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オニールの成長株発掘法第1章③~チャート100本ノック8~10本目

油断してボリューミーになってしまいました。

チャートの説明をしてみると、意外にも書きたいことがあってびっくりです。
もちろん、未来の大化け銘柄を見つける目的で、そのヒントとなるものを探します。

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銘柄選択の極意(再掲)

  • 本書では、チャートからどこで買えばよいのかだけでなく、売りのサインの読み取り方も伝授している。
  • 成功するためには、歴史によって実証された信頼性のある買いと売りの規則性を学ぶ必要があるのだ。
  • 時代にかかわらず幾度も繰り返される特定のチャートパターンがあることに気がつくだろう。
  • 売り上げ、収益率、ROE(株主資本利益率)のそれぞれが大幅に上昇している銘柄を見つけること
  • そして、機関投資家による買い集めを示している強いチャートパターンを見つけること
  • この両方ができれば、読者諸君の銘柄選択及び売買タイミングが大幅に改善されることにつながるのだ。

チャートを注意深く読むことで、売買タイミングは大幅に改善されます。

銘柄選択は一流なのに、利確が早すぎたり遅すぎたりで機会損失を得ることは、おそらくすべての投資家が通る道かと思います。

必要なのは、買いのタイミングと利確の精度をいかに高めるか考え続けることです。

チャートのテクニカル指標には様々なものがありますが、オニールが使用する主なテクニカル指標は、株価と出来高移動平均線シンプルです。

わたしたちが学ぶべき対象として、これ以上のものはないでしょう。
オニール氏が伝授する投資法を、余すことなく学びましょう。


チャート100本ノックでは、関連記事や注釈等を時系列順にまとめています。
本書を手元に置きながらお読みいただければと思います。

なお、前回の記事は以下をご覧ください。
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デュポン・ドゥ・ヌムール(1925年)

デュポン・ドゥ・ヌムール

  • 225週間で1074%上昇
  • 農業、映画、自動車業界など数多くの産業に参入した科学技術のトップ企業
  • 1926年のヘンリー・ウォレスによる種トウモロコシ交配、および防湿セロファンで有名

今なお残る超巨大企業のひとつです。
当時は、なんとテンバガー銘柄となりました。



第1ベース

かなり形成期間が短いカップウィズハンドルのパターンです。
ここからテンバガーへの物語が始まります。

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上昇ベース

  • 9週連続で上昇
  • 10週移動平均線の押しからの反発で増し玉
  • 振るい落としがあったが最後の買値から8%以上は下がらなかった。

ブレイクアウト後は、株価はうなぎのぼりになります。
買い逃した投資家はハンカチをかむ思いだったでしょう。

しかし、たいていは押しや調整は現れるものです。
しっかり我慢できた人は、このチャンスを逃さず手に入れたでしょう。

振るい落としにも負けずに握り続けた場合は、さらに爆益となりました。

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クライマックストップ

  • クライマックストップでの売り

今までで最大の値幅を見せています。
その直前も上げ一辺倒です。

これはわかりやすいクライマックストップのパターンでした。
しかし実際に投資していた最中は、上り調子であるだけに、はたして躊躇なく見切ることができたでしょうか?

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第2ベース(新第1ベース)

  • ダウ平均が市場調整する中で、35週続いた取っ手付きダブルボトム
  • 3週連続で終値がほぼ同じ
  • 取っ手付近でブレイクアウト時に出来高増加、買い

これは判別が難しいです。
個人的には、3週連続で株価が収束したあとから、ダブルボトムが形成されると見たほうが見やすいように思えます。


ただそうするとピボットポイントが低くなってしまい、振るい落とされたかもしれませんね。

特定のパターンを見つけることも必勝法ではありますが、ベースとは調整期間であることを忘れてはいけないという教訓だったと言えるでしょう。

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第3ベース

カップ部分のなかにカップウィズハンドルが形成されているように見えますね。

しかしこのミニカップウィズハンドルでは、取っ手部分がパターンの下半分に形成されており不完全です。
またパターンの期間も不十分です。

最初のベースのときは、この銘柄に勢いがあったために調整がじれったいと言わんばかりに上昇していました。

しかし、第3ベースまでいくと上昇のペースはさすがに衰えます。
このようなときは、本書の教えどおり、ベースの形成期間はある程度必要であると思ってよいでしょう。

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第4ベース

以前のクライマックストップから数えれば第3ベースにあたります。

普段は第2ベースで現れるフラットベースが、ここで出現するということは、依然としてデュポンに勢いがあるといえるかもしれません。

さらに買い増していきましょう。

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クライマックストップ

  • クライマックストップでの売り
  • 過剰な3対1の株式分割で天井を打つ

飛ぶ鳥を落とす勢いのあったデュポンも、過剰な株式分割を経てやっと落ち着きを取り戻しました。
ここまでの感謝を伝えて手放しましょう。

その後にダウ平均が急落するにつれて、デュポンも下落を見せています。

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バロース・アッディング・マシン(1926年)

