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賢明なる投資家第19章③〜配当と株価の関係

配当の多寡が株価に影響を与えることはよく知られています。

しかし実際には、「配当が高いほど株価が上がる」といった単純な関係ではありません。

株価は、その企業が何を重視されているかによって決まります。

今回は、配当金と株価の関係を整理してみましょう。

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配当と株価

  • 現金配当方針に対する市場の評価は、次の方向に向かっているように思われる。
  • 株価の伸びが最も重視されているわけではない株式は「インカム銘柄」として分類され、そこでは配当率が最も重要な株価決定要因になっている。
  • 一方、高度成長株は、将来の、例えば向こう10年間の期待成長率によって評価され、現金配当率はほとんど問題にされない。

株式は大きく2つのタイプに分けられます。

  • インカム銘柄(高配当株)
  • 成長株

インカム銘柄では、株価の評価軸はシンプルです。

配当利回りの高さが、そのまま株価の魅力になります。


一方で成長株はまったく異なります。

こちらは、

  • 将来の利益成長率
  • 10年先の収益拡大

といった期待成長が評価の中心であり、配当はほとんど重視されません。



ほとんどの企業は「中間」にある

  • このことは現在の傾向を述べているが、決してすべて、いや大多数の普通株に対して明確な指針を与えるものではない。
  • 第一、多くの企業が成長企業と非成長企業の中間に位置している。
  • それぞれの場合、成長性にどれほど比重をかければよいかを一概に述べることは難しいし、それについての市場の見方も年々急激に変化する。

とはいえ、現実の企業の多くはこの両極端のどちらかではありません。

  • ある程度は成長する
  • ある程度は配当も出す

このような「中間的な企業」が大半です。


そのため、

  • 配当を重視すべきか
  • 成長性を重視すべきか

は一律に判断できず、市場の評価も時期によって大きく変化します。



低成長企業に高配当を求める矛盾

  • 第二に、成長の低い企業により高い現金配当をも求めるのは、逆説的ではないだろうか?
  • つまりこれらは一般的にあまり儲かっていない企業であり、過去においては経営が順調であればあるほど、高配当や増配の期待というものは大きかったのである。

一般に、成長が鈍化した企業ほど高配当を期待されます。

理由は単純で、
再投資しても大きな成長が見込めないため、株主に還元すべきだからです。


しかしここには一つの矛盾があります。

  • 成長が低い企業=収益力も高くないことが多い
  • それにもかかわらず高配当を求められる

本来であれば、業績が良い企業こそ高配当を出せるはずです。

この点は、投資家として注意しておくべきポイントです。



理想的な配当性向とは何か

  • われわれは、株主は経営陣に対して収益のおよそ3分の2を配当として支払うか、もしくは再投資した利益が一株当たりの収益を十分上げたという明確な証拠を示すよう要求すべきだと考える。
  • 通常、成長企業と見なされる企業では、そのような証明が可能である。
  • しかし他の多くの場合、配当性向が低いということは、明らかに平均市場価格がその価値をはるかに下回っていることが原因であり、株主は質問や不満を言う権利があるのだ。

ベンジャミン・グレアムは、配当に関して明確な基準を提示しています。

収益の約3分の2を配当として支払うか、
もしくは再投資によって十分な利益成長を証明すべき

つまり重要なのは次の一点です。

  • 配当を出すか
  • 成長に使って成果を出すか

どちらかを明確にすること。


もし配当性向が低いにもかかわらず成長も伴わない場合、
それは株主価値を毀損している可能性が高いといえます。



なぜ企業は低配当になるのか

  • 企業がしばしば低配当方針を余儀なくされるのは、その企業の財務状態が悪く、収益と減価償却費のすべてもしくは大部分が、債務支払いと流動資産の増加のために必要だからである。
  • そのようなときには、株主は会社をそのような逼迫した財政状況に陥らせたことに対して経営陣を非難するのがせいぜいである。

企業が低配当を採る理由は、大きく2つあります。

① 財務的に余裕がないケース

  • 債務返済
  • 運転資金の確保

この場合はやむを得ない側面があります。



一か八かの事業拡大

  • しかしあまり業績の良くない企業が、事業拡大という明白な目的で配当を低く抑えることがある。
  • そのような方針は筋が通っておらず、株主はそれを受け入れる前に、完璧な説明を得て、納得する必要がある。
  • 過去の経験に照らしてみると、二流の業績しか出せなかった企業が、古い経営体制を引きずったままで株主のおカネを使って事業を拡大し、そこから株主が利益を得られるとは考え難い。

② 成長投資を理由にするケース

問題はここです。

業績が芳しくない企業が
「将来の成長のため」として配当を抑えることがあります。

しかし現実には、

  • 過去に成果を出せなかった企業が
  • 同じ体制のまま投資を拡大しても

成功する可能性は高くありません。

この場合、株主は説明を求めるべきです。




まとめ

  1. インカム銘柄は「配当利回り」が株価の中心要因
  2. 成長株は「将来の利益成長」が評価の軸
  3. 多くの企業はその中間に位置し、評価は変動する
  4. 理想は「高配当」か「高成長」のどちらかを明確にすること

おわりに

インデックス投資が注目される一方で、配当や個別株の議論はやや落ち着いてきました。

しかし、ウォーレン・バフェットやグレアムが示している通り、

  • 資本配分(配当か再投資か)
  • 経営の意思決定

は今も変わらず重要な論点です。


相場環境が悪い時ほど、
「自分は何に投資しているのか」を再確認する良い機会ともいえるでしょう。

次回
gyatuby.hatenablog.com

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