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オニールの成長株発掘法第12章⑥〜IPO(新規公開株)、新興市場、転換社債、非課税銘柄


どんな凄腕トレーダーも適切にポートフォリオ管理を行っていなければ、いずれ無理のあるポジションをとって破産することになります。

本章ではそんな金管理(ポートフォリオ管理)について焦点を当てていきます。

今回はIPO(新規公開株)、新興市場NASDAQ)、転換社債、非課税銘柄や税制優遇銘柄を見ていきましょう。

金管理の心構え(再掲)

  • 単に避けるべき投資が何かを知っておくだけでも十分価値がある。
  • 複雑にしすぎず簡潔を心がけること
HUNTER X HUNTER 1巻 3話

本章と次章で、投資における様々な選択肢や魅力的な資産運用方法を読んでいきます。

自分なりの"正しい"ポートフォリオを探してみてください。


大切なことは、不要なものは避け、そしてできるだけシンプルにすることです。



大きな可能性を秘めるナスダック銘柄

  • ナスダック銘柄は上場証券取引所ではなく、店頭取引専門業者を通じて取引されている。
  • 機関投資家による大量の買いがあり、CAN-SLIMのルールに適合するようなナスダック上場の優良銘柄を見つけたら、購入の検討を強くお勧めする。

NASDAQ市場で取引されている銘柄の多くは、まだ名の知られていない新興企業が多いです。


投資の柔軟性と安全性を最大限位するには、機関投資家による流動性が見込めて、かつCAN-SLIMのルールに適合する銘柄を選びましょう。

ある日突然、市場が急落してもある程度身を守ることができます。


なお日本ではグロース市場(旧マザーズ市場)が該当しますが、米国とは異なり、急成長するハイテク銘柄は少ないように思います。


新規株式公開(IPO)株を買うべきか?

  • IPO(新規株式公開)とは、企業が初めて株を一般に公開することである。
  • 新規公開株の多くは株価が安めに設定されているため、公開初日に価格が急上昇しやすくなっているが、その後価格が高くなりすぎて下落に転じるものも少なくない。
  • 新規株式公開株を買うことは勧められない。

先日に行われたANYCOLORのIPO抽選は、めでたく外れました😢

IPOの抽選に外れることは日常茶飯事で、IPO投資熱はいまも熱いと感じます。


しかしオニールは、IPO株投資については勧めていません。



優れた銘柄はほんの一握り

  • 毎年新規に公開される多くの株式のなかで、優れている銘柄はほんの一握りしかない。
  • しかし優れた銘柄は先行して買うことのできる機関投資家の大きな需要があるので、個人投資家が買おうとしても割り当てがわずかになる。
  • 論理的に考えれば、あなたのような個人投資家が欲しい株数だけを手に入れることができるような銘柄は、保有する価値のないものだ。

見込みのある優秀な銘柄を、先回りして買うことのできる機関投資家による大きな需要があるため、個人投資家が買おうとしても割り当てがわずかになります。


本当に有望ならば、上場前の未公開株の時点でファンドなりが出資しています。

それを売り出す時点では、うまみは割と抜かれると思ったほうがいいでしょう。



日本のIPO市場は比較的勝率が高い

ただし、日本のIPO市場は証券会社が在庫を抱えたくないなどの理由により、公開価格が低めに抑えられているのが現状です。

しかしその傾向も変わる動きはあるみたいです。

そして時価総額が小さい小粒な銘柄が多く上場することから、主役は専ら個人投資家機関投資家は少ないです。



IPOはテクニカルデータが少ない

  • 新規公開銘柄にはそれまでの取引履歴というものがないため、その価格が高すぎるのかそうでないのかという確信が持てない。
  • 新規公開株が市場で取引されてから1〜3ヵ月以上たてば、株価と出来高に関する貴重な情報が手に入るので、状況をより正確に判断することができる。

上場当初は過去の株価データがないので、買いシグナルの手がかりがほとんどありません。

また、上場当初は高すぎる株価を付ける傾向があります。


そのため、ある程度期間を待ってチャートに基づいて買うことをお勧めします。



IPO株も投資対象になり得る

  • これは、公開後の初期段階で上昇した新規株を買ってはならない、という意味ではない。
  • 新規公開株を買う最も安全な時期は、最初の調整とベースからブレイクアウトしたときである。
  • 正しい銘柄選択とタイミングの手法を理解している経験豊かな投資家であれば、収益の増加や並外れた売上を示しながら適切なベースを形成したような新規銘柄を見つけたら、その銘柄の購入を検討するべきである。

