はぐれ猿でも、投資がいいんだ。

ふりむけばやさしさに飢えた弱肉強食の世界で

オニールの成長株発掘法第11章⑥〜そのほかの重要な売りの指標

裏打ちされた売りのサインには、どのようなものがあるかを知ることが大事です

本書の中でも特に重要であり、入り口を教える投資本が多い中で、出口を示す本書は貴重です。

最後は、そのほかの重要な売りの指標を学びましょう。

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売りのテクニカル指標(再掲)

  • ファンダメンタルズ指標は売るときにはあまり当てにならない。
  • 異常な市場の動向(株価や出来高の動き)に基づいて売る必要がある。
  • 天井を正しく見極めるには、いくつかの目安がある。クライマックストップ前後の動き、出来高の減少、そのほかの弱さを示す動きなどである。
  • このような情報を研究し続けて、日々の判断材料として使い続けていれば、その多くがよりはっきりと見えるようになるだろう。

前回の記事は下記リンク先をご覧ください。
gyatuby.hatenablog.comgyatuby.hatenablog.com
gyatuby.hatenablog.com

以下、内容が非常に濃く重いです。

そこで私見ですが重要度や使用頻度から独自に3段階でつけました。


まずは重要度の高いものから吸収してください。

何度も読んで少しずつ身につけましょう。



そのほかの重要な売りの指標(★・・)

以前に紹介できなかった指標の中から、オニールは重要なものを紹介しています。

チャートから読み取るものではありませんが、自分の中で把握しておくべきものを説明してくれています。

リスクリワードは1:3(★★★)

  • 損切りを7~8%でするならば、利食いは20~30%上昇したところでする。
  • このような利益を3回出せれば、全体で100%以上の利益も可能だ。
  • ただし、25%や30%では利益確定してはならない場合もある。
  • それは、機関投資家保有し、マーケットを牽引する主導銘柄が適切なベースを抜けたピポットポイントからわずか1~3週間で20%上昇した場合である。
  • こういった銘柄は大化け銘柄となってさらに大きな利益をもたらす可能性があるので、保有し続ける。

今回説明する指標の中で、最も重要とも言えますし、わかりやすい目安と言えます。

このリスクリワード1対3を利用して、マーケットに応じてリスクを限定していくことも大事になります。

たとえば利食い15%とするならば、損切りは5%未満にすると良いでしょう。


また、実際に利食いしなくとも逆指値(ストップロス)注文やトレール注文(株価の上昇に合わせて逆指値注文の位置をどんどん上げていく*1)を入れるのも有効です。

そうすることで反落したら利食いはするけど、上昇するまではその勢いに任せて利益を伸ばすことが可能になります。

ただし、オニールは逆指値やトレール注文には反対しています。



弱気相場での信用取引はしない(★・・)

  • 弱気相場では信用取引から手を引いて現金を増やし、あまり多くの株式を買わないことだ。
  • どうしても買うというのならば、利食いは15%上昇したとき、損切りは3%下落したときに変更する。

弱気相場では、当たり前ですが株を買っても売り圧力を受けます。

これは向かい風の中で走るのと同じようなことです。


勝算がなければむやみに手出しすることはありません。

どうしてもマーケットに参入するならば、少し厳しい損切りルールを採用して、リスクを抑えることが重要になります。



事実で売れ(★・・)

  • 大口投資家が株を売るには、大量の株式を吸収してくれるだけの買い手が必要になる。
  • そこで、株価が上昇して、そのあとに良い報道や大きな宣伝(『ビジネスウィーク』誌のトップ記事など)が発表されたときに売りを考える。

大口投資家が株を売りさばくには、大量の株式を吸収してくれるだけの買い手が必要になります。

いわゆる「嵌め込み」と呼ばれる手法です。


また、インサイダー情報はもちろん、誰かの耳寄り情報も当てにならないことが多いです。

たとえ最初に含み益が出ても、いついかに売るかまで考えていないと文字通り嵌められてしまいます。


そのため、私たち個人投資家機関投資家の背中に乗って、事実で売りましょう。

大きな流れに身を任せることは、株式投資ではとても大事になります。



総強気や幸福感に浸っているときに売る(★★・)

  • ある銘柄に対する期待感が高まり、その銘柄が継続してまた上昇することが明らかに見えたら売る。
  • 自分が死ぬほど怖いと感じて、他人も期待を寄せていない時に買うのだ。
  • そして死ぬほどうれしくて大喜びしているときに売るのである。

