前回は株価の歴史を見ていきましたが、今回はそれ以外の指標の歴史を知りましょう。
収益と配当
- 値動きから過去100年間の株式保有による収支の全体像をとらえるためには、収益や配当といった数字も考慮に入れなければならない。
- 毎年の変動をならして10年ごとで表示しているこれらの数字は、持続的な成長を大まかにつかむためのものである。
- 収益と平均価格がマイナスとなったのは、データ初年以後90年間のうち20年だけ(1891〜1900年および1931年〜40年)であり、1900年以降では平均配当の減少はみられない。だがこれら3項目の成長率にはかなりのばらつきがある。
- 全体的に見てパフォーマンスが良いのは、第2次世界大戦以前よりも以後の方であるが、1960年代の成長は50年代の成長ほど顕著ではない。
- 今後10年で収益や配当、株価が何%上昇するかをこのデータから判断することはできないが、普通株投資のための首尾一貫した指針を決定するに当たって、投資家にとっては勇気付けられる材料である。
過去100年の収益と配当の推移を示したのが表3−2です。
概ね株価、収益や配当は右肩上がりの成長を見せています。
このデータは、株式に投資し続ける根拠になり得そうです。
PERの変化
PER(株価収益率)とは、株価が1株当たりの純利益(EPS)に対して何倍になっているかを示す指標です。
普通株熱がほとんどなかった1949年ではPERはたった6.3倍で売られていましたが、強気相場の続いた1961年には22.9倍まで上がっています。
配当利回りも株価の上昇によって、7%から3%にまで落ち込みました。
同じ期間に人気がなくなったのか、優良債券は2.6%から4.5%まで上昇しており、一般投資家が普通株を投資先として捉えていたことがよくわかります。
世界恐慌のトラウマ
- 投資経験が長く生来用心深い人々にとっては、極端から極端へと触れる相場は先行きに困難が待ち受けることを示す警告であった。
- 彼らには、1926年から29年にかけての強気相場と、それに続いた悲劇的結末が常に脳裏に焼きついている。
- だが、そうした恐怖は現実にならなかった。
- 実際に、ダウ平均の1970年の終値はその6年半前時点の価格と同じであり、また、もてはやされた「黄金の60年代」は、後から見れば一本調子の上昇相場であった。
- それにもかかわらず、これまでのところ企業にも株価にも、1929〜32年に襲った弱気相場と不景気のようなことは何ひとつ起きていないのである。
世界恐慌のトラウマを持っている人々にとって、長く続く強気相場にいつ裏切られるか内心怯えていたことでしょう。
しかし1970年の一時的な恐慌までは、一本調子の上昇相場が続きます。
これらから、強気相場がいつ終わるのかは予想ができないことがわかります。
今も日本市場も34年ぶりの高値となっていますが、これもいつまでも続く可能性もあるわけです。
ですので、やはり普通株にはある程度投資をしていた方が良いのでしょうね。
まとめ
- 概ね株価、収益や配当は右肩上がりの成長を見せている
- 60年代には株式投資への風向きが向かい風から追い風となった
- 強気相場がいつ終わるのかは予想ができない