はぐれ猿でも、投資がいいんだ。

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オニールの成長株発掘法第16章①~マーケットを観察してニュースに素早く反応する

一日中パソコンの前に張り付いて、トレードをして生計を立てる。

投資家のみなさんの中には、そのようなことを志している方もいらっしゃるでしょう。

では成功したトレーダーは、ティッカーテープを見てどのようなことに気を付けているのでしょうか?

今回と次回で、ニュースの取り扱い方について学んでいきます。

感情的になりがちなテープリーディング

  • 多くの株価が絶えず変化し続けるティッカーテープの前にじっと座りこんで凝視していたり、パソコン画面をにらみ続けて監視するような投資家は、感情的な判断を下す可能性が高い。
  • 株式市場で勝つには、全体を見渡す力と規律、そして何より自らを制する心構えが必要である。

ティッカーテープとは、相場速報やニュースのことです。

ティッカーテープは相場が開いている最中は常に流れ続け、一日中相場を見ていると、ときに危険なほど感情的になってしまうことがあります。

しかし、ある銘柄の活躍ぶりがあまりにも明らかで青天井のように確信してしまうときというのは、その銘柄をチェックしている人の大多数はもうすでに買っていると確信していいでしょう。

株式市場においては、需給の関係から多数派の意見が正しいことはほとんどありません。


株価はベースを形成しているのか、それともすでにベースをブレイクしてしまったのか?

  • 気になる動きを見つけたら、必ず週足チャートを参照して、株価がベースを形成しているのか、それとも買いポイント(ピボットポイント)から離れすぎていないかを確認する。
  • 株価がベースを形成しているのなら、CAN-SLIM投資法に当てはめてみる。

どうしても一日中相場に張り付いていたい場合には、冷静さを保つための簡単な方法があります。

まず気になったら、買い時かどうかをチャートで確認することです。

既に上がりすぎている場合は、はやる気持ちを抑えておとなしくしておきましょう。
買い時な銘柄は、必ず他にもあります。

また株価がベースを形成しているのなら、CAN-SLIM投資法に当てはめてみましょう。

ティッカーテープでは魅力的に思えた銘柄の半数以上は、CAN-SLIMに当てはめると途端に欠点だらけの二流銘柄であることが分かってしまいます。

それだけCAN-SLIMは保守的な基準といえます。
gyatuby.hatenablog.com

しかし、いずれはCAN-SLIMを満たす大化け銘柄を見つけることができます。
そのときまで辛抱強く我慢することが大事になってくるでしょう。


チャート集を毎週見て買いポイントを書き出す

  • テクニカルおよびファンダメンタルの両面で選択基準を満たす銘柄を書き出し、買値を書き留めておく。
  • また、そうした出来上がった有望な銘柄の一覧表に、一日の平均出来高を書き、出来高が一気に上昇したらすぐに確認できるように準備しておく。
  • その銘柄が買値まで上昇したら、その日の出来高が平均よりも最低50%増で、さらにマーケット全体も上昇していることを確認する。

ティッカーテープやマーケットの動きを上手に利用するもう一つの方法も紹介されています。
詳細は上記引用をご覧ください。

厳格なCAN-SLIMをすべて満たす銘柄の買値をメモしておき、出来高の急増に合わせてブレイクアウトするタイミングを狙うのです。

インターネットが発達した現代では、メモをしなくてもアラートなどを設定すれば大丈夫でしょう。
まあメモはいつでも確認できる利点があるので、両方ともやるべきですけどね。

ティッカーテープを監視する者にとって、昼時は値動きが静かになる時間帯です。

また最後の1時間にマーケット本来の力を表すことが多いです。

強気なのか弱気なのかの参考になるでしょう。


耳寄り情報やうわさに頼らない

  • 私は(オニールは)、人の助言やうわさや耳寄り情報などを基に株を買うことは決してない。

マーケットにおいては実に多くの人の心情や行動が間違っていることがほとんどです。

よくやりがちなミスを犯さないように”本当に”気をつけましょう。
これは油断すると簡単にワナに嵌ってしまうからです。

バーナード・バルークは、状況を語る事実が、助言を基にしたものなのか、それとも耳寄り情報や希望的観測を反映したものかを明確にすることの重要性を強調していました。

うわさをばらまく人には気をつけろ、というのが彼の信条でした。

年末年始のゆがみに注意

  • 小型株や中型株が1月に急上昇する「1月効果」は、投資家に誤解を与えたりダマシになりかねない。

年末年始にゆがみが出る理由

季節性アノマリー「1月効果」が起こる理由には以下が挙げられています。

  1. オプション取引が可能な銘柄の場合、オプションの満期日前後にある一定のゆがみが起こることがある。
  2. 年末の12月から1月、2月初めくらいまで株価に大きなゆがみが起こることがある。
  3. 年末には多くの取引が税金対策を視野に行われているため、株を買うのが難しくなる時期

経験則からオカルトに近いものまで、アノマリーもたくさん存在しているので今後も取り上げていきたいです。

この時期はボロ株が突然強い値動きを見せたり、主導銘柄が頭打ちとなり調整に入ったりします。
しかし時間が経てば、マーケットはまた本来あるべき姿に戻っていきます。

ご祝儀相場

新年明けは、買いと売りが交錯して値動きが激しくなることが少なくありません。
個人投資家にはご祝儀相場と呼ばれることがあるくらいです。

このようなアノマリーにも振り回されずに、自分のルールを守ることに専念してください。


まとめ

  1. 多くの株価が絶えず変化し続けるティッカーテープの前にじっと座りこんで凝視していたり、パソコン画面をにらみ続けて監視するような投資家は、感情的な判断を下す可能性が高い。
  2. 気になる動きを見つけたら、必ず週足チャートを参照して、株価がベースを形成しているのか、それとも買いポイント(ピボットポイント)から離れすぎていないかを確認する。
  3. 一日の平均出来高を書き、出来高が一気に上昇したらすぐに確認できるように準備しておく。
  4. 耳寄り情報やうわさに頼らない
  5. 小型株や中型株が1月に急上昇する「1月効果」は、投資家に誤解を与えたりダマシになりかねない。

おわりに

相場の急変に素早く反応することで利益を得ることはできるでしょう。
しかし、個人投資家にそれが可能かと言われると疑問です。

機関投資家アービトラージ裁定取引)を可能にするために、あらゆることを準備しています。
AIを使ってニュースに機械的に反応するようプログラムもしていると聞きます。

挙句の果てに、通信速度を重視するゆえに東証のサーバー付近に店を構えたりなんてこともあるそうです。

したがって、ニュースに合わせて利益を得ることは簡単ではないでしょう。
ただし、ニュースにだんまりでいいかと言われるとそうではありません。

次回では、ニュースの取り扱い方について読んでいきます。

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