IPO直後の投資をオニールは勧めてはいませんが、その後に投資をすることは当然否定してはいません。

あのグーグルがIPOした後の買い時は、IPOから5週間目で新高値をつけたタイミングです。


過去3ヵ月〜3年間にIPOされた多くの銘柄の中に、優れた新商品を持ち、ファンダメンタルがしっかりした会社は必ず存在します。

IPO銘柄といえど、これらの銘柄には注目するべきでしょう。


そして大事なことなので繰り返し言います。

正しい銘柄選択とタイミングの手法を理解している経験豊かな投資家であれば、収益の増加や並外れた売上を示しながら適切なベースを形成したような新規銘柄を見つけたら、その銘柄の購入を検討するべきである。

要はIPO株もいつもと同様に買えばいいということです。



IPO株は弱気相場に弱い

  • 新規公開株は不安定で、難しい弱気相場においては大きな調整に苦しむこともある。
  • これは新規公開銘柄全てが「注目すべき熱い銘柄」に思える加熱状態のあとに起こりやすい。

流動性が比較的大きくないことに加えて、期待が先行していることが多いため、一度弱気になると大幅に下落することが少なくありません。

そのためIPO株はリスクが大きいといえます。


そんなリスクの大きい金融商品がもてはやされているなら、強気相場も曲がり角を迎えているかもしれません。



転換社債(CB)とは何か、そして投資するべきか?

  • 転換社債とは別の投資対象に転換することができる社債のことで、通常はあらかじめ決められた価格で普通株に交換(転換)できるもののことをいう。
  • 転換社債を持っていると、普通株よりもやや高い収益を得ることができるうえに、もっと利益になる可能性もある。
  • 大半の投資家には転換社債の購入は勧められない。

私は転換社債については、簿記で習った程度で実際に買ったことはありません。

企業同士や機関投資家には割と縁があるのですが、個人投資家にはあまり縁のない商品かもしれませんね。



転換社債とは?

別の投資対象に転換することができる社債のことで、通常はあらかじめ決められた価格で普通株に交換(転換)できるものを指します。
社債新株予約権がセットになった金融商品です。
転換社債(CB) | 債券 | 大和証券

一般的には株式と交換できる権利を得る代わりに、通常の社債よりも受取利子が少なくなることが多いです。



投資するべきでない理由

  • 大半の投資家には転換社債の購入は勧められない。

普通社債ですらETFを通じて取引することが多いと思いますが、普通株に比べて流動性が低いため、急な下落相場となると逃げきれない恐れがあります。


この投資が好まれる理由は、大量に資金を借りてレバレッジをかけることができるためです。

ただこれはリスクを高めることにつながるため、個人投資家には不向きでしょう。


なお、オニールは普通社債すら買ったこともありません。



非課税銘柄や税制優遇銘柄に投資するべきか?

  • 一般的な投資家は非課税銘柄や税制優遇銘柄には投資しないほうがよい。(個人退職金口座、401k、自営業者年金制度は除く)
  • 税金対策について考えすぎると混乱してしまい、通常はしっかりとした判断力が鈍ってしまう。
  • まずは正しい投資判断をすることを心がけ、そのずっとあとに税金のことを考えるべきなのだ。

米国では地方債が代表例ですが、日本ではあまり見られないかもしれません。
(もちろん優遇制度があるにはありますが)


日本の場合はNISA制度を使った投資が代表格ですが、積立投資やインカムゲイン目的の場合には有効でしょう。

注意する点があるとしたら、利益が出てないうちに税金のことを考えるのは本末転倒です。

捕らぬ狸の皮算用とならないよう気をつけましょう。


今日のまとめ

  1. 新興市場の中にある大化け銘柄候補に投資しよう。
  2. IPO銘柄は上場当初は様子を見て、途中から参入する。
  3. 転換社債には手出し無用
  4. 税金のことは利益が出てから考える。

おわりに

普段はあまり接点のない金融商品が多いかと思います。


別に詳しく知る必要はないですが、知っておくに越したことはありません。

怖くて近づかないのと、知っていて近づかないとでは大違いです。

昔はきっと、あなたにとっての株式投資もそうだったのではないでしょうか?


今回取り上げた中のうち、IPO株についてはすべてチェックしましょう。

上場直後に買う必要はありませんが、優秀な銘柄は調整後に急騰する可能性が高いです。

最初に一番うまみがあるのは間違いありませんから。
gyatuby.hatenablog.com


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