資金リスクを負っている株主のために、経営陣は会社をうまく運営することが求められます。
では、株主にも会社のためにできることはあるのでしょうか。
株主と経営陣
- 株主は明らかに成果を出している経営には寛大な態度を取り、逆に然るべき成果が出せなかった場合には満足のいく説明を求め、向上に向けて非生産的な経営要因を排除する動きを助けるべきだというものである。
- 次のような状況では、当然株主は経営陣の能力について問題提起すべきである。
- 満足できる成果が出せなかったとき
- 状況の似ている他社と比べて成果が悪かったとき
- 長期にわたって満足のいく株価水準にならないとき
経営陣は株主の代わりに、会社をうまく運営することが求められています。
個人の努力は時間の無駄
- しかし過去36年間、実際には多くの株主の賢明なる行動は実を結んでいない。
- 分別ある十字軍戦士は時間を無駄にするくらいなら、戦いをあきらめる方がよいと考えるだろう。
しかしグレアムの研究では、多くの株主による賢明なる行動は実を結んでいません。
個人の努力は時間の無駄だったといえるでしょう。
しかし企業買収で救われることも
- たまたまわれわれが目的を果たすことができたのは、企業買収または株式公開買い付けとして知られる特別な方法によって救われたからである。
- われわれは第8章で、脆弱な経営は低い市場価格しか生み出さないと述べた。
- しかし低い市場価格は、多角経営化に興味を持つ企業を魅惑する。
- 入札価格は経営陣が有能な場合は、大抵その企業の価値の範囲内である。
- だからこそ多くの場合、愚鈍な一般株主は「部外者」の行動によって救済される。
- 脆弱な経営は「一般株主」の行動ではなく、個人や小集団による管理の投入によってのみ変わる。
- 近ごろ頻繁に起きていることだが、公的に管理されている典型的な企業では、業績やその結果としての株価が著しく下がったら、取締役を含めた経営陣は大きな企業買収の標的になり得ることを通告される。
- その結果、取締役会は以前よりも自分たちの会社の経営幹部がしっかり仕事をしているかどうかを見るという基本的責務をきちんと果たすようになったのだろう。
では経営陣は役目を果たさずのんびりしているかというと、そうとは限りません。
業績が低迷したりして株価が下がった場合には、企業買収や株式公開買付の対象になりかねません。
そのため、自分の職を守るためにも、以前よりは経営陣は自身の会社のために働くインセンティブが沸いているといえるでしょう。
まとめ
- 個人株主による努力は、時間の無駄になりがち。
- 業績が低迷したりして株価が下がった場合には、企業買収や株式公開買付の対象になりかねない。
- そのため、以前よりは経営陣は自身の会社のために働くインセンティブが沸いているといえる。
おわりに
久しぶりの暴落といっていいでしょう。
トランプ大統領による相互関税の影響で、日本市場は大きなダメージを受けました。
底はまだ見通せない状況で、買い進んでいく勇気は私はなかなか持てずにいます。
もう一段と下げたら、防衛的投資先を増やしましょうか悩みます😩