これは”器用貧乏”という言葉があるくらいです。
本章では、資金管理(ポートフォリオ管理)について焦点を当てていきます。
今回は資産株(高配当株)を見ていきましょう。
資金管理の心構え(再掲)
- 単に避けるべき投資が何かを知っておくだけでも十分価値がある。
- 複雑にしすぎず簡潔を心がけること。
本章と次章で、投資における様々な選択肢や魅力的な資産運用方法を読んでいきます。
以前の内容は下記の記事からご覧ください。
gyatuby.hatenablog.com
ただシンプルに強く伸ばしましょう。
資産株(高配当株)に投資するべきか?
- 資産株とは、高利回りや通常利回りの配当のある銘柄で、株主に課税所得を提供するものである。
- このような銘柄は、一般的には保守的と言われる公益事業や銀行株に多い。
- 配当金や所得を狙って普通株を買うのはお勧めしないが、実に多くの投資家がこのような資産株を買っている。
- 多くの投資家は、資産株は配当金もあるのだから長期で保有し続ければ安全だと思っている
。
資産株の場合でも、成長株を買う時と基本的には変わりません。
オニールが問題にしているのは、キャピタルゲインではなく配当などを目的に投資することは勧めないということです。
値上がりが見込めるなら投資しても構いません。
しかし資産株といえども、破産しないわけではありません。
巨額の損失を負ってしまっては、配当金がいくらあっても足りないでしょう。
資産株とは?
資産株とは、高利回りや通常利回りの配当のある銘柄で、株主に課税所得を提供するものと本書では定義しています。
一般的には保守的と言われる公益事業や銀行業、内需で成熟した企業が挙げられます。
もし高配当株に投資するならば、業績や財務状況、配当が安定していて、さらに増配傾向なら望ましいでしょう。
資産株の選び方
資産株は投資雑誌やウェブページを探せば、すぐに候補はいくつか見つかると思います。
それだけ人気のあるジャンルであり、FIRE後の安定収入のために長期保有目的で投資する方も少なくありません。
もし資産株に手を出すのなら、配当利回りだけを追い求めようとしてはいけません。
高リスクで低品質の銘柄をつかまされて、大損を被るおそれがあります。
やっちゃえ、〇〇
当たり前ですが、利益を十分確保することができなければ、高配当を維持することができません。
受け取れるはずだった配当金を得られないのはまだしも、株価は大幅下落します。
塩漬けのまま低配当もしくは無配が続くという、想定していない事態に陥ることはなんとしても避けなければなりません。
投資からの収入が必要なら
- 投資からの収入が必要なら、こうしなさいーー最高品質の銘柄に絞って投資をし、生活費として投資資産の6%を毎年引き出すのだ。
- または株の一部を売却して、四半期ごとに資産の1.5%を引き出しても良い。
もしも定期収入が欲しい場合には、資産株に頼るのではなく投資資金を取り崩したり運用益の一部を生活費にすることを考えましょう。
投資からの収入が必要なら、最高品質の銘柄に絞って投資し、生活費として投資資産の6%を毎年引き出すことをオニールはお勧めしています。
日本でも「4%ルール」が話題になりました。
オニールが提案する方法より少なく取り崩す方法です。
防衛的投資家というスタイル
資産株が望まれていたのは、ひとえに管理が楽だからという点にあったんだろうと思います。
FIRE後は投資を気にせずのんびり生活したい気持ちはよくわかります。
その場合は、ベンジャミン・グレアム(バフェットのお師匠様)が提唱する「防衛的投資」をお勧めします。
銘柄選びを厳選して、その後は年1回の決算チェックを行うだけというファンダメンタル投資法です。
名著なので、未読の方はぜひ手に取ってみてください。
この本のブログ解説と迷ったくらい、役に立っています。
なお現在では改訂版も発売されています。
こちらは著者とは別の第三者が旧版に注釈を加えて、現代でも使えるようにアップデートしたものです。
どちらも読みましたが、注釈はあるに越したことはなかった程度なのでお好みで選んでください。
コスパ的には旧版、満足したいなら改訂版です。
まとめ
- 資産株(高配当株)への投資はおすすめしない。
- 資産株への投資でもチャートを使おう。
- インカム目的の場合は「防衛的投資」を目指そう。
おわりに
ただどちらか一方に極端に振れるのではなく、バランスを取って両立することは可能だと考えています。
優れた投資法は一つではありません。
FIRE後の生活を自由に過ごしたいと思うなら、資産運用にかける時間や労力は減らすことになるかもしれません。
人生には限りがありますから、有意義に過ごしたいですよね。
私もいつかは防衛的投資家にシフトしていくと思います。
gyatuby.hatenablog.com
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