フォーミュラ・プラン(勝ちの方程式)がもてはやされるのはいつの時代も同じです。
しかし流行れば流行るほど、そのジレンマに悩まされるのです。
安く買って高く売る
- 一般の投資家が株価動向を予測して儲けることは不可能であると、われわれは確信している。
- それでは、大きな下落の後で買い、大きな上昇の後で売るというようなやり方ならば利益を上げられるであろうか?
- 過去20年の相場動向は、それ以前のようなパターンをたどることはなく、かつては確実なものとされた危険シグナルは役に立たなくなり、また投資家は、安く買って高く売るという古いルールに従うことで儲けることができなくなったのである。
前回の記事では、タイミング手法で儲けることは難しいと説明しました。
gyatuby.hatenablog.com
それでは、大きな下落があったら買い、大きな上昇があったら売ると言うやり方ならば利益を上げられるでしょうか。
過去の経験から言うと難しいと言わざるを得ません。
1950年からの20年続く強気相場では、買うタイミングがなく、その後の1973年の石油危機
で市場が下落するまでチャンスがありませんでした。
フォーミュラ・プラン
1949〜50年にかけて始まった強気相場の初期の頃に、過去の相場サイクルを研究して出来上がった投資プランが大きな注目を浴びました。
これらのほとんどは、相場が大きく上げたら株式をいくらか売るというもので、多くは全株式を売却という結果になりました。
過去から未来は見えない
- こうした手法は、人々の目に論理的(かつ保守的)なものとして映り、また過去のデータシミュレーションしてみると何年にもわたり素晴らしい結果を示すという、二重の魅力を備えていた。
- だが不幸にも、まさにこのやり方が最も機能しない運命となったときに、その人気が頂点に達したのであった。
- 株式市場においてカネを儲けるための手法として、原理が簡単で多くの人が追随し得るものは、それがどんなものであろうと、単純かつ安易すぎるために長続きすることはないということだ。
こうしたフォーミュラプランは過去に適合するようにプランを作っているため、当たり前ですが過去のデータに基づいてシミュレーションしたら良い結果が出ます。
しかし肝心なときに機能しなくなるのは、そのやり方が人気絶頂なときです。
これは1950年代初めにフォーミュラ投資を行っていた人々と、その20年前に純粋に機械的な形でダウ理論を実践していた人たちは、似たような経験をしています。
つまり、人々が真似をすることでそれ自体が相場に影響を与えてしまいます。
そのため繰り返しになりますが、儲けるためには他人に真似できない公式を作り上げるか、もしくは防衛的投資家&積極的投資家として、バリュー投資を行うしかないのです。
まとめ
- 大きな下落の後で買い、大きな上昇の後で売るというようなやり方では、長年続く強気相場では真価を発揮できない。
- 株式市場においてカネを儲けるための手法として、原理が簡単で多くの人が追随し得るものは、それがどんなものであろうと、単純かつ安易すぎるために長続きすることはない。