はぐれ猿でも、投資がいいんだ。

ふりむけばやさしさに飢えた弱肉強食の世界で

賢明なる投資家まえがき②〜防衛的投資家と積極的投資家

本書では投資家を、防衛的投資家と積極的投資家に分けて説明しています。

ほとんどの投資家は防衛的投資家を目指すべきとされていますが、一体どんな投資家を指すのか見ていきましょう。

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「防衛的」投資家と「積極的」投資家

  • 本書の対象とする投資家を2種類に区別してきた。「防衛的」投資家「積極的」投資家である
  • 防衛的(受動的)投資家とは、大きな失敗や損失を避けることに最大の関心がある人々を指し、彼らがそれに次いで重視するのは努力や不快感、また度重なる投資判断の必要性から逃れることにある。
  • 一方、積極的(攻撃的)投資家を特徴づける要素は、平均的な銘柄と比較して健全で魅力ある有価証券を選ぶために、手間や時間を注ぎ込むことをいとわないということだ。

本書では投資家を2種類に分類しています。


防衛的投資家は、時間がなく忙しい人が大きな失敗や損失を避け手堅く儲けることに注力する投資家を指します。

そのため防衛的投資家の投資先は、一流の銘柄に限られます。


他方で積極的投資家は、時間をかけて掘り出し物を探す投資家と言えるでしょう。

時間をかけた分だけ、平均以上の収益を得ることを目的としています。


本書は、防衛的投資家と積極的投資家、両方のタイプの投資家に向けての書籍です。

読む際には、誰に向けての文章か意識しましょう。



投資家の心理学

  • それでは本書の目的は何なのか?その主たる目的は、読者が大きな過ちを犯すことのないよう導き、不安なしにいられる投資手法を作り上げることにある。
  • 投資家の心理学についてはかなり多くのことを取り上げるつもりだ。
  • なぜなら、投資家にとって最大の問題ーそして最大の敵ーは大抵、自分自身だからである。
  • 議論をし、例を挙げ、警鐘を鳴らすことで、読者のみなさんが投資判断のための適切な精神的姿勢を作り上げるための手助けをしたいと、われわれは願っている。

繰り返しになりますが、本書の目的は手痛い失敗を避け、手堅く儲けることにあります。

そして手堅く稼ぐには、投資している間も不安なく持ち続けることができるかが大事になります。


一時の下落で不安に駆られ、すぐに手放してしまってはバリュー投資の意味がありません。

自分のしていることに自信と勇気を持ち、ホールドし続ける精神力を鍛えるのも本書の役目です。



投資価値の判断

  • 読者のみなさんには価値判断を心がけてほしい。
  • というのは、銘柄が100あればそのうちの99までは、買った方がよいほど安いとか、売ってしまった方がよいほど高いなどという価値判断を、価格によってできるからだ。
  • 株は香水ではなく食料品を買うときの感覚で買いなさい

FXと違って株式の良いところは、値段がついているところです。

個々の銘柄にはそれぞれ価値が存在しており、価値に見合った価格で買うのがバリュー投資です。


そのため株式を買うときには、香水のようにいくらでもいいから買うのではなく、食料品を買うときと同様に値段を見て購入することを心がけましょう。



本書の投資戦略

  • 本書では普通株投資のための実践的プログラムについても詳述していく。
  • 企業の有形資産価値を大幅に上回る価値の株には手を出すなということだ。
  • 時代遅れに映るであろうこのアドバイスには、実際的かつ心理的な理由がある。
  • 純資産の数倍の値が付いた優良な高成長企業が数多く存在する一方で、そうした企業の株を買う人々は株式市場の気まぐれと変動によってあまりにも大きな影響を受けてしまうからである。

ここでいう有形資産価値は、貸借対照表上の(流動資産+有形固定資産ー総負債)と考えるといいと思います。

本書を読んでいると、無形固定資産やその他投資資産はゼロとして扱うことが少なくありません。

もちろん計算が面倒であれば、PBR(株価純資産倍率、株価/1株あたり純資産で求める)で考えても構わないでしょう。


大事なのは、裏付け資産がある銘柄を高すぎない価格で買うことです。

純資産の何倍もの値段が付くいわゆる人気株は、株式市場の雰囲気に左右されやすく、株価が上がるのも早いですが落ちるのも早いです。

本書では、人気株への投資は価値に基づかないため推奨していません。



純資産に基づく投資をせよ

  • 例えば純資産相応に評価された公共事業関連株に投資する人は、たとえ市場が逆に振れたとしても、自分は成長を続ける堅実な企業に合理的な価格で投資しているのだと、常に考えることができる。
  • こうした堅実なポリシーに基づくことは、成長への期待から魅惑的で危険な場所に飛び込んで刺激的な投機を行うよりも、最終的には良い結果を得られる可能性が高いのである。

例えば価値が100円のものを90円で買えたとしたら、株価が下がったとしてもいずれ100円に戻ると信じるに足る根拠があります。

こうした純資産に基づく投資を行うことは、成長株投資で投機を行うよりも、結果的には良い結果が得られることが多いと述べています。


少し脱線しますが成長株投資は、市況のムードを掴むために人々の心理を掴まないと、大儲けするどころか損失を重ねてしまいます。

この人々の心理を読み切れると思うかどうかで、進む道が変わってくるでしょう。



まとめ

  1. 防衛的(受動的)投資家とは、大きな失敗や損失を避けることに最大の関心がある人々を指し、彼らがそれに次いで重視するのは努力や不快感、また度重なる投資判断の必要性から逃れることにある。
  2. 一方、積極的(攻撃的)投資家を特徴づける要素は、平均的な銘柄と比較して健全で魅力ある有価証券を選ぶために、手間や時間を注ぎ込むことをいとわないということだ。
  3. それでは本書の目的は何なのか?その主たる目的は、読者が大きな過ちを犯すことのないよう導き、不安なしにいられる投資手法を作り上げることにある。
  4. 株は香水ではなく食料品を買うときの感覚で買いなさい

おわりに

Nvidiaの決算も無事に通過し、日経平均も史上最高値まで上がりました。

新NISAも盛り上がってるようで、優良銘柄が多い防衛的投資家はホクホクではないでしょうか。

とはいえ、ここから買い進めるのにも売るのにも抵抗があります。

含み益がもっと含むと気分も変わるんでしょうけどね。

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