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証券分析第1章②〜本質的価値

その証券の本質的価値(理論株価)に基づいて、バリュー投資家は投資判断を行います。

今回は、この本質的価値について詳しく見ていきましょう。

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本質的価値と価格

  • 証券アナリストの役割とは当該証券の実際の具体的な価値を明らかにすることであり、こうしたことはさまざまな状況について当てはまる。
  • なかでも当該証券の本質的価値、とりわけその本質的価値と市場価格の差を発見すること証券アナリストの重要な役割である。
  • 一般に証券の本質的価値とは、恣意的な価格操作や市場の心理的な雰囲気などで形成された価格水準とは別に、その発行企業の資産、収益、配当、将来の業績見通しなどの事実によって裏付けられた本来的な価値であると考えられる。
  • その証券の本質的価値を市場価格のように明確に決定されるものと考えるのも大きな間違いである。

バリュー投資を行うにあたって、この本質的価値は投資判断の基準になります。

バリュー投資家は、市場価格と本質的価値とを比較して、市場価格が本質的価値より安いと判断した場合には買いと判断します。

また、市場価格が本質的価値より高い場合には、買いを見送ります。

この時、恣意的な価格操作や市場のムードに左右されている可能性があるわけで更に高騰する可能性があります。

けっして安易に空売りをしないように。


また気をつけたいのは、本質的価値はあくまで目安であって、明確に決定されるものではありません。

グレアムは本質的価値を更に3分の1上回るまでは、売らずに様子を見ることを勧めています。
gyatuby.hatenablog.com




本質的価値と「収益力」

  • その後こうした考え方は、証券の本質的価値とはその企業の収益力によって決まるという別の新しい考え方に取って代わった。
  • しかし、この「収益力(Earning Power)」という概念もその企業の将来的な期待収益を表している。
  • その企業の収益力を知るには過去の平均収益を集計するだけでは不十分であり、ましてや収益トレンドが上昇と下降を繰り返しているような場合には収益力の測定はさらに難しくなる。
  • 過去の平均的な収益または収益トレンドは将来の収益動向を知るための大きな手掛かりになるというもっともらしい見方もあるが、これまでの経験に照らせばそうしたことは真実ではない。
  • 明確な数字で表された「収益力」という概念と同じように、明確な実体として算出された本質的価値というものを証券分析の前提としてそのまま受け入れることはできない。

株価は過去の業績だけでなく、将来的な期待収益によって左右されます。

この期待収益力を算定するにあたって、過去の平均収益を集計するだけでは不十分と説明しています。

のちの著書『賢明なる投資家』では、過去の平均収益と収益トレンドを使って収益力(本質的価値)を算定していますが、あくまで目安です。
gyatuby.hatenablog.com


したがって明確な収益力の算定が困難であるように、明確な本質的価値を算定するのもまた困難であるということです。




事例

  • 1株当たり9.50ドルという平均利益は、互いに何の関連もない過去10年間の数字を単に平均化したものにすぎない。
  • この平均利益は過去の一定期間の典型的な業績を表したものではないし、また将来の予想収益を示すものでもない。
  • この平均値から求められた「実体的な価値」または「本質的価値」は偶然的または恣意的なものにすぎない。

過去の平均収益が、業績の一定周期を反映したものであれば利用価値があるかもしれませんが、こうもバラバラな数値では意味はないでしょう。

そしてこの平均値から求められた本質的価値も、証券の選択的役割として利用価値はありません。



本質的価値の意味

  • 以下ではさまざまなケースについて、証券アナリストの役割における本質的価値の意味を考えてみよう。
  • その場合に重要なことは、証券分析の目的は特定証券の本質的価値を正確に求めることではないという点をよく認識することである。
  • 証券分析にできることは、①その証券の時価はその価値が保証され、またはその証券を購入することが正当化される水準として妥当なものなのか、②その証券の本来的な価値は時価をかなり上回っている、または下回っている━━などについてヒントを示すことである。
  • こうした目的を果たすには、本質的価値の大ざっぱな数字を求めるだけで十分である。

本質的価値を正確に求めることは困難です。

ただ本質的価値を株価の目安として機能させることは可能で、本質的価値より株価がかなり下回っていれば、購入しても価値ある買い物ということができるでしょう。



本質的価値の柔軟な概念

  • 本質的価値という概念を証券分析に当てはめる場合には、柔軟に適用しなければならない。
  • われわれのいう本質的価値の概念は、個別の状況においては幾分その性質が変化する。
  • どの程度変わるのかはその前提となる「大まかな価値の範囲」によって決まり、状況が不確実であればあるほどその変化率は大きくなる。
  • たとえその株価が本質的価値の最大または最小の範囲を大きく超えたとしても、本質的価値のまさに柔軟な性質ゆえにある種の結論を引き出すことは可能なのである。

本質的価値は一定の目安であるとともに、目安となる価格帯が存在すると捉えていいでしょう。

これは個別の状況を考慮して、楽観シナリオと悲観シナリオに区分して計算できるものかもしれません。

この目安となる価格帯の最大幅を株価が上回るのであれば購入にはためらいが出ますし、逆に下回るようならば購入に弾みが出ます。



まとめ

  1. 当該証券の本質的価値、とりわけその本質的価値と市場価格の差を発見することは証券アナリストの重要な役割である。
  2. 一般に証券の本質的価値とは、恣意的な価格操作や市場の心理的な雰囲気などで形成された価格水準とは別に、その発行企業の資産、収益、配当、将来の業績見通しなどの事実によって裏付けられた本来的な価値であると考えられる。
  3. 本質的価値はあくまで目安であって、明確に決定されるものではない。

おわりに

著名投資家cis氏のポストが、私には興味深かったので共有します。
https://x.com/cissan_9984/status/1956247170878988711?s=46&t=lFBKo0tb2kBRyFxxsO6mxA

バリュー投資の場合には、安いところで買って高いところで売ります。

そうなると、上がったタイミングで買い増すピラミッディングができません。

資産を大幅に増やすにはピラミッディングは大切な技術ですが、心理的には難しいでしょう。

かといって安いところである銘柄を大量に買うのは、分散投資の原理に反しています。

このように、バリュー投資は満足すべきリターンは期待できるのですが、大勝ちしたい場合には工夫が必要になります。

負けない投資か勝つ投資か。

これは投資家自身の価値判断によるところが多いでしょう。

勝つ投資が知りたい方は、当ブログで扱っている『オニールの成長株投資』をオススメしますよ。

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