はぐれ猿でも、投資がいいんだ。

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オニールの成長株発掘法第9章⑧~M:過去の天井と主導株の動き

今回は過去の天井から売り抜け(ディストリビューション)を実際に数えてみましょう。

マーケット手法は進歩しても人の心理は変わりません。

過去の値動きを研究することで、暴落から資産を守ることができるようになります。

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2000年3月のナスダック天井を見抜いた方法

出典:Investing.com

本書チャートはP.309になります。

かなり古くなると、出来高も表示させるチャートソフトがなかったので、申し訳ないですが本書と併せてご覧ください。

典型的な売り抜けのサインによって、暴落を回避できたケースです。

売り抜けが数回発生していたため、2,3回見逃しても逃げきれました。



売り抜け1回目

  • ナスダックは前日よりも多い出来高なのに安く引けた。
  • 売り抜けが一日あっただけでは重要性は低い。
  • それでも、最初の危険信号であることは確かであり、その後も注意深く観察する必要性を示唆していた。

うなぎ上りで値を上げる強気相場においては、それは異常な動きです。

ただしまだ一日目なので、天井を付けるかもしれないと、引続きナスダックを観察することになります。



売り抜け2回目

  • 三日後、ナスダックは午前中に85ポイント以上上昇して新高値を付けた。
  • ところが午後になると反転して一日が終わってみるとわずか2ポイントの上昇だったのだが、出来高は平均を13%も上回っていた。
  • 株価の大きな動き(激しく値動きした割には終わってみるとほぼ同じー明らかな売り抜けのサイン)はより重大なサインだった。
  • なぜなら、先導していた銘柄までもが天井を打つ兆候を見せ始めたからだ。(これについては第11章で説明する)

下落で引けてはいないため、以前に習ったことと違うと思うかもしれません。

下落で終わらなくても寄りで強く引けで弱いパターンもまた、売り抜け日としてカウントできるのだと今覚えましょう。

株価が大きく動いたにもかかわらず、終値始値と変わらなかった点がポイントです。


また第11章で扱いますが、先導株もまた天井の兆しを見せていたことも警戒することを推奨していました。



売り抜け3回目

  • そのわずか二日後の3月14日、大商いだったにもかかわらず株価は4%下げて引けた。
  • これは3回目の売り抜けを警告しているもので、この時点で保有株を一部売るべきであった。

3回目の売り抜けは、とてもはっきりした形で表れています。

基本的には4回の売り抜けを待ちますが、これだけはっきりしているのであれば一部を手仕舞いしてもいいでしょう。



売り抜け4回目以降

  • 平均株価は3月16日~24日まで怪しく上昇したのだが、再び失速して4回目の売り抜け日を記録した。
  • そしてまもなく力尽きて頭打ちして、出来高が増加した日に方向転換して5回目の売り抜け日を記録した。
  • これが最終的には3月10日に天井だったことを確信させるものとなった。
  • マーケットは「売れ」「現金化しろ」「持ち株を手放せ」というサインを送ってくれていた。

余談なのですが、2回目と4回目の売り抜けでは指数は下落も出来高も微減しています。

これはストーリング(失速)と呼ばれ、出来高は減少して株価が弱々しく上昇することを指します。

他にも終値が週の下半分で引けるとかありますので、ぜひ本書で確認してみてください。(失速日としてカウントしています。)


しかし幸いにも2000年3月では5回の売り抜け(失速日含む)が現れました。

5回目の売り抜けで全部ないし大部分を売却することができれば、このあとに起こる暴落から身を守ることができたはずです。



多少見逃しても大丈夫

  • それから二週間、ナスダックとS&P500とダウは、前日よりも多い出来高を伴って値下がりする「売り抜け」を何度も繰り返した。

厳密に数えるに越したことはありませんが、たとえ見逃しても尻尾を食われる程度で終わることもあります。

逃げるのは早いに越したことはありませんが、遅すぎることはありません。



2007年の市場の天井を見抜いた方法

出典:Investing.com

チャートはP.309
売り抜けがどこにあるか数えてみましょう。

5回目の売り抜けがあっても、まだ弱々しく株価が横に動いているのが分かります。


ここでは、オニールは自社サービスの素晴らしさを語っています。

こんなにも惜しげなく知識を披露しているのも、自分の投資手法に対する自信の表れなのでしょう。

米国株投資がメインの方は、ぜひチェックしてみてください。
今なら英語もGoogle翻訳で何とかなります。
https://www.investors.com/



過去のマーケットの天井

1955年から2008年までの天井を一覧でまとめています。
マーケット研究をする際に役立てましょう。

日経平均については下記リンク先を見ると研究できます。
日経平均の歴史と過去の出来事から見る株価の推移



おわりに

売り抜け(ディストリビューション)の数え方は慣れるしかありません。

しかしまずお手本を見る必要がありますので、本書P307~310を繰り返し見て数えてみましょう。

あとは実践で数えてみれば慣れます。


実際に数えると分かりますが、売るのはまだ早すぎるのではと思うかもしれません。

たしかに上昇の試しに成功して、強気相場やレンジ相場に戻ることはもちろんあります。

また過去の天井を見ると、たしかに弱々しく天井を試す動きをしていることが分かると思います。


それで結果はどうなったでしょうか?

わたしがコロナショックから身を守ることができたのも、オニールのおかげでした。


それでも抵抗があるなら、次回に学ぶ警告を知るといいかもしれません。

複数の材料があれば、それだけ自信を持って決断できるかもしれませんから。
gyatuby.hatenablog.com

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