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証券分析第3章〜情報源

証券分析をするためには、正確な情報を集めることがとても大切です。

そこで今回は、「どんな情報を使えばいいのか」「どこから情報を集めるのか」といった、証券分析に必要な情報源についてわかりやすくまとめていきます。

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問題の条件に合致する情報

  • 証券アナリストが求める情報は、①検討する特別な問題、②当該企業、③当該産業━━などに関するものであろう。
  • これらに関する情報は証券の便覧や統計サービスなどに要約されている。

情報にあふれる現代ですが、やみくもに情報を集めても意味がありません。

投資家が求める情報は、解決したい問題に沿ったものでなければなりません。



企業に関する情報

株主向け報告書

  • 企業に関する主な統計データの情報源は、株主向けに発表される報告書である。

企業に関する情報は、株主向けに発信される情報が主になります。

主に企業のホームページから簡単に入手することができます。(通常はIRライブラリとして開示されています。)

これらの報告書を開示の頻度別に解説していきます。



A、月間統計
国内ユニクロ売上情報
  • 多くのチェーンストアは月間売上高を発表している。
  • 一般に業績が上向きのときには月間データを公表するが、業績が落ち込むと発表を取り止める傾向がある。
  • このほか、四半期報告のなかに月間統計を盛り込む企業もある。

特に法律等で強制されている情報ではありませんが、投資家に参考になるものであるため、多くの企業が月間統計を開示しています。

月間統計をあらかじめ見ておくことによって、四半期決算の方向性もある程度見えてくるでしょう。



B、四半期報告
  • 四半期報告の発表はほぼすべての業界で採用されている一般的な慣行である。

四半期報告に関しては短期目線になりやすいとして批判もありますが、やはり参考になる情報です。

足元の業績を確認することはもちろん、年次予想の進捗率を把握して年度計画を達成できるかチェックすることができます。



C、半期報告
  • 半期報告を公表する慣行が定着している業界は少ない。

四半期報告書の開示が不要になったため、半期報告書が開示されるようになりました。

四半期報告と比べて、詳細な情報が入手することができます。



D、年次報告
  • すべての上場企業は何らかの形で年次報告を公表している。
  • 全般に年次報告の内容は中間報告の内容よりも詳細にわたっている。

有価証券報告書や統合報告書など、年次報告は他の報告書と比べて詳細なデータが記載されているため、証券分析に使うのに最適です。

また決算短信は、有価証券報告書より情報量は少ないですが、早めに開示されます。



損益計算書
ファーストリテイリング連結損益計算書
  • われわれの見解によれば、損益計算書には、①売上高、②(以下の項目を控除前の)純利益、③減価(減耗)償却費、④支払利息、⑤営業外収益、⑥支払所得税、⑦支払配当額、⑧剰余金修正額━━などの統計が盛り込まれていなければ、けっして完全なものとはいえない。

出版当時と比べて、会計基準等のルールが整備されており、すべての上場企業が標準化された形で開示しています。

米国基準や国際会計基準IFRS)で開示されている損益計算書は簡潔になっているので、詳細を知りたい場合には注記情報を読むと良いでしょう。



バランスシート
  • バランスシートの形式は損益計算書の形式に比べて標準化されており、損益計算書の場合ほど批判の対象となる項目は少ない。

バランスシート(貸借対照表)もすべての上場企業はもちろん、非上場会社でも官報等で開示されています。

財務状態を把握するのに役立ちます。



公的機関に提出される定期報告

  • 鉄道会社と公益事業会社は関係する連邦・州委員会に対して情報の提供を義務づけられている。
  • 一般にそれらの情報は株主に対するデータよりも詳細にわたるため、それらを利用することも有益である。
  • 業界誌や産業情報サービスからも特定企業の詳しい統計データが入手できる。

国や各業界団体などが公表する統計情報があります。

同業他社を横断的に網羅しているため、各企業の年次報告とは別の視点が得られるかもしれません。



上場申請書類

  • これらは不定期ながら最も重要な情報源のひとつである。
  • 証券上場のひとつの条件としてニューヨーク証券取引所が提出を義務づけている報告書は、一般に株主に提出されるものよりもかなり詳細にわたっている。
  • ただし、それらは不定期にしか入手できないという難点があり、定期的な情報源として利用できないのが残念である。

