ファンダメンタルでもテクニカルでもない、しかしよく当たるといわれるアノマリー。
今回は10月ということで、「ハロウィン効果」について扱います。
ハロウィン効果とは
- 毎年10月のハロウィンの時期に株価が安くなり、その後、春にかけて株価が上昇する傾向にある
https://www.nikkoam.com/products/etf/jojomarket/vol83
9月末を迎えて機関投資家による換金売りが起こるためなど、理由がいくつか挙げられていますが、直接的な関係は曖昧です。
いくつもの理由が複雑に絡み合っているからこその、アノマリー(経験則)です。
ではハロウィン効果を活かして、10月に仕込んだ場合にどうなるか見てみましょう。
ハロウィンに仕込んで、春に売る戦略はどうか
- 日本でも、過去20年間の株式の株価の傾向を見ると、10月末に買って、その半年後の4月末に売却した場合は、他の月に買ってその半年後に売却した場合よりもパフォーマンスが優れている傾向にありました(グラフ①)。
日興アセットマネジメントの検証によれば、ハロウィンのときに仕込んで、春頃に売る戦略は有効という結論を出しています。
これはグラフ②を見れば分かるとおり、10月は株価が下落しやすい月だからといえるでしょう。
直近の実績
では、直近の実績も調べて見ましょう。
日経平均株価の月足を基に算定してみました。
年度 | 上昇〇 下落× |
騰落率 | 10月末 株価 |
4月末 株価 |
---|---|---|---|---|
2015年10月末買い →2016年4月末売り |
× |
▲12.7% | 19,083 | 16,666 |
2016年10月末買い →2017年4月末売り |
〇 |
+10.2% | 17,425 | 19,196 |
2017年10月末買い →2018年4月末売り |
〇 |
+2.1% | 22,011 | 22,467 |
2018年10月末買い →2019年4月末売り |
〇 |
+1.5% | 21,920 | 22,258 |
2019年10月末買い →2020年4月末売り |
× |
▲11.9% | 22,927 | 20,193 |
2020年10月末買い →2021年4月末売り |
〇 |
+25.4% | 22,977 | 28,812 |
2021年10月末買い →2022年4月末売り |
× |
▲7.1% | 28,892 | 26,847 |
2022年10月末買い →2023年4月末売り |
? | ? | ? | ? |
これはアノマリーに共通する話ですが、イレギュラーな出来事が起これば、その影響を受けるのは当たり前だということです。
2021年から2022年までは、ロシアとウクライナとの間で戦争が2022年2月に起こっています。
エネルギー価格が高騰したり、供給網が乱れたりしたために、マーケット全体に悪影響を与えました。
また2019年~2020年は、コロナウイルスの流行がありました。
したがって、今までの実績から判断すると、何事もなく平穏な年であれば、このハロウィン効果は有効といえるのかもしれません。
まとめ
- ハロウィン効果とは、10月のハロウィンの時期に株価が安くなり、その後、春にかけて株価が上昇する傾向を指している
- 10月に仕込み翌4月に売る戦略は、平時では有効と言える。
- 何事にも例外はつきものであると意識すること