記録の付け方は、投資本でよく取り扱っていますが、参考までにオニールのやり方を貼っておきますね。
gyatuby.hatenablog.com
なお、最近読んで取り入れたいと思ったのが、『デイトレード』の方法でした。
これは時間が許せば取り上げていきたいところです。
次回は、典型的な天井パターンである「ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップ」を学んでいきます。
gyatuby.hatenablog.com