決定的瞬間
- テープ解読で成功を収めるには、力関係を見極めなくてはならない。
- どちらの側の力が強いかを判断する能力が必要であり、強い側についていく勇気が求められる。
- 上がり下がりの波のなかで決定的な瞬間がやってくる。
- そうした分かれ道では、一本の羽根ほどの重さがどちらの側に加わるかで、当面のトレンドが決まるようなことも起きる。
- そうしたポイントを発見できる者は、得るものが多く、失うものは少ない。
- というのも、必ず転換点、つまり「抵抗レベル」のすぐ後ろにストップを置いてプレーすることができるからだ。
テープ解読者は需給の天秤がどちらに傾くか、つまり売りと買いの力関係を見極めなければなりません。
需要と供給の関係を把握できるテープ解読者は、長い物に巻かれていきます。
つまりリスクをあまり負うことなくリターンを得ることが容易になるのです。
それに加えて、転換点を見極めることができれば、想定外の動きを見せたとしても、逆指値注文(ストップ注文)を出してリスクを限定することができます。
これだけ見てもファンダメンタルズだけでなく、テクニカル分析を行わない理由がありますか?
難易度は格段に上がりますが、事情がない限りはやらないよりやるに越したことはありません。
もしもユニオンが勝っていたら
- もしユニオンが勢いと出来高と影響力を増しながら、上昇の道をたどっていたとしたら、スチールの暗い状況の影響に打ち勝っていたかもしれない。
- それは単に力関係の問題だった。
すべてを決めるのはあなたではなく、マーケット(市場参加者全員)です。
誰かの気まぐれが、天秤の傾きを変えることだってあります。
だからくれぐれも自分の相場観を正当化したりせず、マーケットに従うべきといえるでしょう。
これは言うが易しですけどね。
反応
- こうした反応の研究はテープ解読者の能力向上にとって非常に大きな意味をもつ。
- というのも、相場のテクニカルな位置をほぼ間違いなく教えてくれるからである。
天秤がどちらに傾き、どのように反応を見せるか?
この「反応」という言葉は、まさにテープ解読者にとって忘れてはいけないものです。
自分で手掛けた取引はもちろん、監視銘柄や過去の動きを研究することは、相場観を養う上で役に立つでしょう。
漠然として曖昧な反応
- もっとも、反応のすべてが明確な形で現れるとはかぎらない。
- その種の試しは、絶えず現れては消えていく。
- それを基にして相場判断を行い、行動に移らなければならないのである。
相場に接していると、反応が分かりやすいものばかりではありません。
むしろわかりにくいことのほうが多いかもしれません。
慣れないうちは試し玉を入れて探ることも大事でしょう。
しかし、最終的にはそんな曖昧なサインを基に、行動しなければなりません。
大口投資家の動きを探る
- 相場操縦によって株価のつり上げがもくろまれても、ほかの銘柄につれ高して、その上昇に力を貸してくれないようだと、たいてい動きが息切れしてしまう。
- つれ高も上昇の援助もなく、その銘柄に影響する特別の相場展開が阻まれたときには、上げたところで大口取引者の売り抜けの動きがないかどうか、ほかの銘柄に対して目を光らせていなければならない。
- ある株が不利なニュースが出ても下げなかったとしたら、それはインサイダーたちが値下がりを見越して、買う構えをとっていたことを示すものである。
そして重大な試しが現れるとき、いつどんな人間やどんな出来事によって生み出されたかなんて、原因はどうでもいいのです。
大口投資家がどう動いているかを確認さえすれば十分であり、動いた理由は終わった後から考えるのです。
上記の引用では、ワイコフが親切に例を交えて教えてくれています。
大事な要素なのでしっかり覚えましょう。
まとめ
- テープ解読で成功を収めるには、力関係を見極めなくてはならない
- どちらの側の力が強いかを判断する能力が必要であり、強い側についていく勇気が求められる。
- 想定外の動きを見せたとしても、逆指値注文(ストップ注文)を出してリスクを限定する
- くれぐれも自分の相場観を正当化したりせず、マーケットに従うべき
- ほかの銘柄につれ高して、その上昇に力を貸してくれないようだと、たいてい動きが息切れしてしまう