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オニールの空売り練習帖第3部③~チャート100本ノック3本目

チャート100本ノックでは、時系列順に注釈や関連記事をまとめています。

本書のチャートがわかりやすいので、お手数ですがチャート自体は本書をご覧頂ければ嬉しいです。

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はじめに(再掲)

  • 空売りのひな型の用意ができたので、過去の市場における最高の空売りの例をいくつか検討してみよう。
  • いくつかの重要なポイントと各々の空売りの「モデル」の詳細を取り上げる。

理論をいくら学んでも、実践で使うことができなければ意味がありません。

ここでは、実際のチャートとその読み方について、本書の説明や注釈などを時系列に並び替えて学んでいきます。


チャートを見ていくにつれて、空売り候補のモデルの性質や特徴について感覚が身についてくるはずです。

ぜひ、その知識を実際の取引に活かしていきましょう!




カルパイン・コーポレーション

カルパイン

  • 発電事業者のカルパインは、後期ステージにおけるカップウィズハンドル型のベースが崩れて、株価の絶対的なピークから数ヶ月後に強い空売りの機会を提供した良い例である。
  • カルパインが2001年3月の天井に近づいている時点で、発電事業や切迫した電力エネルギー不足の危機がニュースに報道されていたということは、非常に興味深いことである。
  • 残念なことだが、株式市場においてはすべての人がついに何かを「知った」という場合には、それは終わりなのである。

これはつい最近にも、エネルギー供給不足による電力株の高騰がありましたね。

9501 東京電力 週足チャート

カルパインのような銘柄は、過去2年半にわたって着実に株価を上げていたにもかかわらず、大衆はこの大化け銘柄の存在に気づかなかったのです。

かなりの値上がりをして初めて大衆が気付くのですが、その頃には旬は既に過ぎていることが少なくありません。



週足チャートで確認する

  • 最初の2.6ドルでのブレイクアウトから58ドル以上になる過程で、カルパインの株価はベースを6回形成しており、そのうち最初の5回はすべて比較的良い形で適切なベースであった。

上昇トレンドを形成している間にも、ベースはいくつか作られ、それは数を重ねるごとにブレイクアウトに失敗する可能性が高まります。

それは目覚ましい上昇に注目する人々が増えるためです。


私は逆張り的な発想はあまり好きではありませんが、Twitterやニュースなどで話題になり始めたら、天井の合図となることもあります。



後期ステージにおけるベースの崩れ

  • 6回目のベースはカルパインの値動きが変化する最初の兆候となった。
  • この最後の後期ステージでのベースは大きく、不明瞭なカップウィズハンドルで3つの別々のボトム(トリプルボトム)を持ったものであった。
  • 株価はこのベースからのブレイクアウトを試したが、最初の2週間は出来高の増加を伴ってストーリング(失速)の動きを見せている。
  • 8週間後、ブレイクアウトは失敗し、株価は50日移動平均線を割り込んで急落した。
  • 3つの薄商いでのストーリングの週で空売り可能

チャートを見ると、かなり不明瞭なカップウィズハンドルが見えるかと思います。

本書は対数チャートを採用しているため勘違いするかも知れませんが、値動きが思った以上に荒く定まらず、チャートパターンの値幅もかなり大きいです。


ブレイクアウト法によれば、(他に悪材料がない限り)おそらく購入することになると思いますが、ブレイクアウトのタイミングで弱気のサインを示すストーリングを見せています。
gyatuby.hatenablog.com

値動きがある成長株を買ってるのだから、こうした弱気のサインはそろそろ天井が近い合図となりうるということでしょう。

損切り水準を浅くするといった対応が必要かもしれません。

少なくとも、その後の株価が50日移動平均線を割り込んだタイミングで損切りすることにはなります。



日足チャートで確認する

  • そこ(ブレイクアウトの失敗)から弱含みとなり、下落する株に起こる典型的な現象のひとつが日足チャートで確認できる。
  • 50ドル台半ばから20ドルの水準までの下降トレンドを特徴づけているのが、株価が上昇するにつれて出来高が減少するという小規模で短期間の反発であり(ウェッジを形成)、これらの反発のあとは株価が下がるほど出来高が増加するようになっている。
  • この種のテクニカルな動きは下降トレンドの状況でよく見られ、このような動きを見せている銘柄はしばしば、出来高の減少やウェッジを伴う」反発が50日移動平均線や200日移動平均線抵抗線に当たるポイントで空売りできる。

カルパインの空売りは、結果的には週足チャートのストーリングを確認した方がわかりやすかったです。

ここではチャートを読む基本である、株価と出来高の関係を確認しましょう。


株価が強い上昇トレンドのときは、株価が上がる時には出来高は大きくなり、株価が下がる時は出来高が小さくなります。

反対に下降トレンドでは、株価が反発するときは弱い出来高となり、株価が下落する際には強い出来高となります。


カルパインの下降トレンドのチャートは、こうした株価と出来高の動きを見るのにとても参考になります。



下降ウェッジ

下降ウェッジ
出所:FOREX.com

上昇ウェッジ/下降ウェッジとチャートの読み方 - FOREX.com

上図は下降ウェッジを表しています。

ブレイクアウトするとその方向に大きく動きますが、基本的にはウェッジ方向にブレイクアウトすることが多いです。

つまり下降ウェッジの場合は、下降トレンドを描くことが多いです。


右肩部分での3~4回の反発がないので、今までと同じ空売りタイミングを狙うと外します。

相場の熱気が抜けきる、言い換えれば出来高と株価の動きに注目しながら参入していくことが求められます。

ダイアグラム2だからといって、反発があるというわけではありません。


本書に書かれている通り、下降トレンドを描いたら出来高の減少やウェッジを伴う反発が、50日移動平均線や200日移動平均線抵抗線にあたるポイントで空売りできる可能性があることを覚えておきましょう。



売り時は天井の8ヶ月後

  • 株価が下落し始めたあと、最適な空売りポイントはこの銘柄が絶対的な高値を付けた時点からほぼ8カ月に現れている。
  • 薄商いでの反発によって株価は50日移動平均線を上回る反発を見せるが、このときの週足ではストーリングの動きを示している。
  • そのあと株価は出来高の増加を伴って50日移動平均線を割り込み、3週間のうちに26ドルから10ドル以下に急落した。

週足のストーリングで空売りも可能ですが、当然日足チャートで50日移動平均線を割り込むところで空売りするのも有効になります。(3回目の空売りポイント)

なおダイアグラム1やダイアグラム2に従う、つまり3〜4回の小反発を待っていたら乗り遅れました。
gyatuby.hatenablog.com


カルパインでは、基本に戻って株価と出来高の動きを研究したり、弱いサインが出ていないか、常に油断せず確認する必要がありますね。



本日の気づき

  1. 出来高の増加を伴ってストーリングを見せたところが空売りポイント
  2. 移動平均線の割り込みよりも早いスタートが切れる可能性がある
  3. 下降トレンドを描いたら出来高の減少やウェッジを伴う反発が、50日移動平均線や200日移動平均線抵抗線にあたるポイントで空売りできる可能性があることを覚えておきましょう

おわりに

買いのチャートノックと比べて、空売りは決まった公式はありません。

あるのは指針だけです。


売買タイミングも難しい割には、リターンは20〜30%が目標と割に合わないと思うかもしれません。

あくまで儲けるチャンスが増える。

まずはそう思うようにしたほうが取り組みやすいかもしれませんね。

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