最近はアメリカ国債の利率が高止まりしておりとても魅力的です。
またIPOも盛んで、毎週ごとに売買が盛んに行われています。
今回は外国政府債とIPOについて見ていきましょう。
外国政府債
外国政府債について、戦前の投資成績はあまり良くなかったようです。
そして価格の乱高下も激しく、投資対象としてはリスクが小さくありませんでした。
新規発行債一般について
- 投資家は新規発行債に対して用心深くなければならない。
- 要するに、購入前には念入りな調査と厳しい吟味が必要なのだ。
- これには理由が二つある。
- ひとつは、新規発行債の背後には特別な販売テクニックがあるので、それにふさわしい対応をしなくてはならないこと、
- もうひとつは、ほとんどの新規発行債が「市場状況が良好」なときに販売されている、つまり売り手にとって有利であるが、買い手にとってはそれほど好ましくないということである。
- このようなことを考慮に入れることの効果は、一流債券から二流債券、そして普通株へと下がるにつれて大きくなる。
- しかし一流債券の場合、買い手にとってこの悪影響は、深刻というよりはむしろ不愉快という程度のものだった。
新規発行債には、その品質や魅力が様々なので、これを一括りに述べるのは簡単ではありません。
グレアムが唯一できる忠告としては、購入前には念入りな調査と厳しい吟味を行えということです。
これには理由が二つあります。
一つは、証券会社等の担当者は新規債券を売り捌こうとあの手この手で売ろうとするインセンティブがあります。
投資家はこうした背景を考慮して、本当に買い時がどうか立ち止まる必要があります。
また、ほとんどの新規発行債は、発行者側が資金調達したいタイミング、つまり売り手に有利な立場で発行されます。
そのため、買い手にとってはその時が買い時でない可能性があります。
とはいえ、一流債に関してはそれほど悪影響はないようです。
新規普通株の発行
株式による資金調達には二つの形があります。
一つには、すでに上場されている企業の場合で、追加発行の新株式は既存株主の持ち株数に応じて割り当てられます。
発行価格は時価よりも低く設定され、この「新株引受権」が当初から金銭的価値を持ちます。
もう一つは、オーナー企業の株式を上場する場合で、多くは大株主の有利な価格で持ち株を売却されます。
いわゆるIPOですが、これは市況が良いときに行われ、売り手に有利な形で売り出されるため、買い手にとっては大きな損失と失望をもたらす可能性が十分にあります。
新規普通株のリスク
- 上昇相場のなかごろから新規公開が始まり、その価格はそこそこ魅力的なものであり、初期の公開株式を買った人は大きな利益を手にすることができる。
- 相場上昇が続くと、この種の株式が相次いで公開され、それにつれて上場する企業の質が次第に下がってくる反面、公開時の売り出し価格は法外なほど高くなる。
- 上場相場の終焉を示す確かな兆候の一つとして、得体の知れない小企業の株式が、株式市場において長い歴史を持つ中堅企業の株価よりも高値で売り出されることが挙げられる。
- 大衆の思慮の浅薄さと、儲かるものならなんでも売りつけてやろうという証券会社のやり方の結果、必然的に価格が崩落する。
- 多くの場合、このような新規公開銘柄は公開価格から75%かそれ以上、下落する。
- 上昇相場の期間にあって新規公開銘柄を売りつけるセールスマンの口車に乗らない能力が、賢明なる投資家の第一条件である。
これは新規発行債と同様ですが、証券会社の口車に乗らず一度立ち止まって、冷静に良い買い物かどうか見極める必要があります。
それは大抵、買い手にとって不利なものが多いです。
上昇相場が終わりを迎えると、得体のしれない小型株でさえもIPOできてしまいます。
これはひとえに大衆の狂気と、儲かれば何でもいい証券会社のやり方に起因しているでしょう。
多くの場合、このようなIPO銘柄は10年またはそれ以上遡ると、公開価格から75%かそれ以上下落します。
そのためIPO銘柄を触る場合には、十分すぎるほど注意を払う必要があるでしょう。
まとめ
- 外国政府債は、相手が外国政府のため、有事の際は債券の保証が担保されないリスクがある。
- 新規公開株は基本的には売り手に有利な価格で発行されるため、十分に注意しなければならない
- 新規公開株の買い時は2〜3年たって誰からも見向きされなくなったとき、その真価の何分の一かの値段で入手できる場合に限る