はぐれ猿でも、投資がいいんだ。

ふりむけばやさしさに飢えた弱肉強食の世界で

賢明なる投資家第8章②〜フォーミュラ・プランのジレンマ

フォーミュラ・プラン(勝ちの方程式)がもてはやされるのはいつの時代も同じです。

しかし流行れば流行るほど、そのジレンマに悩まされるのです。

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安く買って高く売る

  • 一般の投資家が株価動向を予測して儲けることは不可能であると、われわれは確信している。
  • それでは、大きな下落の後で買い、大きな上昇の後で売るというようなやり方ならば利益を上げられるであろうか?
  • 過去20年の相場動向は、それ以前のようなパターンをたどることはなく、かつては確実なものとされた危険シグナルは役に立たなくなり、また投資家は、安く買って高く売るという古いルールに従うことで儲けることができなくなったのである。

前回の記事では、タイミング手法で儲けることは難しいと説明しました。
gyatuby.hatenablog.com


それでは、大きな下落があったら買い、大きな上昇があったら売ると言うやり方ならば利益を上げられるでしょうか。


過去の経験から言うと難しいと言わざるを得ません。

1950年からの20年続く強気相場では、買うタイミングがなく、その後の1973年の石油危機
で市場が下落するまでチャンスがありませんでした。



強気相場の共通的特徴

  1. 歴史的に高い株価水準
  2. 高いPER(株価収益率)
  3. 債券利回りとの比較における低い配当利回り
  4. 信用取引による投機の増加
  5. 低品質普通株の新規公開件数の増加

参考までに。

しかし、これらの特徴があったとしても、強気相場と判断するのは不可能だった局面は必ずあります。

例えば1920年代終わりの大強気相場では、すべてのやり方が通用しませんでした。



フォーミュラ・プラン

  • 1949年から50年にかけて始まった上昇相場の初期のころは、株式相場のサイクルを利用して利益を上げるさまざまな方式が大きな注目を浴びた。
  • これらが「フォーミュラ投資プラン」と呼ばれるものであり、ドル平均法の単純な手法を除くそれらのプランの中心的手法とは、相場が大きく上げたら投資家は株式のいくらかを自動的に売るというものである。
  • 株価水準の非常に大きな上昇は、多くのプランにおいて全保有株の売却という結果につながるものである。
  • また、どのような状況下でもごく一部は保有し続けるというプランである。

1949〜50年にかけて始まった強気相場の初期の頃に、過去の相場サイクルを研究して出来上がった投資プランが大きな注目を浴びました。

これらのほとんどは、相場が大きく上げたら株式をいくらか売るというもので、多くは全株式を売却という結果になりました。



過去から未来は見えない

  • こうした手法は、人々の目に論理的(かつ保守的)なものとして映り、また過去のデータシミュレーションしてみると何年にもわたり素晴らしい結果を示すという、二重の魅力を備えていた。
  • だが不幸にも、まさにこのやり方が最も機能しない運命となったときに、その人気が頂点に達したのであった。
  • 株式市場においてカネを儲けるための手法として、原理が簡単で多くの人が追随し得るものは、それがどんなものであろうと、単純かつ安易すぎるために長続きすることはないということだ。

こうしたフォーミュラプランは過去に適合するようにプランを作っているため、当たり前ですが過去のデータに基づいてシミュレーションしたら良い結果が出ます。

しかし肝心なときに機能しなくなるのは、そのやり方が人気絶頂なときです。

これは1950年代初めにフォーミュラ投資を行っていた人々と、その20年前に純粋に機械的な形でダウ理論を実践していた人たちは、似たような経験をしています。


つまり、人々が真似をすることでそれ自体が相場に影響を与えてしまいます。

そのため繰り返しになりますが、儲けるためには他人に真似できない公式を作り上げるか、もしくは防衛的投資家&積極的投資家として、バリュー投資を行うしかないのです。




まとめ

  1. 大きな下落の後で買い、大きな上昇の後で売るというようなやり方では、長年続く強気相場では真価を発揮できない。
  2. 株式市場においてカネを儲けるための手法として、原理が簡単で多くの人が追随し得るものは、それがどんなものであろうと、単純かつ安易すぎるために長続きすることはない。

おわりに

勝利の方程式というものがあれば、試してみたいというのが人の性でしょう。

ただし発信する人がどんな人かは気にするべきです。

ましてやなんの実績もない(もしくは本当かわからない)SNSの人物ならなおさらです。

最近はマッチングアプリを利用して若者向けに投資講座のマルチ商法が流行ってるみたいなので注意しましょう。

資産を守ることも資産運用においては大事なことです。
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