今回は天井を見極める際のマーケットテクニックです。
天井をうまく掴むことができれば、空売りで大儲けすることができます。
頂点
- 長期にわたる上昇や下降が頂点に達するときには、普通、わずかの間に主力株が急激に大きく動く。
- 時間をかけて上昇したり下降したりしたあとに、並はずれて激しい動きを見せ、たいていそれが頂点になるのである。
- 下げ圧力や押し上げ力への反応を見れば、総じて、株価がこれから先どう動くかが分かるものである。
アキュミュレーション(買い集め)、マークアップ(押し上げ)を経て株価が上昇し、最後の段階であるディストリビューション(売り抜け)の終わりには、株価は大きく急落します。
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天井(頂点)の見極め方は非常に難しく、決まった法則もありません。
目安としては『オニールの成長株発掘法』で出てくる売りのサイン「クライマックストップ」の考え方は参考になるでしょう。
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ワイコフは、イメージをつかんでもらうために、以下の例を示して説明しています。
良いニュースがあるも微妙な動き
良いニュースは織り込み済み、ということはよくあります。
寄りから10分が過ぎたとき、スチールはこんな調子でした。
200 47七/八
4500 47三/四
1200 47七/八
1500 47三/四
期待したとおりには株価は上がらず、大した変化はありませんでした。
USスチールは株価は狭いレンジを行き来している一方で、ユニオンは反発してほかの銘柄を引っ張って行く気配すら見せました。
息づまる攻防
- ユニオンはスチールを引っ張り上げることができるのだろうか。
しかし残念ながら、ユニオンはスチールを引っ張り上げるのに失敗しました。
ユニオンの再三の努力もむなしく、スチールはストンと落ちました。
シグナル
- テープ解読者にとってこれは空売りの合図でした。
- 即座にスチールに売り注文を入れると、47一/二ドルと47三/八ドルで出来た。
- その価格帯で大商いがあったのだ。
あまりの売り圧力に買い側は負けてしまったようです。
このときが頂点、つまり空売りのチャンスとなりました。
ユニオンはスチールに引きずり降ろされ、株価は下落していきました。
投げ売り
主力株であるユニオン・パシフィック鉄道が下落することで、弱気ムードが全銘柄に波及していきます。
前場は相当な安値で引けました。
USスチールの良いニュースに何も考えず飛びついたビギナーは、ほかの銘柄も含めて相当な痛手を被ったかもしれません。
他方でテープ解読者は、株価と出来高の動きを確認していたので、スチールが次の火曜日までは下げそうという相場観を持つことができました。
万が一に備えて抵抗線にストップロスを置いておいて、その行く末を楽しみにしたことでしょう。
- 次の立会日、スチールは「44三/四ドル売り、44一/二ドル買い」で始まり、日中で41一/四ドルの安値を付けた。