失敗は成功の母。
今回はチャートの典型的な失敗例を見ていきます。
ブレイクアウトの失敗から学ぶことには、空売りを仕掛ける上で大きな意味があります。
サイクルはどのように起こるか
弱気相場かの見極めについて、前書『オニールの成長株発掘法』では、セクターローテーションを中心に説明されていますが、本書ではより詳しく説明されています。
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この記事を書いているときでは、間違いなくウクライナ危機による供給制約がイレギュラーなイベントと言えるでしょう。
世界中で供給サイドが供給したくてもできずにインフレが加速して、相場は弱気入りしました。
典型的な5つの失敗ベース
- また、相場の天井圏では、多くの銘柄がチャート上のベース形成からブレイクアウトするが、2~3週後には下落するという特徴を持っている。
天井付近では、不完全で適切でないベースでブレイクアウトすることが起こります。
そのようなブレイクアウト後は、失敗して下落するのが特徴に挙げられます。
不完全で適切でないベースは大体、次のタイプのどれかに当てはまります。
- 第3ステージまたは第4ステージの「後期ステージのベース」――全般的な上昇トレンドのなかでは3回目または4回目のだれが見てもよくわかる大きいベース
- カップ型が株価の急落と急激な反発で底が狭い「V」字型になり、底が丸い形(鍋底)になったり、株価が底で少しの期間もとどまることのない形のベース
- 同じ銘柄での直近の2~3回のベースと比較して、週足で見ても幅が横に広がっている不明瞭なベース
- カップウィズハンドル(取っ手付きのカップの形)型のチャートで上昇ウェッジを形成するハンドル(カップの取っ手部分)――下降するのではなく、各週の安値が前の週の安値よりも高くなる、わずかに上昇気味の「ウェッジ」を形成するハンドル
- カップウィズハンドル型のチャート形成で、ハンドルの部分がカップ全体の下半分の株価で形成されている形。
最初のうちは実際にベースを見つけると、買うことばかり考えてしまいがちですが、失敗することもあるので忘れないようにしましょう。
失敗から学んでもいいのですが、最低限この5つのパターンを頭に入れておくと不必要な買いがなくなるかもしれません。
このうち、4.5.についてはカップウィズハンドルの章で扱っています。
復習がてら読むのもいいでしょう。
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崩れやすいベースの例
- 市場において全員がそうであると思えることは、ほとんどそうなった試しがない。
前書『オニールの成長株発掘法』と比べて、チャートの説明が詳しくかつわかりやすくなっています。
4つのチャート例はそれぞれ、値崩れしやすい典型的なパターンを示しています。
図3.1
図3.1は後期ステージのベース崩壊の例です。
第6ベースは調整期間に時間がかかっており、今までが上昇で続いていました。
そのため、多くの市場参加者は値固めしている最中だと思ったに違いありません。
しかし、全員が買いたいと思ってるということは、もう需要は尽きている証拠です。
とくに特殊事情も重なったため、その狂気は頂点に達していました。
巧みなプロの投資家は、そこで売り抜けていくものです。
図3.3
図3.3では、急上昇が長く続いたうえでのベース形成しました。
週足での株価のレンジが、上昇トレンドにあったときと比較していると拡大していることに注意しなくてはなりません。
また幅が横に広がっている不明瞭になっていますが、その分大きいパターンとなっているため、市場参加者にとっては発見しやすいです。
逆を言えば、個人的には強気相場の初期に出来上がったチャートパターンならば、たとえカップウィズハンドルなのか怪しいと思っても監視することをお勧めします。
まとめ
- 通常の市場サイクルでは、3~4回のFRB(連邦準備制度理事会)の金利引き上げによって金利の引き締めが始まり、事業の拡張、特に住宅部門における拡大が抑制されるようになった。
- 天井付近では不完全で、適切でないベースでブレイクアウトすることが起こる。
おわりに
チャートのブレイクアウトに失敗した例をみることは勉強になります。
特にこれらの典型的な5つのパターン、実例4選はとても役に立ちます。
そしてこれから見るであろう、数多くの失敗例もきっと勉強になるでしょう。
次回は、良いニュースは空売りのチャンス!?についてです。
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