株式投資で成功するためには、まずは市場全体のムードを把握する必要があります。
今回は、新しい相場がどうやって始まるのか学んでいきます。
強気相場と弱気相場
- 強気相場も弱気相場も、そう簡単には終わらない。
- 通常は、2~3回ほど予測しづらい動きをしながら株価を上下し、わずかに市場に残っていた投機家をダマシたり、振るい落としていくのだ。
- そのような激しい動きに耐えきれない投資家が全員降参のタオルを投げ入れると、市場の一方的な下落や上昇を後押しする投資家がすべて市場から退場したことになる。
- そこでマーケットはようやく方向転換し、まったく新しいトレンドを形成し始めるのだ。
- これは群集心理による影響が大きい
強気相場でも弱気相場でも、調整としてメイントレンドとは逆の動きをします。
この強気相場か否かの見極めが、とても重要になります。
基本的には市場平均を用いて判断することになりますが、常識によっても判断できることもあります。
この第9章では、そんなエッセンスも詰まっています。
相場サイクルでアセットアロケーションを変える
相場サイクルに応じて、資産配分(アセットアロケーション)を変えていくのもいいでしょう。
gyatuby.hatenablog.com
参考までに、バフェットの師匠が勧めたアセットアロケーションを紹介します。
弱気相場→株式:債券(預金)=25%:75%
こちらは、ベンジャミン・グレアムの教えです。
強気弱気相場の間を自分で調整して、資産全体を管理していきましょう。
例えば中立相場だと思ったら、株式と債券を50%ずつで資産配分するといった具合です。
相場を休んでいると、新たなトレンド転換に気づけず乗り遅れるリスクがあります。
また、常に投資し続けるメリットとしては、どんな相場でも投資を続けることで、儲け損なって後悔するメンタルリスクに配慮した方法になっています。
もちろん、相場観に自信がある場合には100%現金ポジションにすることも考えられます。
強気相場の始まり
- 弱気相場の終わりは、通常、景気がまた下向きの時にやってくる。
- その理由は、株式が将来の経済事象、政局、世界での出来事などを何カ月も前からすべて「織り込む」、つまり予測しているからだ。
- マーケットとは極めて敏感で、あらゆる出来事や基本条件の影響を受ける。
市場にほぼすべての参加者が撤退すると、極一部の投資家がマーケットを動かします。
新しい相場の始まりです。
- 夜明け前がもっとも暗いのだ。
- 明けない夜はない、陽はまた昇る。
死ぬほど怖い時に売買するときが一番利が乗ります。
弱気相場の始まり
- 同様に、強気相場は通常、不景気が始まる前に天井を打って下向きに転じる。
- この理由から、景気を反映する経済指標を見て株の売買の時期を決めるのは、実はお粗末なやり方でお勧めできない。
弱気相場の始まりも同様のことが言えます。
象徴的なエピソードとしては、やはり靴磨きの少年でしょう。
靴磨きの少年が株に関心を持ったら天井が近い*1といわれます。
これは需要と供給の関係を知っていれば、理由は明白ですね。
門外漢の靴磨きの少年が株を欲しがるときは、需要はもう尽きかけています。
売りを今か今かと待ち構えている、海千山千の猛者に喰われてしまうでしょう。
だから逆張りがいいのかというと、決してオニールは勧めていません。
相場が動き始めたら順張りで投資すればいいのです。
底で買わなくても、比較的リスクを負わずに十分利益は出ます。
セクターローテーション
- 遅れて発進する業界の調子が上り始めると、そのサイクルがすでに終わりに近づいていると考えられる。
セクターローテーションについても、頭に入れておきましょう。
大事なところをかいつまんで話すと、
- 成長株が真っ先に強気相場を先導する(円の左半分)
- 景気敏感株は成長株に遅れて株価が上昇する。(円の上半分)
- そして景気敏感株は不景気や収益交代が近づくとまず先頭を切って後退する。(円の右半分)
こちらは以前の復習になります。
gyatuby.hatenablog.com
遅れて伸びる業界を発見したら、その相場サイクルが終わりに近づいているんだと身構えましょう。
例えば、資本財であるコンピューター関連産業や情報通信機器の供給業者が、当時の相場サイクルの最終段階で遅れて動き始めていました。
少なくとも強気で行くかどうかの判断材料になります。
過去の相場と歴史的イベントとの関係を学ぶ
- 平均株価のチャートのなかには、過去12カ月の主要な社会事件も合わせて掲載しているものもある。このようなものを毎年集めてあとから見返すことは非常に有意義である。
過去の相場の歴史を知ることで、先回りしてリターンを得るヒントとなる。
歴史は繰り返します。
テクノロジーが進化しても、人の心理はそう簡単に変わりません。
直近の動きからすれば、例えばFRBの金融引き締めが行われた際に、過去の株価はどのように動いたか研究するのもよいでしょう。
まとめ
- 強気相場も弱気相場も、そう簡単には終わらない。
- 大衆が嫌気が差して相場から離れたタイミングで、新しいトレンドが形成されがち
- 景気循環に応じて、アセットアロケーションを変えていくのもいい
- 弱気相場の終わりは、通常、景気がまた下向きの時にやってくる。
- 強気相場は通常、不景気が始まる前に天井を打って下向きに転じる。
- 過去の相場の歴史を知ることで、先回りしてリターンを得るヒントとなる。
さいごに
始まりはいつも孤独なものです。
けっして後ろを振り返ってはいけません。
たしかに後ろを振り返れば、人がついてきていることに安心できるかもしれませんが、もっと敏腕な投資家に追い抜かされることでしょう。
そんな安心する暇をマーケットは与えてくれないのです。
何度も読み返して、ぜひ自分を信じて行動する勇気を身につけていきましょう。
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