本章では投資の心技体のうち、資金管理(ポートフォリオ管理)について焦点を当てていきます。
今回は空売りについて学んでいきます。
資金管理の心構え(再掲)
- 単に避けるべき投資が何かを知っておくだけでも十分価値がある。
- 複雑にしすぎず簡潔を心がけること。
本章と次章で、投資における様々な選択肢や魅力的な資産運用方法を読んでいきます。
前回までの内容は以下の記事をご覧ください。
gyatuby.hatenablog.com
大切なことは、不要なものは避け、そしてできるだけシンプルにすることです。
空売りを行うべきか?
空売りはあなたが思うよりも簡単なものではないかもしれません。
ここでは資金管理の一手段として簡単に触れますが、使い方によってはマーケットから退場することもあり得ると覚悟したほうが良いでしょう。
空売りとは
空売りでは、最初に株を買う代わりに売ります。
株を所有していないのに、売るとは少し奇妙に聞こえるかもしれません。
実際には、投資家は証券会社からその株を借りて売ることになります。
もちろん後で証券会社に株を返す必要がありますから、マーケットで株を買い戻す必要があります。
このとき、株価が上がるのではなく下がって安値で買うことを当然願います。
もし期待通りに株価が下がれば、「空売りポジションを買い戻し」て、その差額を利益として手に入れることができます。
空売りの注意点
本書で挙げられている空売りの注意点について、簡単にまとめましたので参考にしてください。
本書でも空売りについて多少の記載はありますが、本格的に空売りを知りたいという方は、『オニールの空売り練習帖』(パンローリング)の書籍や当ブログの記事をご覧ください。
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また理論はそこそこに、半分近くが実例紹介となっています。
空売りだけでなく、現物売りやマーケットの動向を調べる練習にも活用できるため、チャートの読み方に自信がなかった方にもおすすめです。
なお値段は少し高めですが、2色刷りでチャートはかなり見やすいです。
強気相場で空売りをしてはならない
言い換えれば、強気相場で空売りをしてはいけないということです。
オニールは空売りを勧めていませんが、どうせ私たちは経験したくなると見ています。
かくいう私もチャンスがあれば空売りを試みています。
そんな愚か者のために、オニールは空売りの注意点を述べていますが、それでも少し勝率が上がるくらいだと注意していますので、あらかじめ心に留めておきましょう。
下手をすると命まで持ってかれます。
発行済株式数の少ない銘柄は空売りしてはならない
空売りに付きものなのが、踏み上げ(ショートスクイーズ)です。
踏み上げとは、空売りポジションで損失を出してしまい、高くなった株価で買い戻しを強いられることを指します。
流動性が小さい銘柄では、このような踏み上げを起こすことが少なくありません。
そのため、出来高が多く大口でも株価を操作しにくい銘柄を選ぶと良いでしょう。
なお、『オニールの空売り練習帖』では1日平均100万株出来高が流動性のルールでは打倒と述べています。
日本株だ出来高500万株以上の条件が厳しすぎるので、こちらのルールに従う方がいいかもしれません。
空売りに適した最高の株価パターン
こちらは『オニールの空売り練習帖』では、 それぞれダイアグラム1、 ダイアグラム2としてパターン化しています。
気になる方は下記の記事をご覧ください。
gyatuby.hatenablog.com
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まとめ
- 空売りは、プロ投資家にとっても危険な投資法であるため、極めて優れた能力と強い意志を持つ投資家だけが行うべきである
- 買いは家まで、売りは命まで
おわりに
ここまでご覧いただくとわかると思いますが、オニールの空売りは中期トレードを想定しています。
そして利確の幅もかなり保守的で、最初のうちは20〜30%で満足するように勧めています。
そのように考えると買いに比べたら旨味はかなり少ない上に、難易度も高いときたものです。
やはりオニールが勧めるように、弱気相場が来たら現金を握りしめて待ち続ける方が良いのかもしれませんね。
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