新規上場銘柄一覧(株式) | 日本取引所グループ
上場申請書類としては、後ほど説明する目論見書と呼ばれるものが挙げられます。

当然ですが基本的には上場時に提出するものなので、不定期の資料になります。



登録届出書と目論見書

  • 1933年証券法では、証券の新規上場に際してFTC(連邦取引委員会)に詳細な登録届出書の提出が義務づけている。
  • また、上場企業に関する重要な情報は証券引受会社が購入者に提供する目論見書からも入手することができる。
  • 証券アナリストや投資家にとって、登録届出書や目論見書などの書類は極めて貴重な情報源である。

有価証券届出書は新規上場に際し、金融庁に提出される書類です。

こちらは有価証券報告書と同等の情報を入手することができます。

また目論見書は投資家向けに作成される書類で、重要な情報がまとまっています。



各種の公式報告書

  • 各種の公式報告書からも各企業に関する貴重な情報を入手することができる。

具体例で示されている通り、非公開だった情報が入手できる場合があります。

アンテナを広く持っていれば、入手できるかもしれません。



統計・財務刊行物

  • 証券アナリストが日常業務で必要とする情報の多くは、多様で便利なデータが盛り込まれている各種の統計サービスから入手している。
  • それらは定期刊行物に盛り込まれる包括的な情報(プアーズ・マニュアル、ムーディーズ・マニュアル)、頻繁に更新される詳細な株式・債券情報(スタンダード・スタティスティクス、フィッチ、プアーズ・マニュアル)、毎日提供される各企業のニュース・ダイジェスト(スタンダード・コーポレーション・レコーズ、フィッチ)━━などがある。
  • しかし、オリジナルな情報源から得られたものではないという点では全面的に信頼できない部分もある。
  • 証券アナリストは各企業について詳細に分析する場合には、これらの要約データやコピー情報に全面的に頼らず、できるかぎりオリジナルな企業報告書やその他の資料を参考にすべきである。

四季報』はもちろん、各種メディアから提供される株式・債券情報、ニュースなども役に立つでしょう。

情報の正確性や包括さという点で十分信頼できるのですが、オリジナルと比べて間違いが全くないとはいえません。

そのため、情報ソースはできるかぎりオリジナルに目を通した方が良いでしょう。



企業から直接入手する情報

  • これらの公表された情報を、自分で直接調べたデータや経営陣との会見で得た情報で補足すればそれはかなり価値あるものになるだろう。
  • 株主が当該企業に特別の問題に関する情報の提供を求めてはいけないという理由はないし、また要請すれば何らかの情報は得られるものである。

決算説明書類はもちろん、決算説明で経営陣が話した内容もそれなりの価値があるでしょう。

また気になる点があれば、IR担当に直接聞くこともできます。

これは株主にとって正当な権利です。

とはいえ、公平性の観点から非公開の情報を直接入手することは難しいでしょう。



産業情報

  • 産業全体に関する統計データも豊富に入手することができる。
  • さまざまな業界誌も定期的に多くの重要な要約統計を公表している。
  • それらの刊行物から各産業の現在と将来の業績に関する継続的なデータを入手できる。
  • これらのサービスを利用すれば、証券アナリストはそれほど苦労せずに分析の対象となる産業の歴史やさまざまな問題点について、ほぼ完全な背景情報などを入手することができるだろう。

産業情報は広くも深くも入手することができますが、その入り口としては『業界地図』が便利です。

各企業の業界内の地位といった産業情報が簡潔にまとまっているほか、より詳しい情報が知りたい時の参考文献も示されており便利です。



まとめ

  1. 企業に関する情報は、株主向けに発信される情報が主になる。
  2. 四季報』はもちろん、各種メディアから提供される株式・債券情報、ニュースなども役に立つ。
  3. 産業情報は広くも深くも入手することができますが、その入り口としては『業界地図』が便利。

おわりに

X(旧Twitter)では、無料でオススメ銘柄を発信している人もいます。

ただし、SNSは情報が早くて便利な一方で、誤情報も多く含まれます。

会計士の習性なのか、私は誤字や計算ミスを見つけると、その情報自体を疑ってしまうことがよくあります。

だからこそ、ニュースサイトや公式発表など、信頼できる情報源と照らし合わせて確認することが大切です。

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