「株式市場は今週のSQ(エスキュー)に向けて不安定な値動きとなるでしょう」
ではSQとは一体何でしょうか?
そしてだから何でしょうか?
ファンダメンタルズでもテクニカルでもない、しかしよく当たるといわれるアノマリー。
今回は「SQ効果」についてです。
SQとは?
正式名称はSpecial Quotation(特別清算指数)で、読み方はエスキュー。
現物株と異なり、決済期日が決められている先物やオプションを満期日までに反対売買しなかった場合に、最終決済期日における指数構成銘柄の始値である「SQ値」で決済されます。
裁定取引(アービトラージ)
先物や上場オプションも実際には需給で価格が動くので、短期的に実際の株価指数よりも割高になったり、割安になったりする状況が生じます。
この時、例えば先物が割高になっていたとしたら、先物を売る(ショートする)と同時に株価指数を構成する225銘柄を構成比どおりに買えば、理論上は無リスクで収益を得ると考えることができます。
逆に、先物が割安だったら、先物を買って(ロングする)同時に現物を貸し株で借りてきて、やはり構成比どおりにショートすればよい訳です。
ここで問題となるのは、裁定取引で出来上がったポジションは、割高・割安が解消された時点で反対売買しなければ利益が確定しないことです。
これを最も簡単にできるのが、先物の清算価格が現物株の価格と確実に一致するSQで決済する方法なのです。
SQの計算には、各構成銘柄の寄り付き値(最初に取引された価格)を用います。
このため、裁定取引で先物売り・現物買いのポジションを持っていたら、SQ当日の朝に保有している現物株をまとめて成り行きで全部売ればよいと考えられます。
ここで現物株の価格がいくらになっても関係がないことも重要です。
仮に、現物株が暴落してSQ値が下がっても、先物の清算で使われるSQも定義上必ず下がって一致するからです。
逆に先物買い・現物売りのポジションを持っていたら、ショートポジションになっている分だけ成り行きで現物株を買い戻して貸し株を返済するだけです。
ここでも現物株が急騰しても、やはり裁定取引には関係ありません。
先物の清算に用いられるのがSQ値で必ず一致するからです。
SQ効果(SQにまつわるアノマリー)
ここではSQにまつわるアノマリーを、SBI証券と大和ネクスト銀行の記事を参考に説明します。
メジャーSQの日は日経平均が上がりやすい
- 3月、6月、9月、12月のSQ算出日(第2金曜日)は日経平均が0.33%程度高くなる傾向が認められました。
オプションと先物の決済期限が重なる「メジャーSQ」では、日経平均がやや高くなるアノマリーです。
なお、当たり前ですが日経平均が下がった月もあるため過信は禁物です。
マイナーSQがある週は日経平均が下がりやすい
オプションだけのSQということで「マイナーSQ」と呼びます。
コールとプットの清算日ですが、ヘッジのために現物株を売買していることが考えられます。
信頼度は高いので、マイナーSQのある週で売買するときは覚えておくと良いでしょう。
まとめ
- SQ週のボラティリティが上がるのは、先物やオプションで大きなポジションをとっている投資家が多いから。
- 通常はレバレッジを効かせるため、より大きな取引量となり相場に影響を与える。
- メジャーSQには注目すること。
- そして魔の水曜日に気を付ける。