チャート100本ノックでは、本書に掲載されているチャートを、時系列順に関連記事や注釈等をまとめています。
残念ながらチャートを自力で作成できませんので、本書を片手に読んで頂ければと思います。
なお、前回の記事は以下をご覧ください。
gyatuby.hatenablog.com
銘柄選択の極意(再掲)
チャートを注意深く読むことで、売買タイミングは大幅に改善されます。
銘柄選択は一流なのに、利確が早すぎたり遅すぎたりで機会損失を得ることは、おそらくすべての投資家が通る道かと思います。
必要なのは、買いのタイミングと利確の精度をいかに高めるか考え続けることです。
チャートのテクニカル指標には様々なものがありますが、オニールが使用する主なテクニカル指標は、株価と出来高、移動平均線とシンプルです。
わたしたちが学ぶべき対象として、これ以上のものはないでしょう。
オニール氏が伝授する投資法を、余すことなく学びきりましょう。
ミネアポリス・ハネウェル・レギュレーター(1933年)
ミネアポリスは、高温形という画期的な発明をしました。
ちょうど世界恐慌が起きたあとだったので、新たな強気相場の始まりと共に、ミネアポリスも大きく上昇していきます。
第1ベース
該当するチャートパターンは見当たりません。
調整している期間がベースであることを思い出しましょう。
ブレイクアウト前に短小線となっているのがポイントでしょうか。
これはアキュミュレーション(買い集め)の合図を知らせています。
第2ベース
べースの中に、小さなベースが3回現れます。
まだ第2ベースですが、ダウ平均が横ばい相場となったため、失敗するベースが続きます。
このように、市場全体のムードは大化け銘柄ですら影響を受けます。
しかし、マーケット全体が上向きになるまで待っていたら、このタイミングでは買い逃すことになるでしょう。
そのため、試し玉(少額)で挑戦することを繰り返すしかないように思います。
ここで失敗しても負けは小さいです。
もしもこのあと勝つことができれば、今までの負け分など余裕で上回るとともに、自信を維持するうえで試し玉は重要になってきます。
コカ・コーラ(1934年)→cf.P161
- 165週間で565%上昇
- 1930年代はコーラが5セントで買えた
- 海外市場に拡大して西欧で売れ筋商品となっていった
世界のブランドランキングで、上位常連のコカ・コーラ。
昔はコーラを5セントで買えたのも驚きですが、当時はまだ伸び盛りの企業でした。
第1ベース
利益率の上昇によってファンダメンタルズは良くなっており、株価急上昇のための土台はしっかりしています。
カップの底部分では振るい落としが行われており、典型的なカップウィズハンドルのパターンです。
最初の買いはしっかり取り組んでいきましょう。
第2ベース
上昇ベース(アセンディングベース)の亜種パターンです。
3回目の押しでは、ベースの上のベースを形成しています。
これはダウ平均が調整局面を迎えたため、上昇ベースを維持できるほどの株価の勢いが衰えてしまったためといえます。
前後や横関係を見ながら機転を利かせることも、チャーティストに求められるのでしょう。
3回目の押しからの反発前は、4週連続で終値がほぼ同じとなっており、成功確率は高まっています。
ブレイクアウト時に出来高増加したタイミングで、買っていきましょう。
増し玉を繰り返す(ピラミッディング)ことで、相当なポジションを抱えることができ、含み益もかなりのものになっているはずです。
第3ベース
この時点になるとコカ・コーラの強さに注目が集まっていたのでしょう。
ダウ平均が調整する中でも、力強さを示すフラットベースを形成しました。
形成期間も6週間とほぼ最短です。
週足チャートに注目していると油断しがちですが、日足チャートも併せて確認するといいでしょう。
実際に買うタイミングは日足チャートを見ることで、より早く買うことができます。
第4ベース
第4ベースでも依然として、コカ・コーラは強い動きを示します。
ここでもパターンの期間は短いです。
しかしマーケット全体が上昇する中で、このタイミングは見逃し厳禁、打たなければいけないど真ん中のストライクボールのようなものです。
しっかり買っていくことができれば、大化け銘柄の恩恵を受けることができたでしょう。
第5ベース
第5ベースでもフラットベースを形成するとは、なんという強さだ!コカ・コーラ!
ここまで手堅く買いポジションを積み上げていれば、含み益は相当なものとなったことでしょう。
なお、第5ベース以降も力強い動きを見せ、ときには買い時を迎えたりしますが、もちろん売り時に見えるタイミングもあります。
第5ベースまで積み上がったのですから、警戒して当然です。
それでも間違って売ってしまったとしても、再び買い直せばいいのです。
どうせ上がるなら買い値なんて気にしてはいけません。
売ってしまったからという理由だけで買い逃している間は、悩みと痛みに苦しめられることでしょう。
小さい失敗ならいくら犯しても構いません。
ホームランを打てばすべてチャラになります。
本日の気づき
- ブレイクアウト前に短小線となっているのは、アキュミュレーションの兆し
- 小さな失敗は、大きな成功にとって必要な投資