バロース・アッディング・マシン

  • 168週間で1992%上昇
  • 20世紀前半最大の計算機メーカー
  • 1925年に「バロウズ・ポータブル」という9キログラムに満たない製品を発表

調べてみると、ビンテージ品としてなお愛されているようですね。
当時は画期的な製品だったようで、CAN-SLIMのN(新製品)を満たします。

バロースもまたテンバガー銘柄となりました。



第1ベース

  • 利益率の加速的増加が始まる
  • ダウ平均が調整する中、44週にわたる取っ手付きソーサー
  • 取っ手部分の終値がほぼ同じになり安値が切り下がっている
  • ブレイクアウト時に出来高増加、買い

ファンダメンタルがよくなることで、株価上昇の土台がしっかりとします。

ベース期間は44週と比較的長期にわたりますが、この土台がバロースを支えてくれたのでしょう。


そして、取っ手部分の安値切り下がりや、株価の収束が見られたりと、取っ手付きソーサーとしては完全な形と言えたのでないでしょうか。

安心してブレイクアウト時に買うことができたはずです。

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第2ベース

  • 17週にわたるフラット(平底)ベース
  • ベースの安値付近での薄商いはこれ以上の売りが入らないことを意味していることに注目すること。
  • ブレイクアウト前に値幅が小さく、終値も3週間ほぼ同じになっていることに注目する。
  • ブレイクアウト時に出来高増加、買い

1回目のベースで買い逃しても、次のチャンスがやってきました。
ブレイクアウト前では株価の収束が見られ、絶好の株価パターンとなっています。

またベースの安値付近で供給量が少なければ、もはや売りも尽きていることを示しています。

好条件がそろってブレイクアウトを見せたときには、迷わず買い足しましょう。

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第3ベース

またもやフラットベースが現れ、まだまだ強い株価上昇の勢いがあることを示しています。

こちらもブレイクアウト前の安値付近で、出来高が急減していることに注目しましょう。


ブレイクアウト時に買うのはもちろんのこと、ブレイクアウト後も増し玉のチャンスがありました。
上昇ベースで行う増し玉に倣って、10週移動平均線への押しからの反発で買い足しましょう。

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第4ベース

これもフラットベースと見てはいけないのでしょうか?
まあピボットポイント(買いポイント)は同じなので、あまり気にしないでおきましょう。

値幅が小さいということもまた、(出来高が弱ければ)需給が弱く次のジャンプに向けて足をかがめた状態といえるでしょう。

ここで更に買い足すことで、利益の額はものすごいことになっているはずです。

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クライマックストップ

  • ダウ平均が史上最高値を更新
  • クライマックストップでの売り
  • 過剰な5対1の株式分割で頂点を付ける
  • 10週移動平均線を下に抜けてその週を終えたが大商い。世界大恐慌の始まり
  • 恐慌が始まり株価は5週間で98ドルから29ドルへ下落

とうとう過剰な株式分割を経て、クライマックストップ、つまり天井をつけました。

バロースは市場平均であるダウ平均に連動して株価は動いていました
教訓としては手掛ける銘柄だけでなく、ほかの関連銘柄やマーケット全体も監視する重要性が分かると思います。

マーケット全体の天井の見極め方についても、オニールは説明しているので、ぜひ目を通しておきましょう。


また空売りのチャンスと思った方は、あわせて『オニールの空売り練習帖』の関連記事を読むと理解がより深まります。

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IBM(1926年)

IBM

  • 161週間で400%上昇
  • IBM1920年代に拡大し、新しい売れ筋商品を開発。
  • 1925年に分速360枚の模型選別機と世界初の標準複写機を発売した。
  • 1928年にパンチカードのデザインを一新し、従来の2倍の容量を記録できるようにした。

今や世界最大規模のIT企業であるIBM
前の2つのテンバガー銘柄には劣るものの、それでも株価4倍を達成します。



第1ベース

  • ダウ平均が調整される中、振るい落としを経て安値を切り上げながら36週にわたる長いカップウィズハンドルを形成
  • ブレイクアウト時に出来高増加、買い
  • 買値から8%の下落は時期尚早の買いが原因で、株価は直近12週間で安値を切り上げた、損切り
  • 取っ手部分では安値が切り下がるのが正しい形
  • 振るい落としの後に株価が大商いで10週移動平均線を上に抜けたら、必ず再び買うこと

