お金を増やしたい事情は、投資家によって様々です。
今回は、投資家個人の事情に合わせた投資法について学んでいきます。
投資家個人の事情
- 投資家個々の状況は、有価証券の選択にどれほどの影響を与えるべきものであろうか。
- 話を分かりやすくするために、状況が大きく異なる三つのケースを取り上げよう。
- 20万ドルの遺産で自分と子どもたちの生活を支えなければならない未亡人
- 貯金が10万ドルあり、さらにそれが毎年1万ドルずつ増えていく壮年の医師
- 週の収入が200ドルで、年に1000ドルの貯蓄する青年
結婚や子供の有無、労働時間や収入など、投資家個人にはそれぞれ事情を抱えています。
ここでは話をわかりやすくするために、三つのケースを取り上げて説明しています。
1、無収入な未亡人
最低限の収入が必要であり、投資に回すお金を増やせない方は、防衛的投資を行うと良いでしょう。
なぜならリスクを冒して、生きるために必要なお金にまで手を出すわけにもいかないからです。
絶対に一発逆転を狙おうとはせず、堅実に投資を行うことが求められています。
なお、防衛的投資家については過去記事をご覧ください。
gyatuby.hatenablog.com
2、忙しい医者
- もし彼に投資に対する熱意や才覚が欠けているとすれば、最も良い成績を上げられるのは防衛的投資家が取る単純な手法に従った場合である。
- 彼のポートフォリオの構成は「典型的」な未亡人のそれと同一になるべきであり、株式比率の決定には未亡人と同様に個人的裁量の余地がある。
- また毎年の貯蓄額も、資金全体と同じ比率で投資すべきである。
- 医者には大きなハンディがある。投資に関する勉強をしたり資金を管理するための、十分な時間が取れないということだ。
収入や資産に余裕があっても、時間が足りない医者もまた、防衛的投資が向いています。
これは積極的投資を行おうとしても時間が足らず、また投資に関する知識を身につける時間すらないかもしれないためです。
未亡人と異なるアドバイスをするとすれば、毎月一定比率を投資に回しなさいと言うことです。
例えば毎月10%投資に回すだけでも、ドルコスト平均法によって妥協できる利益を得ることができるでしょう。
3、貧乏な青年
- 彼らは貯蓄の一部を自動的に連邦貯蓄債券E号に投資すべきであるが、その残額をもって積極型投資を行おうとすれば教育的訓練や精神鍛錬が必要であり、少ない金額のためにそこまでする価値はほとんど認められないように思えるのである。
- よって防衛的投資家のための基本プランに単純に従うことが、彼らにとって手っ取り早く合理的な方針といえるのである。
未亡人と似たようなケースですが、あまりに少ない資金で積極的投資を行うために時間を費やすのは、コストパフォーマンスが悪すぎます。
投資からの収入には依存していませんが、その時間や労力は人生を有意義に過ごすために費やしたほうが良いかもしれません。
しかし勉強は大事なものである
- 若き資本家が財務の勉強を始め、早いうちに実際経験を積むことが大きな強みとなる。
- 彼らが積極的投資家を目指せば、必ず何度かは判断ミスを犯して多少の損を出すことになろうが、若者は失望を乗り越え、それに糧にすることができるものだ。
- 証券の価値を研究し、まずは株価とその価値について、自分の判断の正しさを、最小限の金額を投じて証明してみるのがよいであろう。
とはいえ、早いうちから勉強することは、将来の役に立つことに間違いはありません。
自分に才覚があるかどうか、最小限のお金を使って積極的投資を試してみるのは決して悪いことではないでしょう。
数えきれない失敗があるでしょうが、青年の将来はきっと明るいはずです。
まとめ
- 無収入の場合、生計を立てるための定期的な収入を得ることが死活問題となる
- また、投資金の保全もとても重要であるため、防衛的な投資が有効である
- 時間や労力を避けない場合にも防衛的投資が有効である
- さらにお金が少ない場合にも、コストパフォーマンスの点で防衛的投資が良い
- しかし若いうちから勉強し、最低限のお金で積極的投資にトライするのも良い