前回の記事では、チャートを使う上での注意点を取り扱いました。
今回はその弱点を補うために、テープを使いましょうという話です。
なぜテープを使うのか見ていきましょう。
テストの実施
- 私はフィギュアチャートを使ったトレードで、長期間にわたってお金を稼いだ人物にまだ出会ったことがない。
- 試金石となるのは一年間やってみて、どれだけのお金を手にすることができたかということだ。
- テープ解読者にとって、フィギュアチャートの価値は主に、基本的な変動について教えてくれ、アキュミュレーションやディストリビューションが終わり、マークアップやマークダウンが始まる前に、注意を向けさせてくれるところにある。
- チャートはこの先向かう方向を教えてくれる。
- テープは「いつ」ということを知らせてくれるのだ。
チャートは売りと買いのどの方向に天秤が傾くかを教えてくれます。
でもこれでは「いつ」注文を出せばいいか分かりません。
テープはその瞬間の動きを知らせます。
テープが青信号を灯せば、スタートすればよいのです。
結論としては、チャートとテープもどちらも使えということです。
チャートは決して万能ツールというわけではありません。
バーチャートと相互的影響
- 非常によく使われている普通のバーチャートは、主として株価変動のコンパクトな記録に役立つ。
- もし市場に、チャートに描かれた銘柄ひとつしかなかったとしたら、その株価はあまり不規則なものとならず、チャートはトレンドや目標を知るための、もっと信頼できる指標となるであろう。
- しかし、どんな株価変動も、多少なりともほかの銘柄全部の動きに影響されるという事実は動かしようがなく、この点絶えず気をつける必要がある。
- バーチャートの示す株価変動が不安定な主要な原因はこの点にある。
マーケット全体が、そして個々の銘柄は密接に関連しあっています。
ここでは、普段私たちが目にするロウソク足チャートを思い浮かべればよいでしょう。
どうもアメリカでは、バーチャートが主流だったみたいですね。
チャートを使う上で注意したいのが、株価は他の銘柄の動きにも影響を受けるということです。
どうしてもその銘柄のチャートのみに注視しがちなので、気をつけましょう。
チャートプレイヤーの後悔
- ひとつの銘柄が相場全体を持ち上げるレバーの役目をはやすこともあるし、ほかの銘柄全体の頭をたたくこん棒として働くこともある。
- ある主要銘柄のチャートが強力な買いシグナルを出したというので、考えなしのチャート信者が買いに走って、結局後悔することも起きる。
- ディストリビューションがひそかに行われていて、それが終わった時点で、買った銘柄がひどく急落してしまっている可能性もあるからである。
- 相場を全体として見通せる目をもった者こそがトレンドを一番正確に読めるのである。
これはあるあるすぎて、思わずうなずいてしまいます。
チャートだけ見るゆえの弊害といえるかもしれません。
トレンドに乗ろうとする点では、テープ解読者もチャートプレイヤーも共通しています。
違いは視野の広さです。
ほかの銘柄や相場全体にも目を向け、瞬時に情報が入ってくるテープ解読者は、適時適切に行動をとる点で優れています。
ただし昨今では時価総額が膨らんでいることから、大口によるこれらの株価操作は難しいかもしれませんね。
またチャートも複数見ることで、こうした問題を解決できるかもしれません。
いずれにせよ伝えたいことは、テープとチャート両方読むことができれば、トレンドの読み間違いはなくなることはありませんが、その失敗を限りなくつぶすことができるのです。
総合チャート
- テープ解読の補助や指針として機械的なトレンド指標が必要だと思うならば、主力10銘柄の日々の高値や安値の平均を使った合成チャートが敏感でよい。
- まずはその日の高値の平均値と安値の平均値を計算して、二つのうちどちらが先に付けたかを示すチャートを作成するのである。
- ダウは日々の実際の変動を正確に表さないことがよくあるのだ。
Excelを使えば簡単にグラフを描けますが、現代では株価指数を使うのが一般的かもしれません。
昔は最終の買い気配値しか使われなかったダウ平均(=株価指数)も、今や個別銘柄の株価とおなじようにチャートを描いています。
手間をかける価値があるかどうか、これは実際に試してみるしかないでしょう。
テープこそがトレンドを教えてくれる。
- そういう合成チャートはスキャルピングを行い、当日のうちにポジションを全部手仕舞うテープ解読者にはなんの役にも立たない。
- しかし、しっかりした5~10ポイントの変動をとらえるためにテープ解読を行う者には有用であろう。
- 自分の望む指標がトレンドに現れるのを待つことになるわけである。
ビギナーにとっては機械的にわかりやすい指標があるほうが便利なため、このような(合成)チャートを使うと良いでしょう。
トレンドを把握するのにこれほど便利で分かりやすいものはありません。
しかし、短期トレードを行う上ではあまり役に立ちません。
デイトレードやスキャルピングでは、テープを読み取ることこそがすべてです。
いくつもの銘柄のテープを監視して、自分が勝負したいトレンドがやってくるまで待つことが大切になります。
まとめ
- ひとつの銘柄のチャートだけ見てはいけない
- ほかの銘柄や相場全体にも目を向け、瞬時に情報が入ってくるテープ解読者は、適時適切に行動をとる点で優れている
- テープとチャート両方読むことができれば、トレンドの読み間違いはなくなることはないが、その失敗は限りなくつぶすことができる
- デイトレードでは、板読みが全てである
おわりに
テープを読む板読みは難易度が高いです。
そこで妥協するとすれば、板読みの代わりに相場全体の指標チャートをトレンド把握に使うのも一手です。
少なくとも先走ってしまったり、出遅れたりするリスクをある程度軽減できるでしょう。
また、板読みの代わりに分足チャートを使うのもありでしょう。
昔にはなかった機械取引、そして市場参加者の増加によって、取引量が大きくなった今では有効かもしれません。
それだけ板読みは、センスと経験が物を言う分野だと思っています。