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賢明なる投資家第3章①〜株式市場の歴史

過去の値動きを知っていれば、これから起こるであろう高騰や暴落を待てるかもしれません。

今回は株式市場の歴史について見ていきます。

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賢者は歴史に学ぶ

  • 投資家は株式市場の歴史に関して十分な知識を持つことが肝要だ。
  • 特に必要なのは、相場水準の大きな変動の歴史に関する認識、そして全体としての株価と収益・配当間の多様な関係についての知識である。
  • 現状況下にあって投資家は、そのときどきによって異なる相場レベルの魅力と危険性を判断するための、何らかの基準を作り出す必要があろう。

将来のことは誰にもわかりませんが、過去から学べることはあります。

本章では相場水準の大きな変動の歴史を振り返って、どのような相場水準なら期待と損失を覚悟するべきか知っていきましょう。



本章の2つの目的

  • その第一の目的は、過去1世紀にわたる幾多の経済循環を通じて、どのように株式の上昇基調が作られてきたかを示すことだ。
  • そして第二の目的は、株価および収益と配当に関して10年ごとの平均でとらえてデータを足していくことによって、この3つの重要な要素の多様な相関関係を明らかにすることである。

本書は過去100年分の株価、収益、および配当金のデータを見ることができます。

これらのデータを見るにあたって、まず第一に上昇相場がどのように作られたかを見ていきます。

また株価、収益、および配当の関係性について明らかにしていきましょう。



3つの異なる相場パターン

  • スタンダード・アンド・プアーズが提供してくれた図1から見て取れるのは、425の工業株指数が1900年から1970年の間にどれほど変動しているかである。
  • この70年間に3つの異なる相場パターンが形成されており、それぞれのパターンがこの期間をほぼ等しく3分割している。

本書の図1は、過去の株価の歴史を振り返るためにとてもわかりやすいですね。

1900〜70年の間に異なる相場パターンが3つ形成されています。

それぞれ見ていきましょう。



第1のパターン

  • 第1のパターンは1900年から1924年までで、この間のほとんどは、似たようなサイクルが3年から5年周期で繰り返されている。
  • この期間における年平均上昇率はおよそ3%である。

一時的な上昇と下落が伴うパターンが3年から5年周期で繰り返されています。

とはいえ全体的には上昇トレンドを形成しており、年平均でおよそ3%上昇しています。



第2のパターン

  • それに続くのは「新時代」の強気相場であるが、1929年に天井を打った後は市場の崩壊に苦しみ、その後は1949年まで非常に不規則な変動時代が続いた。
  • 1949年の平均レベルを1924年のそれと比較すると、年間上昇率は1.5%でしかないことが分かる。
  • よって、この第2のパターンの末期においては、人々の普通株熱は全く存在しなかった。

1925年から投資信託の登場による投資ブームで強気相場が続きましたが、1929年10月24日(木曜日)にニューヨーク証券取引所では株価の大暴落(通称:暗黒の木曜日)が起こりました。

この影響は1949年まで響き、年間上昇率は平均1.5%にすぎませんでした。

そして大暴落によるショックが大きすぎて、人々の普通株熱は全く存在していませんでした。



第3のパターン

  • その反発とでも言うべき史上最大の強気相場幕開けの機が熟して、その後、第3のパターンが始まった。
  • 1949年から68年の間にはかなり大きな相場の下落があったが、回復が非常に速かったために、そうした逆行は、サイクルを2分するというよりも単一の強気相場における一時的後退だと言われたほどであった。
  • ダウは、(中略)17年間で実に6倍以上となっている。
  • この伸び率は、毎年、例えば3.5%受け取れたであろう配当を計算から除外しても、年複利平均で11%となる。
  • この14%以上の利益については1963年に論文で紹介され、後に別の研究で取り上げられて広く知られるようになった。
  • 当然のごとくウォール街はその素晴らしい数字に満足し、同じように奇跡的な結果が普通株にも今後期待できるかもしれないという、極めて非論理的かつ危険な認識が広まった。
  • その成長が示しているのは「行き過ぎ」かもしれないなどと考える人は、ほとんどいなかったようである。

普通株の不人気からの反発とでもいうべき、史上最大の強気相場が幕を開けました。

ダウ平均が実に6倍もの成長を見せたというのは、とても驚きですね。


一時的な下落があったとはいえ、17年間という長期間にわたって強気相場が続いたわけなので、行き過ぎと思って途中で投資をやめていたらきっと後悔したことでしょう。



1968年から現在まで

  • その後に起きた1968年の高値から1970年の安値への下落は、S&P指数では36%(ダウ平均では37%)の下落率で、真珠湾奇襲攻撃後の危機感を反映した1939年から42年における下落率44%以来の最大規模であった。
  • ウォール街一流の派手な動きによって、両指数とも1970年5月の安値以後は、大規模かつ素早い回復を見せ、S&Pの工業株は1972年初めに史上最高値を更新した。
  • 1949年から70年にかけてのS&Pの工業株指数の成長率でおよそ9%となる。
  • もちろんこのように高い成長率は1950年以前には達成されたことがない。
  • だが後半の10年だけを見ると成長率はかなり低くーS&P指数は5.25%、ダウ平均は3%ーなっている。

その後に起きた暴落は、人々の目を覚まさせるには十分だったでしょう。

しかしこの時は、ウォール街の働きによって素早く回復を見せて、1972年初めに史上最高値を更新しました。



まとめ

  1. その第一の目的は、過去1世紀にわたる幾多の経済循環を通じて、どのように株式の上昇基調が作られてきたかを示すことだ。
  2. そして第二の目的は、株価および収益と配当に関して10年ごとの平均でとらえてデータを足していくことによって、この3つの重要な要素の多様な相関関係を明らかにすることである。

おわりに

過去には暴落もあり、高騰もありました。

5月はセルインメイと言われるように、下落のジンクスがある月です。

できれば欲しい銘柄が手頃な値段で仕込めると良いのですが、はてさて。

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