『賢明なる投資家』で説明されている内容に基づいて、会計士が銘柄分析を行います。
今回は【1605 INPEX】について分析します。
注意事項
- 情報の精査には細心の注意を払っていますが、ミスや情報が劣化する可能性があるため、あらかじめご了承ください。
- 1株当たり利益の算定では、潜在株式考慮後の金額を使用しています。
- 投資判断はあくまで自己責任でお願いいたします。
定量分析

『賢明なる投資家』第14章の7つの基準を用いて定量分析を行います。
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2.十分に健全な財務状況:〇
財務の安全性の目安である自己資本比率50%を越えているものの、流動比率200%を下回っています。(2024年12月末時点)
とはいえ、当座比率は目安の100%を超えており、資金繰りは今のところ特に問題はないと思われます。
なお、これらの基準は株主還元の余力も示しています。
現状、累進配当を導入するなど、株主還元に積極的な姿勢を見せていますが、その動向には注意する必要はあります。
3.収益の安定性:△
コロナ禍の2020年に最終赤字を記録しています。
特殊な事態による景気後退により、原油の需要が落ち込んだことが原因であり、集計対象にするか迷いましたが、当社は景気敏感株に入るために一応加えました。
また安定指数は、過去10年間において、それに先立つ三年間の平均値と比べて1株当たり利益の最大の減少を計算しています。
つまり、減少がゼロなら安定性100%ということです。
当社は、着実な成長を果たしています。
4.配当歴:△
20年連続ではありませんが、2006年会社設立以来、何らかの配当を出しています。
そのため、配当が無配になるリスクについて心配する必要はないでしょう。
5.収益の伸び:〇
2022年~2024年の平均と2012年~2014年の平均を比べると、成長率は215%で、年率約8%です。
目安となる成長率3分の1を上回っています。
6.妥当な株価収益率:〇
現在の株価は、目安となる過去3年間の平均収益の15倍を下回っています。
PER15倍となる目標株価は4,790円ですが、『賢明なる投資家』では過去7年の平均収益の25倍を超えないことを防衛的投資の条件としています。
なお、過去7年の平均収益の25倍となる目標株価は4,235円になります。
7.妥当な株価純資産倍率:〇
現在の株価は、目安となる純資産価値の1.5倍を下回っています。
なお、PBR1.5倍となる目標株価は6,039円です