スポーツや武道でよく言われる「心技体」。
精神力(心)・技術(技)・体力(体)のすべてがバランスが整ったときに、最高のパフォーマンスを発揮します。
投資の世界にも心技体は存在しており、それは「精神力・技術・資金管理」といえます。
本章では投資の心技体のうち、資金管理(ポートフォリオ管理)について焦点を当てていきます。
今回は、最適な銘柄数について学んでいきましょう。
資金管理の極意
- 単に避けるべき投資が何かを知っておくだけでも十分価値がある。
- 複雑にしすぎず簡潔を心がけること。
本章と次の章で、投資における様々な選択肢や魅力的な資産運用方法を学んでいきます。
なかには有用なものもありますが、多くはリスクが高すぎたり、非常に複雑だったり、不必要なものだったりと、利益が期待できないものも多くあります。
ただ、いずれにせよ知っておくことに越したことはありません。
知っていると知らないとでは、可能性の幅が大きく変わってきます。
重要なことは不要なものは避け、そしてできるだけシンプルにすることです。
保有銘柄はどのくらいにすべきか?
リスクの分散をしすぎると、得られるリターンも少なくなってしまいます。
賭けた金額が少なかったり、他のはずれに引きずられていては、せっかく大当たりを引いても台無しになります。
なにごとも程々が良いということです。
すべての卵を一つのカゴに入れるな?
「すべての卵を一つのカゴに入れるな」
分散投資といえばこの教訓を多く聞いたことかと思います。
1つに絞ると、いざ失敗したときにすべてを失うため、複数の商品に投資してリスクを分散しなさいという教えです。
www.nomura.co.jp
たしかに機関投資家であれば数多くの(例えば数百数千の)銘柄を抱えても、人手や機械を使って管理できるかもしれません。
しかし、我々のような個人投資家の目に届く範囲と言えば数銘柄が関の山でしょう。
分散するにつれて1つの分野にかける時間、ひいては知識が減ります。
多くの投資家が過剰なほど分散投資をしていることを、オニールは危惧しています。
分散投資の究極系:インデックス投資
分散投資は、あくまで時間や知識、技術などが不足している投資家に向いています。
その究極系が、つみたてNISA等で勧められるインデックス投資です。
インデックスファンドは、多くのアクティブファンドより成績が勝るといわれています。
diamond.jp
文句の一つも言いたいところですが、それはオニールに譲ることにします笑
分散しすぎる投資に教訓があるとすれば、サブプライム危機の原因となったのは、5000種類に及ぶ不動産ローン(厳密には細分化され商品化している)に広く分散して投資されていたことを忘れてはいけません。
はたして、彼らは一つ一つの商品の中身を知っていたでしょうか。
少数のカゴに卵を入れろ
- 最高の結果とは、集中化を行ってよく熟知した少数のカゴに卵を入れてそれを注意深く見守ることで達成される。
当たり前の話ですが、よく知っている銘柄に集中投資をしていても、細心の注意を払って監視さえしていれば、危機を察して撤退することでリスクはある程度抑えられます。
もちろん1銘柄に集中投資しろと言っているわけではありません。
あくまで自分の管理できる範囲内に分散しなさいという話です。
むしろ分散投資しているから安心というわけではありません。
大天井を付けたら、保有株を売り、キャッシュポジションをある程度確保することが鉄則です。
さもないと、せっかくの含み益が水の泡になってしまいます。
最適な銘柄数は?
運用資金に応じて、オニールは以下の(最大)銘柄数を推奨しています。(便宜上1ドル=100円で換算しています)
- 1円~30万円・・2銘柄
- 50万~200万円・・3銘柄
- 200万~2,000万円・・・4~5銘柄
- 2,000万円~1億円・・・5~6銘柄
- 1億円以上・・6~7銘柄(心配なら10銘柄)
大きな利益は集中投資から生み出されます。
それはもちろん、信頼できる売買ルールと現実的なマーケット全体のルールとを合わせて投資を行うことが大前提です。
まとめ
- 1円~30万円・・2銘柄
- 50万~200万円・・3銘柄
- 200万~2,000万円・・・4~5銘柄
- 2,000万円~1億円・・・5~6銘柄
- 1億円以上・・6~7銘柄(心配なら10銘柄)
おわりに
オニールが紹介する最適な銘柄数を見ると、思ったより少ないという印象を受けると思います。
私も初めはそう思いました。
しかし銘柄を管理するというのは思いの外大変で、特に個人投資家にはその余裕はあまりないはずです。
毎四半期の決算はもちろんのこと、IRニュースやチャート、同業他社の動きまで含めると数銘柄が限度でしょう。
ほっとらかしにするぐらいなら、きちんと世話をした方が適切に管理できると思いませんか?
あるかわからないずっと先の経済成長に賭けるよりは、目の前の成長に注目した方がよっぽどマシだと個人的にも思います。
gyatuby.hatenablog.com
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