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【アノマリー】SQ効果〜よく聞くけど何なん?【格言】

「株式市場は今週のSQ(エスキュー)に向けて不安定な値動きとなるでしょう」

ではSQとは一体何でしょうか?
そしてだから何でしょうか?

ファンダメンタルズでもテクニカルでもない、しかしよく当たるといわれるアノマリー

今回は「SQ効果」についてです。

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SQとは?

SQの意味を3つのポイントで解説!: 日本経済新聞

正式名称はSpecial Quotation(特別清算指数)で、読み方はエスキュー。

現物株と異なり、決済期日が決められている先物やオプションを満期日までに反対売買しなかった場合に、最終決済期日における指数構成銘柄の始値である「SQ値」で決済されます。



SQの決済期限

SQ値を見ることで、短期的な相場の強弱感が推測できるとされています。
オプションと先物のSQの決済期限は以下の通りです。

  • オプション:毎月第2金曜日
  • 先物3月、6月、9月、12月の第2金曜日



メジャーSQ

そして、先物とオプションの決済が重なる3カ月に1回の「メジャーSQ」が近づくと、新聞やニュースでもSQが話題にあがることが多くなります。

これは、ヘッジファンドなど投機筋は先物やオプションで大きなポジションをとっており、決済日に向け有利な水準への着地を狙う思惑的な売買が膨らむためです。

直近では、新型コロナウイルス発生で株価が急落した2020年3月のメジャーSQ直前には、SQを見据えた先物主導の荒い値動きがみられました。



裁定取引アービトラージ

先物や上場オプションも実際には需給で価格が動くので、短期的に実際の株価指数よりも割高になったり、割安になったりする状況が生じます。

この時、例えば先物が割高になっていたとしたら、先物を売る(ショートする)と同時に株価指数を構成する225銘柄を構成比どおりに買えば、理論上は無リスクで収益を得ると考えることができます。

逆に、先物が割安だったら、先物を買って(ロングする)同時に現物を貸し株で借りてきて、やはり構成比どおりにショートすればよい訳です。

こういった取引は株価指数先物裁定取引と呼ばれます。

裁定取引とは
出所:岡三オンライン

ここで問題となるのは、裁定取引で出来上がったポジションは、割高・割安が解消された時点で反対売買しなければ利益が確定しないことです。

これを最も簡単にできるのが、先物清算価格が現物株の価格と確実に一致するSQで決済する方法なのです。

SQの計算には、各構成銘柄の寄り付き値(最初に取引された価格)を用います。

このため、裁定取引先物売り・現物買いのポジションを持っていたら、SQ当日の朝に保有している現物株をまとめて成り行きで全部売ればよいと考えられます。

ここで現物株の価格がいくらになっても関係がないことも重要です。
仮に、現物株が暴落してSQ値が下がっても、先物清算で使われるSQも定義上必ず下がって一致するからです。

逆に先物買い・現物売りのポジションを持っていたら、ショートポジションになっている分だけ成り行きで現物株を買い戻して貸し株を返済するだけです。

ここでも現物株が急騰しても、やはり裁定取引には関係ありません。
先物清算に用いられるのがSQ値で必ず一致するからです。



SQ効果(SQにまつわるアノマリー

ここではSQにまつわるアノマリーを、SBI証券大和ネクスト銀行の記事を参考に説明します。

メジャーSQの日は日経平均が上がりやすい

  • 3月、6月、9月、12月のSQ算出日(第2金曜日)は日経平均が0.33%程度高くなる傾向が認められました。

オプションと先物の決済期限が重なる「メジャーSQ」では、日経平均がやや高くなるアノマリーです。

なお、当たり前ですが日経平均が下がった月もあるため過信は禁物です。



マイナーSQがある週は日経平均が下がりやすい

  • メジャーSQ当日とは逆に、マイナーSQがある週の月曜日から金曜日は日経平均が0.22%程度下げやすい傾向があることが分かりました。
  • このアノマリーは信頼度が99%と高く、ほぼ例外なく全期間に比べて日経平均が下げやすいということが見てとれます。

オプションだけのSQということで「マイナーSQ」と呼びます。

コールとプットの清算日ですが、ヘッジのために現物株を売買していることが考えられます。

信頼度は高いので、マイナーSQのある週で売買するときは覚えておくと良いでしょう。



マイナーSQのある週は日中の値動き(高値÷安値)が大きくなりやすい(信頼度97%)

  • マイナーSQがある週は、終値ベースで前日より安くなりやすいということに加えて、当日の値動きが大きくなる傾向が確認されました。
  • 平均して1日当たり0.087%で、それほど大きくは無いのですが、これも信頼度が97%と高い点が注目されます。

値動きが若干大きくなるということなので、値幅で利益を取るときには有効なアノマリーなのかもしれません。




魔の水曜日

  • SQ値の算出がある週の水曜日は相場が軟調になりやすい(大和ネクスト銀行
  • 先物・オプションに絡んだ売り買いが、最終売買日である木曜日ではなく、その前日に執行することが多いため、SQ週の水曜日は「魔の水曜日」と言われる。

またSQのある週では、水曜に注目するとなおよいでしょう。



まとめ

  • SQ週のボラティリティが上がるのは、先物やオプションで大きなポジションをとっている投資家が多いから。
  • 通常はレバレッジを効かせるため、より大きな取引量となり相場に影響を与える。
  • メジャーSQには注目すること。
  • そして魔の水曜日に気を付ける。


おわりに

以前から用語は聞いたことはあるのですが、具体的なことは知らなかったので私もまとめることで勉強になりました。

SQ効果はある程度当てにしていい経験則といえますが、過信しすぎるのも問題かなといった感想です。
メジャーSQくらいかな、注意を払うとしたら。

また、比較的信頼度の高いSQ効果を利用した、アノマリー取引も考えられます。
ただし裁定取引は、機関投資家がおいしいところを持っていきますので注意しましょう。

ノーリスクでリターンを得るのは、個人投資家には向きません。