はぐれ猿でも、投資がいいんだ。

ふりむけばやさしさに飢えた弱肉強食の世界で

オニールの成長株発掘法第8章①~Ⅰ:機関投資家の動向を調べる

CAN-SLIMによって、大化け銘柄が持つ7つの主な特徴を、7文字のアルファベットで表します。

本日は「I:機関投資家による保有です。

機関投資家の背に乗って儲けるためには、その動向を調べなければなりません。

今回は、機関投資家の動向を調べるオニール流のやり方を、日本株で実践するためにアレンジした手法を学んでいきましょう。

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

機関投資家とは?

  • 株価を押し上げるには大きな需要(=買い)が必要だ。

株式市場において最大の大口投資家といえば、間違いなく機関投資家でしょう。

実際に、旧東証1部の売買主体の7~8割を機関投資家が占めます。*1


機関投資家の例としては、投資信託、年金基金ヘッジファンド、保険会社、大規模な投資顧問会社、銀行の信託部門、国家機関、慈善施設、教育機関など多岐にわたっています。

彼らはその巨大な資金量を元に、日々の相場を動かす主な原動力となっています。



機関投資家による保有とは?

  • たいていの銘柄は20より更に多くの機関投資家におる保有が必要だ。
  • 小規模企業や新興企業の場合は例外的に最低20社ほどの保有があればよい。
  • プロの投資家が保有しないような銘柄は、株価の値動きも平凡に終わる可能性が高い。
  • その理由は、一万を超える機関投資家のうち、少なくとも数社はその銘柄を検討したはずなのに、最終的には買い銘柄の候補から外しているからである。
  • 仮に彼らの判断が間違っているとしても、重要な上昇を起こすには大きなバイイングパワーが必要であることに変わりはない。

機関投資家保有されるということは、ある意味その銘柄に合格を与えたといえます。


機関投資家が個人より勝る点と言えば、知識はもちろんですが、情報へのアクセスが容易なことも挙げられるでしょう。

プロ向けの企業説明会はもちろん、属する機関のナレッジやコネなど、個人には真似できない手段を持っています。

そのため機関投資家が全く保有しない銘柄は、もしかしたら悪いニュースが潜んでいるかもしれないと用心するに越したことはないでしょう。



日本株の場合

後述しますが、日本株でこの理論を使うときは、機関投資家よりファンド数を使ったほうが簡単です。

というより、機関投資家による保有を調べる手段に限りがあるためです。


また、日本株固有の問題かもしれませんが、グロース市場に上場する銘柄では、ファンド20本による保有を満たさないことが少なくありません。

日本のグロース市場は、米国とは違い個人主体のマーケットのため、20本基準は見直してもいいかもしれません。


ただスクリーニングするうえで、20本基準を設けるとかなり絞れるので、便利ではあります。

IPO直後といった事情がない限り、わたしは律儀にこのルールを守っています。



株主の質と増加数に注目する

  • 最近の数四半期でその銘柄を保有する機関投資家の数が着実に増加しているか注目する。
  • そして最も重要な点が、直近四半期で株主数が著しく増加しているかに注目する。
  • 株主となった機関投資家は誰なのかということまで調べるのだ。
  • 少なくとも、業界トップクラスの業績と確かな手腕を持つポートフォリオマネジャー1~2人によって保有されている銘柄を探すのだ。
  • 株を保有する機関投資家の質を調べるならば、直近12カ月間だけではなく、過去3年までさかのぼって株主となっている投資信託がどのような投資成績を上げているかを分析するのが効果的である。

機関投資家の数が多いだけでなく、株主数が着実に増加しているかも確認しましょう。

特に直近四半期の動きを確認することが重要になります。

ではどうやって確認したらよいか、私が調べた範囲ですがご紹介します。



米国株の場合

米国では、1億ドル以上を投資する大口投資家は「13-F」と呼ばれる報告書を四半期ごとに作成しています。

報告対象は買いポジションだけで、空売りなどは含まれませんが、成長株投資では十分使えるでしょう。


プロ投資家の投資行動が垣間見える資料として貴重な報告書ですが、13-Fの入手の仕方がわかりづらいです。

試した限りでは、会社ホームページからアクセスするのが手軽でした。


下記リンク先では、バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイの資料です。

株関連記事の情報源となることが多い報告書になりますので、気になる方はご覧ください。
SEC FORM 13-F Information Table



日本株―ファンド本数で代用する

日本では、こうした報告書は義務ではないため、機関投資家の数を正確に把握することは難しいです。

しかし組入ファンドの本数を確認するだけなら、「みんかぶ」で簡単に確認できます。
ブリヂストン (5108) : 組入投信 [BRIDGESTONE] - みんかぶ(旧みんなの株式)


最新の組入ファンド本数しかわかりませんが、継続的にモニターすれば十分活用できるでしょう。

更新タイミングはおそらく月次単位です。
(たぶんファンドの月報データを基に更新している)

銘柄検索→組入投信から簡単に確認できます。

現在では、機関投資家はアクティブ運用よりインデックス運用を好むようになってきています。

そのため機関投資家自体に注目するよりも、その保有するアクティブ運用の腕を見たほうが、銘柄の目利きがわかるのではないでしょうか。


なおファンドの組み入れ銘柄や成績を確認したい場合は、モーニングスターのサイトがわかりやすいです。
www.morningstar.co.jp



情報モトム

本書ではモーニングスターで、機関投資家がどのファンドを保有しているかを確認できると書いてありますが、どこを探しても見つかりませんでした。

企業向けサービスならわかるのかもしれませんし、英語版なら分かるのかもしれません。

何かご存じの方がいらっしゃいましたら、ご連絡いただけると嬉しいです。



まとめ

  1. 平均以上の投資成績を残している機関投資家が少なくとも数社は保有している銘柄で、
  2. さらに最近の四半期で機関投資家の数が増えた銘柄を買い銘柄の条件とすること。
  3. 機関投資家による保有が多くあっても、成績上位10社に入るファンドによる保有がなければ、たいていその銘柄の買いを見送る。

投資チェックリスト(次回含む)

  1. 最低20社ほどの機関投資家による保有があるか
  2. 平均以上の投資成績を残している機関投資家が少なくとも数社は保有しているか
  3. 最近の数四半期でその銘柄を保有する機関投資家の数が着実に増加しているか
  4. 直近四半期で株主数が著しく増加しているか
  5. 機関投資家による過剰保有ではないか
  6. 成績上位10社に入るファンドによる保有があるか



さいごに

長い物には巻かれろ。


機関投資家の動きを知る方法は意外に多いです。

機関の空売り情報はコンスタントに手に入れることができますし、少しラグはありますが投資家動向のデータ(投資部門別売買状況)も見ることができます。

大量保有報告書や変更報告書も参考になるでしょう。


これらの情報は、きっとトレードの助けになるかと思います。
ぜひ参考にしてみてください。
gyatuby.hatenablog.com

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村