2回に分けてテープ解読者の動き方について学んでいきます。
この2回はワイコフの知恵がたくさん詰まっており、学ぶ価値ありです。
特に売り抜けの話は理解しましょう。
トレードを手仕舞う
- トレードを手仕舞うべきケースには次のものがある。
- テープが指示するとき
- ストップに引っかかったとき
- 自分のポジションがはっきりしないとき
- 利益が満足できるほど膨らんだとき
- 何よりも大事なのは1.テープの指示に従うときである。
- 指示はいろいろな形をとって現れる。
- テープ解読者は鯨ひげのように柔軟な心を持つべきで、ひとつの見方に凝り固まってはいけない。
- テープに無条件に従わなくてはならないのである。
トレードを手仕舞うべきケースとして、本書では4つのケースを挙げています。
- テープが指示するとき
- ストップに引っかかったとき
- 自分のポジションがはっきりしないとき
- 利益が満足できるほど膨らんだとき
たとえば、ユニオン・パシフィックのような主力株を手掛けているときは、ユニオン自体に急騰の警告が示されていました。
このときに、ユニオンを空売りしていたらどうするでしょうか。
想定とは反対の動きを示していたら、そのポジションは迷わず解消するべきです。
加えて上昇エネルギーがリスクを冒してもいいほど強いものだったなら、買いに転じる(いわゆるドテン買いする)べきです。
本書では、その株の出来高とスイングが十分大きければ、ポジションを逆転するのが適切な場合が多いと指摘しています。
いずれにせよ大事なことは、テープには無条件に従うことです。
テープはあなたよりもずっと正しいのです。
テープに従うこと
- トレードを手仕舞うという指示がほかの一種ないし数種の銘柄や相場全体から来ることもある。
前述のように手掛けた銘柄(ユニオン)からのシグナルだけではなく、ほかの銘柄やマーケット全体から指示が来ることもあります。
本書では具体的な例を挙げて話を進めています。
狭い価格帯で大商いになる場面
- 狭い価格帯で大商いになる原因は次のうちのどちらかである。
- そのレベルで急に買い圧力が著しく高まったのに対して、インサイダーがそれを阻止しようとしたか、売り抜けの好機と見て利用しようとした。
- レディングの例では、大口取引者が売り抜けを狙うほかの銘柄から注意をそらそうとした可能性がある。
例えばロウソク足が短小線を示している場合、特に大幅な出来高を伴っているのに株価が伸びない場合は、ディストリビューション(売り抜け)が行われている可能性があります。
もしくは、他の銘柄から注意を逸らす目的で行われるとも、ワイコフは指摘しています。
レディングへの下げ圧力
- 上昇の頭を抑える売り圧力があまり強くなかったら、レディングは売り物を全部こなして新高値へと進んでいっただろうが、このときは売りが買いをしのいでおり、株価は下落した。
- トレーダーは買いの側における現在の先導銘柄が敗北を喫したことで、警戒心を高める必要があった。
- 個別銘柄にも相場全体にも当てはまることだが、上昇が止まれば下落に転じる
- 相場がじっと動かないということはめったにない。
- だからトレーダーはこの時点で下げに備えなくてはならなかった。
主力株の上げが失敗に終わった場合は、今度は下げに備えなければいけません。
レディングの例でも、狭い価格帯で出来高が大きく膨らんでるところを見るに売り手は小物ではありません。
買いの勢いがなくなったら売りもなくなることはなく、保有株の大量処分はむしろこれからです。
この時には空売りを仕掛けるチャンスすらあります。
本書のニューヨーク・セントラルの例を、ぜひ一読してみましょう。
タイミングをとらえる
- レディングの勢いに水が差され、ユニオン・パシフィックの支持は弱く、そのうえ、ニューヨーク・セントラルにも下落の前兆が現れた。
- こうしたたぐいのシグナルに対して、トレーダーはいつでも買い持ちの株を売って、空売りを行える構えをとる必要がある。
繰り返しになりますが、先導株の弱さは売りのシグナルです。
相場で予期せぬことはよく起こります。
なぜなら、マーケットは市場参加者全員で作り上げるものだからです。
この市場の仕組みの説明は、『ゾーン』の改訂版が分かりやすく説明しています。
少なくとも最初のポジションにこだわるのはやめましょう。
投資したときには「正しかった」だけで、誰かの気分が変われば相場は変わるのです。
逆に空売りを仕掛けることも頭に入れておきましょう。
大衆の買い
テープ解読者はいち早く状況を把握することができるため、空売りをすると決めてから、どの銘柄を選べばいいかまで時間の余裕がありました。
このときはレディングを選びます。
理由としては、ディストリビューションによって大量の株が売られている以上、弱気が広がればすぐに売り浴びせを食らうはずだったからです。
個人投資家は出来高が大きくなると、その銘柄に飛びつく傾向があります。
それはたいてい一時的な上げなのに、買ってしまうのです。
けっして出来高だけで釣られないように気をつけましょう。
もちろん、スイングが大きく利益を確保できるほど人気化したら話は別です。
天井での買い
- その結果、(大衆は)上昇時の天井で大量の株を抱え込むことになる。
- 最高値で株をつかんでしまったので、あとは下がる一方だった。
- そんなふうに株を買わされた人々は、相場が軟化する最初の兆しで怖くなり、買った株を全部投げてしまう。
話題になったタイミングでその株を買うのは遅すぎます。
報われるのは、たいていその前に準備して仕込んだ投資家です。
そんな賢明な投資家は、一般大衆に株を譲るため利益が乗ります。
しかし一般大衆には新たな買い手が見つかりません。
つまり需要が尽きると、株価は下がる一方になります。
まとめ
- テープには無条件に従わなくてはならない
- その株の出来高とスイングが十分大きければ、ポジションを逆転するのが適切な場合が多い
- トレードを手仕舞うという指示がほかの一種ないし数種の銘柄や相場全体から来ることもある。
- 大衆はたいてい、一時的な上げにつられて買うものである。
おわりに
だんだん真似るには難しくなってきました。
特に他の銘柄の動きに合わせるところが特に難しいです。
次回も含めて読んでいきますが、本書以外にも自分で研究する必要があります。
簡単なのが金利と金融株の関係といった具合です。
こうしたことは日々の研究がものを言うでしょう。