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オニールの成長株発掘法第10章③~買値から8%の下落で損切り

損切りのルールは、投資を始める前から準備しておくものの一つです。

みなさんはどんなルールを用意していますか?


本書のルールは極めてシンプルで、最低でも買値の8%の含み損となったら例外なく損切りします。

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買値から7~8%の下落で損切り

  • 個人投資家ならば、各銘柄を買った買値から最大でも7~8%の損失が出たら損切りするという確固たるルールに従うべきである。
  • 巨大なポジションを建て、広く分散投資をして全体のリスクを減らしている機関投資家は、そのような損切り計画を実行できるほど銘柄を素早く売買できない。
  • これはあなたのような素早い行動力と決断力を持つ個人投資家機関投資家に勝る点なのだから、利用しない手はない。

損切りルールは、最も有用なオニールの教えのひとつです。


7~8%の損失という基準は、オニールに言わせるとあくまで限界のラインです。

規律を厳しく守り、しっかりとルールに従う決断力がある人ならば、全体の平均損失はそれより少ない5~6%になるでしょう。


要は7~8%の損失を待つ必要はなく、失敗したと判断できるならば、損切りは早いに越したことはありません。

ファンダメンタルやチャートで怪しい動きがあったら、少なくとも一部は手放すべきなのかもしれません。



買うタイミングが正確なら安心してよい

  • チャートを使って正しいベース(株価の揉み合い)から抜け出たばかりの銘柄をタイミングよく買えば、そこから株価が8%下落することはほとんどない。
  • つまり、もし8%下落したら、銘柄選択を誤ったか、市場全体の下落の始まりを示していると考えられる。

急上昇するポイント(ピボットポイント)で買うことができれば、たとえ裏目が出ても損切りルールに引っかかることはほとんどないと述べています。
gyatuby.hatenablog.com

もちろん損切りすることもありますが、それは買う時期が間違っていたことが少なくありません。


特に注意したいのが、銘柄選択もタイミングも完ぺきだけど損切りする羽目になった場合です。

主導銘柄は総じて、マーケット全体より先に動いて導く役割を担っています。

本書の事例で語られているように、その主導銘柄の調子が良くないのであれば、新たな弱気相場の始まりを知らせる合図の可能性があります。
gyatuby.hatenablog.com



損切りルールの注意点

  • この損切りルールは、すべての損失が7~8%になるまで実行してはならないというものではない。
  • マーケット全体の平均株価が機関投資家による売り抜けを示していたり、手持ちの銘柄の値動きが何かおかしくて、間違った判断をしてしまったとなんとなく感じることがある。
  • そのような場合には、株価が1~2ポイントしか下がっていなくても、損切りをして損失の拡大を早めに食い止めてよいのだ。

先に説明してしまいましたが、7~8%はあくまで最低限守るべき限界ラインです。

マーケット全体で売り抜け(ディストリビューシション)で天井の兆しを見せていたり、保有株のファンダメンタルや値動きが怪しいと感じても、損切りラインまでけっして手放してはいけないというルールではありません。


また弱気相場入りしたのに、マーケットの流れに逆らって株を買おうとするならば、少なくとも損切り水準は3~4%と厳しくする必要があります。



強制移動

  • 本書のCAN-SLIM法を使って長年経験を積んでいけば、銘柄選択や買いのタイミングが改善されていくし、成績の良い銘柄を少しずつ増し玉していく技術を覚えるので、平均損失は少しずつ減少していくだろう。
  • 株価が上昇しているときに安全な増し玉をする方法を学ぶのは時間がかかるものだが、そのやり方を習得できれば、成績の振るわない銘柄からより成績の良い銘柄へと資金を強制的に移動させることができる。(=「強制移動」
  • 明らかな強気相場で現金を増やして最高の銘柄に追加投資するために、まだ7~8%まで下落していない銘柄を強制的に売るためのルールである。

絶対の損切りルールのほかにも、損切りする場面があります。

それは成績の良い銘柄に追加投資を行うために、成績の悪い銘柄を売却して資金を生み出すときです。


上がる株を買い増すには、精神的にかなりの抵抗があると思います。

こればっかりはおいしい経験を積み重ねて、慣れていくしかありません。

勝つときには徹底的に勝たなければ、期待値で大きなプラスになることなど到底難しいでしょう。



“最高値“から8%下がっただけで売ってはならない

  • 逆にある程度上昇してまとまった利益が出た銘柄の場合には、株価が天井からの通常の下落のときに、下げ幅に余裕を持たせることができる。
  • 最高値から7〜8%下がったというだけで売ってはならない。

損切りルールの時との違いをよく理解することが重要になります。


そもそもなぜ損切りするかといえば、間違ったタイミングで株を買ってしまったためです。

思ったとおりに株価が伸びず、株価が下がってしまった。

それはもはや失敗と言えるでしょう。

言い訳は後でするとして、最低でも7〜8%のところで損切りします。


他方で、正しいタイミングで買うことができ、株価は上昇してかなり含み益が出た場合はどうでしょうか。

やるべきことは、利益をどれだけ増えるか見守り、売り時を考えることくらいです。

このような強気相場では、一時の調整に振り落とされないように損切りルールよりももっと株価の変動に幅を持たせると良いと説明されています。

具体的には、通常の調整10〜15%から振るい落とされないようにします。



あまりしつこく追わない

  • いずれにせよ、株を買ったら、あまりしつこく追わないことだ。
  • 重要なのは、その株が下落する可能性を最小限にするために、ブレイクアウトしたちょうどの正しいタイミングで買うことなのだ。(チャートを使った銘柄選択については第2章を参照)

理想は正しいタイミング(ピボットポイント)で買うことです。

そうすれば株価の動きを気にすることなく、株価の上昇への期待も高まることでしょう。


もちろん理想的な動きであって、現実はうまくいかないことの方が多いかもしれません。

ただし少なくとも損切りルールはしっかりと設けて、厳格に運用する必要はあります。



まとめ

  1. 7〜8%が損切りの絶対的な最低基準である
  2. 成績の良い銘柄を増し玉していく(強制移動)際に、成績の悪い銘柄を見切る際も損切りをすることもある
  3. 他方で、“最高値“から7〜8%下がったというだけでは、通常の調整で振るい落とされる恐れがあるため、売ってはならない
  4. いずれにせよ、ピボットポイントで正確に買うことができれば、損切りルールに引っかかる可能性は限りなく小さくなる。