買いポイントを狙って、ブレイクアウト時に出来高増加した場合に買うとほとんどの場合うまくいきますが、失敗することも当然あります。

この失敗したときに損切りをためらいなくできるかはとても重要です。

小さな負けは恥ではありません、積極的に受け入れてください。
でないと、いずれやってくる大きな負けでマーケットから退場する大恥をかくことになります。

今回の失敗と言えば、安値が切り上がっていたのに買っていたことです。
しかしIBMの場合では、損切りのあとに、出来高増加を伴って10週移動平均線を上抜いたタイミングで買い直しましょう。

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第2ベース

先ほども解説しましたが、あまり株価パターンにこだわる必要はありません。
そこで株価が揉み合ったり調整している事実こそが重要なのです。

上昇トレンドに乗っているIBMを、ベースの形成期間が短いからと言って無視したりせず、ここでもしっかり拾っていきましょう。

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株価の収束

株価の上昇に勢いがあり、ベースを作る間もありませんが、短期間の株価収束は発生しました。

ここでも抜け目なく増し玉していきましょう。

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第3ベース

ベースの上のベースになりますが、それでも勢いは止まりません。
1度はブレイクアウトに失敗しましたが、2度目は成功します。

失敗が何度も続いて折れそうになることは少なくありません。
しかし、検証されたルールは”絶対”なのです。

少なくとも投資をしている最中に自分を疑うような真似はやめましょう。
ノーポジションの期間で、いくらでも反省なり対応策を考える時間はあります。

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第4ベース

第4ベースまでくると、さすがに上昇の力に衰えが見えたでしょうか。
ベースのパターン期間も長くなってきました。

それでもわたしたちは、ブレイクアウトが成功する可能性に賭けて買い増しする必要がありました。
ベースの上のベースは弱いと言われても、世の中に”絶対”はないのです。

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イグゾースションギャップ

  • イグゾースションギャップが発生、売り
  • 先週比で下落した週の出来高が増加した週が5週もあることに注目する
  • そして大恐慌が始まる

窓を開けると、窓埋めが起こるともいわれます。*1

イグゾースションギャップは、クライマックストップの一種としてオニールは扱っています。


ただしIBMで注目すべきは、ギャップが発生した後の下落週で出来高が増加したことです。

下落の勢いが強く、5回も同じ現象が見られたことから、ディストリビューション(売り抜け)が行われている可能性が高いです。


この天井が近いことを知らせるこの合図で、遅くとも逃げ切りたいです。
主要な株価指数も併せて監視していれば、より自信をもって逃げられたでしょう。

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チャートから学ぶ教訓

出所:幽遊白書
  • 投資で成功するにはほかの投資家がやりたがらないことをすることを学ばなければならない
  • 心理学的にはほとんどの投資家はチャートを使わず、新高値で買うことを恐れ、毎回必ず8%で損切りをするということができない。
  • 損切りをして株を売ったあとに、その株をさらに高値で再び買うことができるのはさらに少数派だろう。

「高値掴みの可能性があるから手が出せない」
「もしかしたら回復するかもしれないから損切りができない」

人間味があり同情もできますが、けっして真似をしてはいけません。

感情はときに邪魔になります。
自分が作り出したルールは、辛くても従ってこそ意味があります。

しっかり準備して精神的な土台を築いておきましょう。



本日の気づき

  1. たいていは押しや調整は現れるもの
  2. 特定のパターンを見つけることも必勝法ではありますが、ベースとは調整期間であることを忘れてはいけない
  3. ベースの安値付近での薄商いはこれ以上の売りが入らないことを意味している
  4. ブレイクアウト前の安値付近での出来高急減はだれもこの銘柄に気を留めていないことを意味する。
  5. 振るい落としの後に株価が大商いで10週移動平均線を上に抜けたら、必ず再び買うこと
  6. 投資をしている最中に自分を疑うような真似はやめよう
  7. 毎回必ず8%で損切りをする
  8. 損切りをして株を売ったあとに、その株をさらに高値で再び買うことを恐れない
  9. 自分が作り出したルールは、従ってこそ意味がある。



おわりに

3社だけでもボリュームたっぷりになってしまいました。
次回からはもっと少なくします。

まあそれだけチャートに含まれている情報量が多いともいえますね。
ぜひ気づきだけでも、ヒントになるよう解説するつもりです。