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オニールの空売り練習帖第3部⑧~ チャート100本ノック8本目

チャート100本ノックでは、時系列順に注釈や関連記事をまとめています。

本書のチャートがわかりやすいので、お手数ですがチャート自体は本書をご覧頂ければ嬉しいです。

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はじめに

  • 空売りのひな型の用意ができたので、過去の市場における最高の空売りの例をいくつか検討してみよう。
  • いくつかの重要なポイントと各々の空売りの「モデル」の詳細を取り上げる。

理論を学んでも、実践で使うことができなければ意味がありません。

ここでは、実際のチャートとその読み方について、本書の説明や注釈などを時系列に並び替えて学んでいきます。


チャートを見ていくにつれて、空売り候補のモデルの性質や特徴について感覚が身についてくるはずです。

ぜひ、その知識を実際の取引に活かしていきましょう!


レッドマン・インダストリーズとスカイライン・コーポレーション(cf.成長P62,63)

  • 1960年代にはトレーラーハウス業界は大人気で、レッドマン・インダストリーズやスカイライン・コーポレーションといったトレーラーハウス・メーカーもそれに乗って大いに人気を博した。
  • スカイラインレッドマン同グループの銘柄がどう動くかを示しているため、両社の1966年から1968年の強気相場を研究すると役に立つ。

1960年代はこうしたトレーラーハウスが人気を博し、この2社の株価は大きく上昇しました。

このようにブームが沸くと、同業種が全て上昇することはよくあります。



強気相場での2社の動き

  • この2銘柄のなかでは、スカイラインが最初のベースから先に、そしてより大きく値上がりし、28ヶ月間で1233%上昇した。
  • レッドマン・インダストリーズは6ヶ月遅れてブレイクアウトし、17ヶ月で837%上昇した。
  • レッドマンスカイラインほどは強くなく、5ヶ月早く早く天井を付けている。
  • 両社ともお互いの動きから数か月以内にブレイクアウトし、お互いの動きから数か月以内に天井を付けている。

両銘柄の買い方が知りたい方は、前書『オニールの成長株発掘法』ページ62とページ63をご覧ください。

当ブログでもチャートノックで取り扱っています。
ーーー関連記事ーーー



週足チャートで確認する

  • レッドマン・インダストリーズが1969年5月に天井を付けると、それはスカイラインの投資家にとってまもなくスカイラインも天井を付けるだろうというヒントになったのである。
  • 両銘柄とも最終的な天井に近づくにつれ、チャート上の値動きの特徴が変わり始めるのも明白である。
  • 長期にわたる上昇のあと両銘柄とも調整を始め、絶対的なピークの近くで2つのカップ・ウィズ・ハンドルを形成している。
  • レッドマンの場合は、1番目の幅が広く不明瞭な後期ステージのカップウィズハンドルからのブレイクアウト失敗のときに最終的な天井を付けた。
  • スカイラインの場合は2番目の後期ステージのカップウィズハンドルからブレイクアウトに失敗し、それが同社の株価上昇の終わりの始まりとなった。

トレイラーハウスに属する両社の株価の動きは、似たようなパターンになっています。

後期ステージからのベースの崩れなので、どちらもダイアグラム2に該当します。


同業種に属する大化け銘柄の空売りは、今後の研究に役立つでしょう。

本書のチャートを見ながら、両社の動きを読み進めます。



レッドマン

  • 2つの幅が広く不明瞭な後期ステージのカップウィズハンドルのベース
  • 1番目のカップウィズハンドルのベースの底値で示されるような、いわゆる「主要な支持線を割り込むときは、多くの場合、これを空売りポイントと判断した売り方を誤らせるということを覚えておかなければならない。
  • これはあまりに分かりきったポイントであり、ここで空売りすると間も無く踏まされる。
  • 50日移動平均線を上抜く4回目の反発のあとで、出来高の急激な増加を伴って株価が50日移動平均線を割ったポイントで空売り

ダイアグラム2の典型例ですが、ここではネックラインではなく支持線での空売りに注意を促しています。

直近のベースの安値を結んだ支持線空売りポイントではなく、むしろ手仕舞いするポイントです。

みんなが売りたがってるタイミングで買い戻すのが、需要と供給の点では正しいと言えます。


繰り返しになりますが、強気相場が完全に終わるまでには時間がかかることが多いです。

相場の熱気が冷めるまでは、注意深く監視する必要があるでしょう。



スカイライン

  • スカイライン・コーポレーションが天井を付けたのは1969年10月になってからで、これは一見したところ後期ステージのカップウィズハンドルだが、実際には後期ステージの不完全なダブルボトム・ウィズ・ハンドルからのブレイクアウトの失敗のときに付けたものである。
  • ちなみに1回目のカップウィズハンドルも実際には後期ステージの不完全なダブルボトム・ウィズ・ハンドルである。
  • 株価下落時の出来高急増
  • 50日移動平均線を上抜く2回目の反発のあとで、出来高の増加を伴って株価が50日移動平均線を割ったポイントで空売り
  • 2回目の反発は3週間にわたる平均以下の出来高からなり、そのうち最初の2週では厳しいストーリング(失速)の値動きとなっている。

チャートとにらめっこしながら、一文ずつ読んでいきましょう。

スカイラインでは50日移動平均線を上抜く反発は2回しかなかったので、ここではストーリングの動きによく注意する必要がありました。



正常なダブルボトムとは

  • 両者とも不完全なのは、正常なダブルボトムでは、最初のボトムに至るベースの左側はほとんどの場合2週間や3週間ではなく、4週間から6週間かけて形成されるからである。
  • この理由は、一般的にベースでは、特に後期ステージのベースでは、ボトムの左側を株価が下落するとき、弱腰の投資家を振り落とすためにより多くの時間を要するからである。
  • わずか2週間から3週間の下げでは、弱腰の投資家をすべて振るい落とすには不十分であり、崩れやすい不完全なベース形成となる。

正常なダブルボトムについての説明も引用したので、全体的に少し長くなりましたが参考にしてください。

こういう注釈は、前書『オニールの成長株発掘法』でも分かりづらかったので参考になると思います。



まとめ

  • この2銘柄を比較すると、スカイラインのほうが上昇を始めたブレイクアウトの時期が早く、最終的な天井を付けた時点での上昇率が大きく、レッドマンよりも後に天井を付けている。
  • このことから、スカイラインのほうが強い銘柄であると分かる。
  • この例での教訓は、同じリーダーグループ内のいくつかの銘柄が強気相場で大きな上昇をみせて、それらの銘柄が最終的に天井を付けたとき、第一の空売り候補としてはその銘柄のなかで最も弱い銘柄を選ぶべきだということである。
  • レッドマン・インダストリーズのほうが実際にはよい空売り銘柄なのである!

つまり、ブレイクアウトの動きが最も遅い、もしくは天井を付けるのが最も早い銘柄で空売りを狙うと、投資成績を向上させてくれるでしょう。

最近でもこの教訓を試せる機会はありませんでしたか?



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