今が強気相場か弱気相場か。
それを見分ける方法をこの章では取り扱います。
今回はマーケットの天井を見極める方法です。
天井のサインが現れたら、いざとなればすぐに売る覚悟が持ちましょう。
マーケットの天井を見極める方法
- 市場平均が上昇していくのを毎日注意深く観察することから始まる。
コロナショックに入る前に、私はこのテクニックに救われました。
天井を見抜くことができる奥義であり、とても大事な内容なので、ゆっくり丁寧に読んでいきましょう。
マーケットの天井を知らせる2つのサイン(cf.空売り本)
- 主要な株価指数の天井形成には2つの形がある。
『オニールの空売り練習帖』から引用しましたが、天井のサインは2つ挙げられています。
本書では2番目の上昇トレンド中に現れるサインを扱っていますが、1番目のサインも忘れずにいましょう。
gyatuby.hatenablog.com
株価の上昇を伴わない出来高の増加
出来高が大きくなるということは、それだけ需要と供給が大きくぶつかったことを示しています。
上昇トレンドでは需要が供給に追いつかず、株価が上昇するはずなのに伸びない。
これは機関投資家が大量の株式を売っている、つまり売り抜けを行っている可能性が高いです。
というのも、機関投資家が保有する大量の株式を処分するためには、大量の買いにぶつけるしかないためです。
悲しいかな、このような買いはわたしたち個人投資家によるところが多いです。
大衆の買いにドカンと売りをぶつけているため、株価の上昇は伴わないけれども出来高の増加を伴って、それらの取引結果がチャートにも現れます。
これは数を見たほうが早いと思うので、本書P307~310をご覧ください。
天井のサイン
- 天井を打つ直前での大量の売りは、通常なら4~5週間に3~5日起こる。
- つまり売り抜けは、市場がまだ上昇中に起こるのだ!
- 4週間~5週間で明確な売り抜けが4~5日あると、その後の市場全体はほぼ必ず下落を始める。
- 2~3週間というやや短い期間でも、明確な売り抜けが4日あれば、それまで上昇してきた市場を下落させるだけの力を十分に蓄えた可能性がある。
- 場合によっては市場が新高値を試しで戻し、売り抜けがやや長めの6週間以上に長引くこともある。
上昇トレンド中に機関投資家が売り抜けるので、売り抜けに気付ける投資家は多くありません。
売り抜け(ディストリビューション)が4日が目安です。
まずは機械的に、株価下落&出来高増加の日数を数えると良いでしょう。
何事も慣れてくれば見えるものがありますし、売り抜け日を4日カウントしてから本格的に吟味してもよいのです。
なお、できれば『オニールの空売り練習帖』のほうが、チャートを用いて丁寧に具体例で数えて見せているので、一読することをおすすめします。
保有株にも不調が現れる
- 買いポイントから7~8%下落したら常に損切りして損失を最小限に抑えるということをしていれば、マーケット全体が調整を始めたときに、少なくとも1~2銘柄は強制的に売られることになるだろう。
- そうなれば、株価のさらなる上昇に対して疑いを持った防御的な心構えが早い時期に作られるはずだ。
天井を見抜くことが難しい理由のひとつには、上昇はまだ続くと信じ込んでいる投資家の個人的な意見や見解を覆すのに時間がかかる点にあるでしょう。
この点、損切りルールを徹底していれば、少なくとも天井が近いかもしれないと警戒することができるでしょう。
ひとつの指数で確認出来たらいい
- 売り抜けが繰り返しあったかどうかは、1つの指数で確認できれば十分である。
4日から5日の売り抜けを、複数の主要指数で確認する必要はありません。
天井は崩れるのが早いため、ぐずぐずしている暇がないためでしょう。
確信を求めれば求めるほど、判断は遅れていくものです。
まとめ
おわりに
売り抜け日のカウントは、本書のなかでも最高に役に立つテクニックのひとつです。
強気相場で儲けたお金を維持するためにも、これほど頼もしいものはありません。
わたしもコロナショックを始め、暴落前に資金を引き揚げることができ、何度も助けられています。
しかし天井のサインは裏切られることもあります。
次回は、天井を裏切るサインの見極め方について学んでいきます。
gyatuby.hatenablog.com