よく言われていることですが、実際に行動するのは簡単ではありません。

大衆とは反対に動くべしという有名な格言としては、テンプルトンの言葉があります。

  1. 市場が総悲観となった局面が、強気相場の出発点になりやすい
  2. 先行きに警戒感や疑い(懐疑)が残るうちは徐々に上昇(回復)を続ける
  3. 警戒感が薄れ楽観的になったころは、相場の天井圏が近い
  4. 市場が総強気や幸福感に浸っているときに、上昇相場が終わることが多い(Bull markets are born on pessimism, grow on skepticism, mature on optimism and die on euphoria.)BY.ジョン・テンプルト

また、ジャック・ドレフュスも以下のように述べています。

  • ある銘柄が過剰なほど楽観視されるようになったら売れ。
  • 世間が楽観的な考えで浮かれていたり、他人にも買うようにいそいそと勧めているようなときには、その銘柄はすでに十分買われている。
  • その時点では、もうその銘柄について語ることしかできない。
  • それ以上株価を押し上げることはできない。株価の上昇には、購買力が必要だからである。

先ほどのツイートの例にもある通り、実際にはいつ総強気なのか、具体的な目安がわからないので、トレードの判断を行うことは簡単ではありません。

オニールは、マーケットの動きに注目することを勧めますが、ドレフュスの言葉通り株式投資が雑談で積極的に話されるようになったら、警戒する必要があるかもしれません。


人間誰しも自分が怪しいと思われたくないから、その銘柄で簡単に儲かったり、その銘柄が世間のムードとして市民権を得るまでは(リアルで)話さないだろうと思っています。

これは周りの人次第なのですが、少なくとも身近な人を説得する根拠として相手に損失を与える(結果的に騙す)リスクをどの程度意識しているかという点は、とても大事な目線ではないでしょうか。

少なくともマーケットが崩壊している時に、自分はまだしも他人にまでリスクを背負わせようとは思わないでしょう。



四半期EPS増加率が2四半期連続で著しく減る(★★★)

  • 四半期収益の増加率が2四半期連続で著しく鈍ったら(あるいは前回の増加率の3分の2に減ったら)、ほとんどの場合で売りのサインとなる

ファンダメンタルズ指標を売却価格の目安にするのは基本的にはおすすめしません。

しかし、大化け銘柄の前提でもある増益率が悪化したら売ることを検討しましょう。


成長株は兎にも角にも、収益の伸びが命です。

保有株の決算は常に確認することも、売る判断をするうえでは重要になります。



悪いうわさで売るのはいったん立ち止まる(★・・)

  • 悪い報道やうわさが流れたからといって売るのは注意が必要だ。
  • 一時的な影響しか株価に与えないこともある。
  • 株式市場では、力の弱い個人投資家に恐怖心を与えて持ち株を売却させようとして流されるうわさもある。

「事故は買い、事件は売り」という言葉もあります。

悪い報道やうわさが、今後の企業環境(特に収益)に影響を及ぼすかどうかは見極める必要があります。


もっと悪質なのが、握力が弱い個人投資家に恐怖を与えて持ち株を売却させようとして流されるうわさもあります。(いわゆるふるい落とし)

そのようなときは一呼吸おいて、そのうわさの真偽を確かめたり、影響がどのようなものになるかを考えましょう。


そして何より、チャートにどう反映されるか注目しましょう。

チャートはすべてを映す鏡です。

どんな媒体よりも早くニュースを伝えます。



自分で作る投資ルール(★★★)

  • 過去に犯した売りの過ちを全て検証し、その失敗した経験から学ぶのだ。
  • チャートに買ったポイントと売ったポイントを書き出して、分析を自分ですること。
  • 自分の過ちを詳細に研究し、過剰な損失や大きな機会損失などを防ぐために、新たな追加ルールを書き出す。
  • これが敏腕投資家への道である。

投資記録をしっかりつけましょう。


チャートに買った理由と売った理由も併せて書いて、反省点を考えることが大事です。

投資記録のアプリを使うと、より簡単に振り返りができます。

マイトレード
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開発元:株式会社NTTドコモ
無料
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自分の過ちを詳細に研究し、過剰な損失や大きな機会損失などを防ぐために、新たな追加ルールを設けます。

この地味な積み重ねが、ほかの投資家より一歩先へ行くことにつながるでしょう。
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私はエクセルとチャートツール、そして電子ノートを併用しています。



免責事項

  • 当ブログで紹介している方法や技術、指標が利益を生む、あるいは損失につながることはないと仮定してはいけません。
  • 過去の結果は必ずしも将来の結果を示すものではありません。
  • 紹介する実例は、教育的な目的でのみ用いられるものであり、当ブログに書かれた手法・戦略による売買を勧めるものではありません。